よもぎ染めでシルクストールを染める方法
4月の草木染めワークショップでヨモギ染めをするため、シルクストールを染めてみました。
材料は、生のよもぎの葉っぱ。その辺の道端にもはえている、雑草です。ヨモギで草木染めをするやり方を書きます。ぜひ自宅で染めてみてください。
絹なのでキラキラしています。新緑の緑茶みたいな、春や初夏にぴったりのキレイな色です。黄色と緑の混じった、明るい黄緑色。和名でいうと若菜色かな?ヨモギ色というのは、もっと緑っぽい感じなので、若菜色に近いです。
採取日・染めた日:2019年3月27日
※追記:よもぎ染めなど精油も出る草木染めは、特によく換気をして行ったほうがよいです
目次
よもぎ染めの材料
- シルクストール 36g 藍熊染料で購入。
- よもぎの葉っぱ 219g ※染液の半分を使用したので、この半量でも大丈夫
- 焼みょうばん(スーパーで購入した食品用)6g ・・・大さじ2強 ※この半量でも大丈夫
よもぎ染めの手順
- 事前の準備:道端、川沿いなどでヨモギを摘む
- 事前の準備:ストールを少量の中性洗剤(台所洗剤、モノゲンなど)を入れたお湯で洗う(今回は精練済布なので省略)
- 事前の準備:ストールをぬるま湯(お風呂ぐらいの温度)につけておく
- ステンレス鍋にヨモギ219gと水6Lに入れて沸騰後20分煮る ※水を変えて2番液まで抽出
- ヨモギをこして、バケツに染液を入れる。ストールを入れて20分。時々、生地を動かす。※1番液を使う
- 水洗い
- 焼みょうばん6gを少量の熱湯で溶かす。水3Lで薄める
- みょうばん液にストールを20分漬ける。時々、生地を動かす。
- 水洗い
- 再度染め液に漬けて20分。時々、生地を動かす。※2番液を追加
- しっかり水洗い
- バスタオルで水分を脱水して日陰干し
※草木染めの基本手順や注意点はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
※ここでは自然な色、黄緑に染めています。もっと緑色を出したい場合は、ヨモギを煮る際に重曹を少し(大さじ2くらい)加えます。その場合は、染める前にお酢で中和します。
よもぎ染めの写真と説明
染める素材:シルクストール
藍熊染料で購入した、「絹100%格子縞メッシュストール」という商品です。キラキラしています。格子柄が入っているので、雰囲気が出ます。シルクでも、つるつるした生地より、ざっくりした感じの生地が好きです。
55cm×170cm 36g
材料のヨモギを探しに行く
草木染をはじめるまで気がつかなかったけれど、東京都内の街路樹の土のところにも、公園にも、ヨモギはあります。
とはいえ、道端だと人目も気になるし、量が必要なので、川沿いまで探しに行きました。3月下旬でも、けっこうありました。草刈りされるとなくなってしまうので、いくつか候補地を見つけたいところです。東京都内でおすすめの採取場所があれば、お問い合わせフォームからこっそり教えてください。
ヨモギの特徴は、葉っぱの裏が白っぽいことです。自分で100%判別できる自信はないのですが、染まったのであっているはず。葉っぱの部分をちょこちょこ採取してみました。
生のヨモギを取ってすぐ使うとよいらしいのですが、冷凍して保存できるのか?がよくわかりません。
<ヨモギの特徴>
- 葉の形が優しい感じの丸まったギザギザ
- 葉の裏が白っぽい(でも、菊の種類によって、同じように葉の裏が白いものがあるらしい)
- よもぎ独特のにおい
- 日当たりの良いところ
- 群生しやすい
ぬるま湯につけておく(重要)
本当は、精練表示のある生地でも、まず中性洗剤(モノゲンなど)でお湯洗いしたほうがいいのですが、今回は省略しました。
染める前に、ストール生地に水分を含ませるため、ぬるま湯(お風呂ぐらいの温度)につけておきます。色むらを防ぐためです。
ヨモギを煮る
ヨモギを軽く水洗いしたら、ステンレス鍋にヨモギ219gと水6Lを入れて、フタをして着火。沸騰後、ふきこぼれない程度の強火で20分煮ます。この染液の半分をストールに使いましたので、ヨモギ100g、水3Lでも十分染まります。
みょうばん媒染の場合は、アルミ鍋でもかまいません。大きい鍋が無い場合は、入る大きさで水の量を調整してください。葉っぱが水に浮くのですが、沸騰してボコボコしてくれば勝手に水中に入るのでそのままで大丈夫です。
20分後したら、ヨモギをザルやこし布でこして染液をバケツにとります。
抽出後のヨモギはクッタリしてますが、まだまだ色が取れそうです。残ったヨモギを鍋に戻して、同じ量の水を追加、再度20分煮だして、2番液をとります。
ヨモギのニオイが部屋中に広がって、体によい感じになります。嫌な匂いではないけれど、強い匂いではあるので、フタをして換気することをおすすめします。
蓬の染液(一番液)はこんな色です。黄土色に緑が混じってくすんだ色。キレイな色ではありません。
2番液はこんな色。だいぶ薄くなります。
ストールをヨモギ染液に漬ける
よもぎの染液(1回目)ができたら、お湯につけていたストールの水分を絞って、広げて、染液に入れます。熱いうちに入れたほうが染まりやすいです。
ストールを漬けるのに水量が足りなそうな場合は、2番液を抽出した後に、1番液と2番液をあわせて使います。もしくは、お湯を少し追加して水の量を増やします。あまりお湯を入れすぎると、染液が薄くなり、染まりにくくなります。
バケツで行いました。使える鍋がある場合は、鍋で火をつけながら煮染めしてもかまいません。あまり高温だとシルクが傷むので中火程度がよいと思います。
空気が入った部分や、布と布が重なった部分が色むらになるので、ハシやゴム手袋をした手で時々混ぜます。特に水面からストールが出てしまうと、そこが染まりません。やけど注意です。
20分くらい漬けます。
水洗いする(やや重要)
漬け終わったら、ストールをとりだして、水分を絞って水洗いします。次に媒染するのですが、その前に水洗いして布に入らなかった染液を落とします。
水洗いして出した時のストールの色は、薄いお茶の色あいです。
みょうばん媒染液を作る
媒染には、焼きみょうばん(スーパーで売っている漬物用)を使います。今回はコープで売っていた焼みょうばんを使いました。
焼みょうばん6g(大さじ2強)を少量の熱湯(今回は500ml)に溶かします。白かった液が透明になったら、バケツに常温の水2.5Lとその液を入れて、合計3Lの媒染液にします。
諸説ありますが、布重量比6%の焼みょうばんが入っていればいいので、36gのストールならミョウバン3g必要です。6gなら十分です。
みょうばん媒染液に漬ける
水洗いして絞ったストールを広げて、作った媒染液に入れます。染液と同様、時々かき混ぜて、20分漬けます。
水洗いする(やや重要)
漬け終わったら、ストールをとりだして、水分を絞って水洗いします。水洗いしたストールの色はこんな感じ。お茶の色です。
再度染液へつける
2番液ができたので染液に追加して、再度染液へストールを入れました。写真を撮り忘れました。同じように20分つけます。
水洗い(重要)
20分経ったら、ストールの水気を絞って、よく水洗いします。染液の色が出なくなるまで、3回ぐらい水を替えて水洗います。
ここで染液が残っていると、変色の原因になるので、しっかり水洗いします。
染液には、まだまだ色が残っている状態でした。
もっと濃い色にしたい場合は、さらに媒染→水洗い→染液を繰り返します。最後は必ず染液→水洗いで終わります。(媒染で終わらせない)
濡れている状態よりも乾くと色が薄くなるので、そこも考慮しつつ、好きな色になるまで染めます。
乾かす
ストールをバスタオルではさみ、水気を切ります。くるくるスマキにするとよいです。
タオルにつつんで洗濯機で脱水してもよいです。今回はしませんでした。
お風呂場の物干しに日陰干ししました。
濡れている時に金属に触れると媒染されて変色するので、金属ハンガーに注意です。ステンレスは大丈夫です。
乾いたら、中温でアイロンをかけます。今回は、まだかけていません。
よもぎ染めのシルクストールの色
自然のものなので、時期、場所、水などで色が変わります。時間経過とともに色が変わったり、退色したりもします。
黄緑色、若菜色です。緑と黄色の間の色で、微妙な色あいがシルクのキラキラ感とあいまって、いい感じなのですが、うまく画像で表現するのがむずかしいです。
着用したらこんな感じ?
パーソナルカラーの色見本と比べてみました。ヨモギ染めのパーソナルカラーは、たぶんスプリングです。色見本に同じ色がなかったのですが、イエローベースの薄い色なので、スプリングだと思います。
※パーソナルカラーについてはこちら→ パーソナルカラーのこと
わたしのパーソナルカラーはブルーベースのサマーなので、この色は似合いません。ストールは自分では使えません。
手作り市でみたヨモギ染めは濃い緑色でした。薬効は濃いほうがありそうです。→ 雑司が谷の手作り市でみた草木染め
よもぎ染めで思ったこと
- よい色だと思うので、このシルクストールをワークショップに用意する素材の1つとして確定
- よもぎの色は、コットンよりシルクの方がいい感じがする
- こんなキレイな色(自分には似合わないけど)の原料がその辺の道端で手に入ることがすてき
- ヨモギは日光堅牢度も良好と本に書いてあったけれど、薄いと退色するのかは不明
- 販売するなら、乾かしてからもう1回染めたほうがいいかも。でも、色はこの色がいい。そこが草木染のむずかしいところ。
※ワークショップでみんなが染めた色はこちら→ よもぎ染めワークショップ開催報告
蓬染めに限らず、同じ方法でカラスノエンドウなどの雑草も染まります。シルクだと濃染の必要がないため、手軽です。ご自宅でお試しください。
※その後、銅媒染で緑色っぽく染めるテストもしました。このページの下の方→ 緑染め(緑葉染め)