家でできる遊び。それは染物。

家でできる遊び

今、家の中で簡単にできる遊び。植物で染める染物はいかがでしょうか。布を染めるだけなのに、なぜか楽しいです。

家にある草木や食品を使うなら、食品のお買い物ついでに、色止め用に漬物用の焼みょうばんをスーパーで買えば材料がそろいます。道端で雑草をつんでも大丈夫そうなら、雑草も手に入れて染めてみてください。

子供だけでなく、大人一人でできるインドアな趣味としてもオススメです。

春は春の雑草染めがおすすめです。

家の中での染物遊びは簡単

場所は室内。主に台所で染物をします。キッチン染めです。

小さな布切れを染めるなら、大きい鍋は必要ありません。お湯を沸かしたり、食品を煮出す作業は、普段の鍋でも可能です。

手順も簡単。植物や食べ物を煮出して、濡れた布をつけたり、色止めとしてミョウバンを溶かした液につけるだけ。お家で楽しむ分にはとても簡単です。

ハンカチをアボカド染液に入れる

子どもと一緒にする際は、加熱したりはするので、やけどにご注意ください。

基本的な手順はこちら→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹

お家にある布を探す

染めるものは、家にあるものを染めるのがいいと思います。

天然繊維(シルク、コットン、麻、レーヨン)なら染まります。化学繊維(ポリエステルなど)は染まりません。

使っていないハギレやレース紐など、押入れの中を探してください。

着物の裏地など、絹の布があれば濃く染まるのでおすすめですが、着物が自宅にあるお家は限られそうですね。

とりあえず、ハンカチ1枚分程度のハギレを試しに染めてみるのがおすすめです。コットンガーゼのマスクも染まります。(洗濯には弱いので、洗ううちに色は落ちると思いますが)

おすすめの素材についてはこちら→ 草木染めで染める布の選び方、提案

お家でおすすめの染物遊びの方法

草木染めも季節ごとに旬があります。野菜や果物と同じです。季節ごとに違う染物を楽しめます。

春の雑草

春夏の道端の雑草は、黄色~黄緑色に染まることが多いです。木綿は濃染処理が必要です。

春の雑草

カラスノエンドウで染めたシルク。古い着物の裏地。

カラスノエンドウ染めシルク

※雑草染めの方法はこちら→ カラスノエンドウ染め(雑草で草木染め)

シルクなら濃染不要

シルクなら濃染処理が必要ないので、スーパーでみょうばんを買えば、すぐできるのでオススメです。

これは、ヨモギ染めのシルクストール。

ヨモギ染めシルクストールの色

ヨモギ染めの方法はこちら→ よもぎ染めでシルクストールを染める方法

食べたサクランボの軸で染める

サクランボを食べたら、サクランボの軸(実がついてる棒のところ)でも染まります。1~2パック食べれば染められます。アボカド染めに似ています。

サクランボの軸で染めた布

※詳細はこちら→ サクランボを食べたら、布を染めてみよう

有名どころ。玉ねぎの皮

玉ねぎの皮も濃染処理をしなくても木綿が染まるので、おすすめです。

玉ねぎの皮染め

玉ねぎ染めの方法はこちら→ 玉ねぎ染めの方法

鉄媒染にすればカーキ色にもなります→ 玉ねぎの皮でカーキ色に染める

そら豆染めで不思議な色

そら豆の皮(食べる時にむく部分)やサヤでシルクを染めたら、ベージュピンクと薄い黄緑でした。そら豆を食べたらお試しください。木綿の場合は、濃染が必要です。

そら豆染めシルクの色

※そら豆染めの話はこちら → 野菜で布を染める自由研究:そら豆染め

どくだみ染めで黄色

どくだみは道端によく生えている雑草です。葉、茎を煮出した後、重曹を少し入れると黄色が濃くなります。濃染しなくても木綿もある程度染まります。

どくだみ染めの色

※詳細はこちら→ どくだみ染めテスト

みかんの皮

みかんの皮を染料にすることもできます。重曹を入れて染めると黄色が濃くなりました。木綿は濃染処理が必要です。

みかんの皮と染めた試験布

※みかん染めの方法はこちら→ みかんの皮の利用法。みかん染めテスト

※夏みかんのマーマレードを作る際の茹でこぼし汁でも染まった、という報告もいただきました。

緑茶と果物の酵素染め

緑茶に果物の酵素を効かせて赤みを出して染める実験です。思いついたのが冬だったのでリンゴを使っています。夏ならビワやナシのほうが酵素が効きやすいです。ぜひ実験して結果を教えてください!(2021年8月、ナシを使ったやり方も追記しました)

お茶とリンゴでピンクに草木染め

※緑茶染めの話はこちら→ 緑茶とリンゴでピンクに草木染め実験

どんぐり帽子染め

クヌギのどんぐり帽子から、こっくりした色が染まります。

ドングリの殻斗
どんぐり帽子染めズボン

※詳細はこちら→ どんぐり帽子で草木染め(ズボンのリメイク)

ぶどうの皮で紫色

ぶどうの皮を使うと、色落ちはしやすいですが、染まってすぐはきれいな紫色です。写真の巾着は木綿ですが、シルクやウールのほうが色が落ちにくいのでオススメです。

巨峰の皮で染めた巾着

※詳細はこちら→ 巨峰の皮で食べ染め、ぶどう色

セイタカアワダチソウで黄色と黄緑色

秋の雑草といえば、セイタカアワダチソウ。群生していて手に入りやすく、花と同じ明るい黄色が染まります。鉄媒染で渋さを加えれば秋色になります。

雑草、背高泡立草とその草木染め布

※詳細はこちら→ 秋の草木染め。雑草のセイタカアワダチソウで染める

クサギ染め

秋限定。紫のガクに黒紺色の実がついた木があったら、それはクサギです。実で水色が染まります。

クサギの実
クサギ染めテスト

※詳細はこちら→ クサギの実の採取とクサギ染めテスト

アボカド染めピンク

こちらは濃染不要。アボカド1個とミョウバンで、木綿ハンカチがかわいいピンクに染まります。

アボカド食べ染め木綿ハンカチ

アボカド染めのやり方はこちら→ 簡単アボカド食べ染めレシピ

その他の植物で染める

植物なら結構染まるものが多いです。よく使われている染め材料はこちら→草木染めの材料となる植物や染料の量

毒があるものには要注意です。

あと、「特定外来生物」に指定された植物(例:オオキンケイギクなど)も、生きたままの運搬等で法律に触れると罰則があるので要注意です。

※特定外来生物についてはこちらに書きました→ 外来種の黄色い花で草木染め(取扱注意)

もっといろいろ染めたい場合

布を濃染する

手元にある身近な天然繊維といえば、木綿だと思います。濃染すれば、道端の雑草などでも木綿がよく染まります。

濃染の方法はこちら→ 草木染めを濃く染める方法

私はあまり上手にできませんが、豆乳を使う方法が有名です→ 豆汁下地のやり方、色ムラと色あい

布に模様をつける

輪ゴムやビー玉、割りばし、タコ糸などを使って、模様をつけることもできます。

割りばしで挟んだ模様

模様入れの方法はこちら→ 布に絵を描く、模様を入れる

植物の形を写し取る

葉っぱを葉っぱの形のまま染めるエコプリントだったら、少ない葉っぱの量で染物が可能です。

ただ、上手なやり方をまだ発見できてなくて、模索中です。でもこれ、おもしろいです。

雑草のエコプリント

エコプリントの話はこちら→ 布に植物を写しとるエコプリント自由研究

※バンドルダイとも呼ばれるらしいです。

毛糸を染める

寒い季節は、毛糸の靴下やマフラーを染めたくなります。バケツ1個でも染められます。

浸し染めで草木染めしたウールマフラー

※マフラーをバケツで染めた話はこちら→ 草木染めでウールを浸し染め
※基本的な染め方はこちら→ 毛糸を染める方法(ウールの草木染)

染物以外に自宅でできる遊び

紙を作る

牛乳パックから紙を作る、というのもよく見かけますが、大人でも楽しいです。

草木染め紙すきハガキ

紙すきの方法はこちら。→ 牛乳パックで紙すきハガキを作る方法

漉き枠は市販品を使っているので、枠の作り方などは別途調べてください。

原料に野菜を使うのも楽しいです→ とうもろこしの皮で、野菜の紙作り(自由研究)

藍の種をベランダにまく

春先にベランダで藍を育てると、夏に生葉染めが楽しめます。生葉染めは媒染いらずで、シルクが青色に染まります。

藍の生葉染めシルク

無料配布で種を手に入れて、種まきするのがおすすめです。→ 藍の種と栽培(生葉染め染料用)

シュシュを作る

ハギレを染めると使い道に悩みます。とりあえず、シュシュ→ シュシュの作り方(ミシン)

家でできる遊びで思うこと

  • 家の中でできることなら、引きこもりの私の出番。得意分野。
  • 新しいものを買って染めるのではなくて、今あるものや廃棄するものを活用するような、そんな染物がしたい。
  • ご時世的に、光熱費が気になってきた。

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。