草木染めを濃く染める方法

濃く染めるイメージ図

草木染めをしていると、「もっと濃く染めたい」という気持ちになることがあります。特に木綿や麻は、シルクに比べ色が付きにくく、染まった色の濃さが物足りないことがあります。

私は薄い色が好きです。それでも、色が足りないと感じることがあります。

草木染めで濃く染める方法についてまとめました。

草木染めで染まる濃さが違う要因

濃く染めるポイントはいくつかあるかと思います。

  • 染める布の素材選び
  • 染める染料選び
  • 染液の濃さ
  • 染める時間
  • 重ねて染める
  • 媒染剤、媒染濃度

布の素材で染まる濃さが違う

繊維によって、染まる色が違います。シルクやウールなど動物性の繊維は濃く染まり、退色もしにくいです。

逆に、木綿や麻などの、植物性の繊維は色が付きにくく、退色もしやすいです。

絹も木綿も見た目は同じ布や糸の形をしているので、同じもの(名前が違うだけ)と思いがちでしたが、繊維の構造、材質が違うので、「違うもの」と考えたほうがいいです。

また、同じ木綿だったとしても、糸や布になるまでの処理のされ方で、染まる濃さが違ってきます。漂白されたサラシはそのままでは染まりにくいです。

また、原料に近いほうが染まりやすいので、布を染めるよりも糸、糸を染めるよりもワタを染めるほうが濃く染まるはずです。ぎゅっと詰まった感じの生地は、染まりにくいし、ガーゼのようにゆるく織られた生地は濃く染まりやすいです。

薄い生地のほうが染まりやすいのですが、薄い分、生地自体の量が減るので、繊維が濃く染まっても、色の全体量としては少なく、あまり濃く見えません。

藍染など特殊なものを除けば、「シルク糸を染める」というのが草木染めのスタンダードになっている気がします。

天然染料選び

染料屋さんで売っているメジャーな植物染料に比べると、その辺の草木を煮出して染めた場合、薄い色になることが多いです。

長年の歴史があって、それなりに染まるから染料として売られているわけで、当然といえば当然なのですが、商品の染料を使ったほうが濃い色に染まります。

また、それぞれの染料にあった染め方があるので、適当に染めるとうまく染まらないことがあります。(私はそういうことが多いです)

なので、染めたい植物を見つけたら、ネット検索したり、草木染のマニュアル本を参考にして、染め方を確認してから染めたほうが濃く染まるかと思います。

植物によっては、採取した季節や状態でも染まり具合が違うため、それも確認したほうがよいです。

※よく使われる染料についてはこちら→ 草木染めの材料となる植物や染料の量

染液の濃度、温度で違う

染液の濃度が高いほうが濃く染まりやすいです。また、染液が高温のほうが濃く染まります。

ただし、一気に濃すぎる濃度で染めようとすると、色むらになることがあります。温度が高いと染まりやすくなるので、同じように色むらになりやすいです。

注意点としては、煮出す時に濃く煮出しすぎると染まらなかったり、色が変わる植物もあります。(濃ければ濃いほどいいというものではない感じです)

染まる色調を無視すれば、重曹を加えてアルカリ性にして煮出したほうがよく色素が出るものが多いので、そうやって濃い液を作るという手もあります。(その場合は、アルカリ性では染まりにくい場合もあるので、酸で中和するとか必要かもしれません)

時間をかける

染液が薄くてぜんぜん染まらない、と思った時に、一晩つけっぱなしにしていたら、ある程度色が入ったことがあります。

特に木綿の場合、時間をかけて染めれば、色が入っていく感じがします。濃くするために、時間をかけて染めます。

重ねて染める

染液→媒染液→染液という手順も、一度だけでなく、複数回繰り返すことで濃く染まりやすくなります。

また、一度布や糸を乾燥させてから、もう一度同じように染めると、さらに色が濃くなります。

はじめて染める布より、以前染めたことがある布のほうがよく染まります。前の色が退色して白っぽくなっていたとしてもです。

媒染剤、媒染濃度

鉄媒染をすると、暗い色になるので、見た目上、濃色になりやすいです。アルミ媒染(みょうばん)で色がつかず、鉄媒染に切り替えたら色が付いたことがあります。

染液が濃かったとしても、それに見合う媒染剤の量が不足していると、発色不足になります。

藍染めに重ねる

プロの作家さんが販売している製品をみると、藍染の上にさらに別の植物染料を掛けていることが多いです。

藍に限らず、単独の染料で染めるよりも、いくつか染料を重ねたほうが濃く染まります。特に藍染めはそれ自体が濃色になりやすいので、重ねれば濃くなります。黒染めをする時にも、藍下といって、藍で染めてから染めて黒くする手法があります。

重ねる場合は、藍が先です。

木綿や麻の草木染めを濃く染める

木綿や麻など、植物繊維を濃く染める方法としては、下記のようなものがあります。

  • 濃染剤を使う方法
  • タンニンを含む染料で下地染めする方法
  • 豆汁や豆乳に浸して乾かす方法
  • 漂白されてない素材で時間をかけて染める方法
  • 柔軟剤(やったことはありません)

濃染剤を使う

染料店に、木綿や麻を濃く染めるための、濃染剤が売られています。使い方も簡単だし、豆乳下地に比べて色むらもなく、濃く染まるのでよく使っています。

ただし、染料によって、染まる色あいが変わる場合がある点に注意したほうがいいです。

※濃染剤についてはこちら→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて

タンニン下地

ミロバラン、ヤマモモ(渋木)、ザクロ、五倍子、カキの果実、没食子(もっしょくし。ブナなどの若芽の虫こぶ)、ミモザの樹皮、緑茶や紅茶などはタンニン酸を含んでいるため、濃染しなくてもコットンが染まります。

先にその染料で薄く下地染めすることで、植物繊維が濃く染まるようになります。多少なりとも色はつくので、組み合わせや濃度など、注意が必要です。

身近なものとしては、お茶の出がらしを取って置いて、下地にする方法があります。やったことはありませんが、色がくすむそうです。

手軽なものとしては、染料店に、精製された「タンニン酸」が売っています。

あと、染める植物と似たような発色の下地用の染料を選んだ場合、「ミロバランで下地染めをするんだったら、ミロバラン染めをすればいいんじゃないの?」というような気持ちになってしまう点が難しいです。

※タンニン下地をテストした話はこちら→ タンニン下地(五倍子使用)

豆汁下地

豆汁下地は、まず豆を水にいれて一晩置き、水を入れてミキサーし、こして液だけにして、そこに布をつけます。そして乾かします。寝かせたり、何度か繰り返します。

豆乳でも代用できます。

通常手順では一度乾燥しますが、簡易的に豆汁に布をつけるだけでも、多少は色づきがよくなります。

ムラになりやすいのと、においの問題もありそうなのでハードルが高いです。経験不足なので練習をしてから、自然な物だけでやりたい時に活用できればと思います。

※豆汁下地をテストした話はこちら→ 豆汁下地のやり方、色ムラと色あい

漂白されてない生地を使う

漂白されたサラシは色が入りにくく、逆に、少し黄色をしている生成は染まりやすいです。

精練や漂白をしてない生地を使い、長い時間をかけて染液→媒染液を繰り返して染めていくと色が入ります。

植物繊維の場合も、生地に少しだけタンパク質があって、それをもとにして染まることができるとか。漂白するとそれが落ちてしまい、染まりにくくなるそうです。

薄ピンクの桜色を染めたい時は、地の色が黄色だとクリアな色にならないので使えない技ですが、濃色やくすんだ色あいにしたい時は、生成の生地を使うとよさそうです。

柔軟剤

実際にやったことはないのですが、柔軟剤にもカチオン化剤が含まれているので、濃染剤の代わりに市販の柔軟剤を使うという手もありそうです。

私は柔軟剤とか香料が苦手で、精練の際に少量のモノゲンを使うことも実は少し気になっているくらいなので、柔軟剤は使いません。

濃染しない場合

ミロバラン、ヤマモモ(渋木)、ザクロ、五倍子、カキの果実、没食子、ミモザの樹皮、緑茶や紅茶などはタンニン酸を含んでいるため、濃染しなくて大丈夫です。

通常濃染しそうな植物でも、時間をかけて染めれば、濃染処理しなくても、木綿や麻が染まるものもあります。退色が早いかもしれませんが、その時々の色を楽しむという考え方もあるかと思います。

濃く染める方法で思うこと

  • 濃く染めるというより、色落ちを少なく、しっかり染めたい
  • 今は、タンニンを含む植物で下地染めするのが一番よさそうと思っている
  • 濃く染まってもシミは隠れないので、生地の汚れを落としてから染めることは重要

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。