どんぐり帽子で草木染め(ズボンのリメイク)

どんぐり帽子で染めたズボン

丸みのある大きなどんぐりの、帽子の部分を拾ってズボンを染めました。アベマキかクヌギだと思います。

ムラなく濃く染まりました。よく色が出る優秀な染料だと思います。

ただ、ハギレを染めてテストした色は自分好みだったのですが、実際にズボンを染めたら赤茶っぽさが出てしまい、失敗。手持ちの服と合わない色なので使いにくいです。

その後、野良作業着として着用するうちに、赤茶から焦げ茶に変わりました。さらにその後、洗ううちにいい感じに色が落ちてきて気に入っています。

染めた日:2021年11月上旬

どんぐり帽子の採取

11月初旬、「ヤシャブシの実が採り頃」と教えてもらって拾いに行ったつもりが、実際に拾ったはどんぐりの帽子でした。(ヤシャブシは染料店でも売っている染料です)

どんぐりの帽子、カクトが道端にたくさん落ちていました。

小豆島に落ちていたどんぐりの帽子

ウニみたいな形。大きいドングリなので、クヌギかな?と思ったのですが、似たものに、アベマキもあります。その交雑種もあるようです。中部以西はアベマキが優勢であることと、よく染まったことを考えると、アベマキなのかも。

団栗の殻斗

「アベマキはよく染まる」と愛知の方から聞いていました。でも、アベマキが何なのか全く知らず。今回このどんぐり帽子が何なのか?を調べて、初めてアベマキがクヌギと似たものだと知りました。

煮出してみて、「こんなに染まるのだ!」と思いました。

どんぐり帽子で染めた色

鉄媒染(木酢酸鉄)です。

左からシルク、濃染剤サラシ、下地なしサラシ。

上段:そのまま染めた、下段:弱アルカリ性にしてから染めた

下段のグレージュっぽい雰囲気が好きなので、アルカリ性にして染めることにしました。

ズボンは赤茶みが出てしまい、赤茶と焦げ茶の中間。ムラなくよく染まりました。

ズボンの元の色は、薄いグレー。ウエストがきつくなったので、カーキ色(ルイボスティ染め)の布をツギハギ。

※ルイボスティ染めの話はこちら→ ルイボスティー染めでズボンを染める

ズボンとハギレを並べるとこんなに色が違います。

どんぐり帽子で染めたズボン

春~夏に野良作業着として着用後の色。7月下旬に撮影。赤っぽさが抜けてきました。ツギハギがしっくり馴染んでいます。

時間経過後のズボンの色

色バリエーション、と思って買った白っぽいズボンでしたが、膨張色なので使いづらく着ないうちにサイズがあわなくなり、今回、サイズ調整→草木染めでリメイクしました。

どんぐり帽子染めの材料

  • どんぐり帽子 353g
  • 白っぽい綿ポリのズボン 373g
  • ソーダ灰 40g
  • 木酢酸鉄液 大さじ1

※好きな色あいを目指してソーダ灰を入れてアルカリ性に傾けてますが、入れなくても染まります。

どんぐり帽子染めの流れ

  1. ズボンを洗濯
  2. ズボンをお湯にひたしておく
  3. どんぐり帽子を水で煮出す。沸騰後20分煮る。(1番液)
  4. どんぐり帽子をこす
  5. どんぐり帽子を新しい水で再び煮る。沸騰後20分煮る。(2番液)
  6. どんぐり帽子をこす
  7. 1番液と2番液をあわせて、ソーダ灰をまぜる(染液)
  8. 染液にズボンを入れる。20分。
  9. 水洗い
  10. 別の器に水を入れて鉄媒染液をまぜる(媒染液)
  11. 媒染液にズボンを入れる。動かす。20分。
  12. 水洗い
  13. さらに染液→水洗い→媒染→水洗い→染液をする。時間は適当。
  14. よく水洗いして洗濯機で脱水。陰干し。

※草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹

どんぐり帽子染めの詳細と写真

ズボンは染める前にお湯に浸しました。濡れただけで色が濃く見えるので、染めている時の染まり具合が確認しにくいです。

前に何かで少し染めてた気もします。(うろ覚え)色が出てきました。

どんぐり帽子(353g)を一度さっと洗ってから、ステンレス鍋で水5リットルで煮ました。沸騰後20分煮ます。

どんぐり帽子の煮出し

濃い染液がとれました。煮ているとレモングラスみたいな酸っぱいニオイがして、ペーハーは酸性(pH3.6)でした。

煮出し終わった後のどんぐり帽子。まだ色が出そうな感じがします。今回はもう1回、水5リットルで煮出しました。

1回目の煮出しと2回めの煮出し液をあわせて、衣装ケースに入れて、さらにソーダ灰を40gを入れてから染めました。(

途中、あまり好きじゃない色に染まっていそう、と思いました。

最後の水洗い。鉄媒染と染液を往復して、かなり濃く染まっている感じ。

洗濯機で脱水して、陰干し。乾いたら少し赤茶色の入った濃い色にでした。既製品の糸はポリエステルなので縫い目模様は染まりません。

どんぐり帽子染めズボン

残液活用

残液でタンニン下地ができないかテストすることにしました。

シャツ用の木綿布(やや厚め)です。

残液は濃い色。何度か媒染液と往復しているので、鉄媒染も混じっていると思います。そこに濡らした木綿布を入れました。

水洗い前の布。乾燥後の色はうすーいベージュです。

まだ本染めしていないので、下地効果は不明です。今後やってみます。

どんぐり帽子染めその後の色変化

春から夏の野良仕事に高頻度で着用、半年。苦手な赤茶が使ううちに焦げ茶に。ウエストサイズ調整のツギハギ部分もなじみました。

ドングリ染めズボン半年後

さらに翌年、野良仕事でかなり着ていて、洗濯を繰り返しました。洗濯洗剤も使って洗って、裏返して日向に干したり。いい感じに色が落ちました。元のズボンの色は薄すぎて着にくく、この色はそれとは違って履きやすい色。

ドングリ染めズボンその後

どんぐり帽子染めで思ったこと

  • 草木染めで、思い通りの色を出すのは、むずかしい。赤茶にしたくない。
  • 濃染しなくてもいけそうと思ったので、下地染めに使えるか要検証
  • 終わった後の残液も濃い。すごく色が出る染料だと思う
  • 既製品はよく染まると思う。加工状態が違う?

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