豆汁下地のやり方、色ムラと色あい

豆汁濃染の色あいアボカド染め

木綿や麻などの植物繊維を草木染めをしようとすると、あまり色がつかない染料が多いです。その場合は、染める前に生地を濃染処理をすると、色づきがよくなります。

染料店で売っている濃染剤を使うほうがキレイですが、自然なものだけで染めたい場合は、豆汁(ごじる)、豆乳が濃染に使われます。

豆汁下地・豆乳下地(タンパク処理)のやり方、色の違い、色ムラ、ニオイについて書きます。

※私自身は濃染する時は濃染剤を使うので、豆汁濃染はあまりやりません。色テストのため、やってみた方法です。

染めた日:2019年8月10日

豆汁下地・豆乳下地の原理

豆汁下地、豆乳下地は、たんぱく質を生地につけて、シルクや毛糸などの動物繊維に近い状態にすることで濃く染める、という方法です。

豆汁下地・豆乳下地の材料、道具

  • 乾燥大豆 15g (または、無調整豆乳100cc)
  • ミキサー
  • ザルやアミ
  • こし布(テトロンメッシュ、晒し、不織布など)

※木綿生地18gに対して使いました。余裕のある量です。生地の量にあわせて、量は調整してください。

豆汁下地の手順

  1. 前日:乾燥大豆15gを一晩、水につける
  2. お湯(40℃くらい)に布をつけておく
  3. ふやかした大豆と水300ccを、ミキサーする
  4. こし布でこして、豆汁をとる
  5. 豆汁に布を5分浸して、しみこませる
  6. 洗濯機で脱水をかける
  7. 天日干しでしっかり乾かす

※草木染めをする前に、通常と同様、布はお湯につける
※豆乳を使う場合は、5の豆汁を豆乳100cc+水300ccに置き換える(豆乳と水の比率は諸説あり。もっと薄めてもいいかも?)

豆汁下地のやり方

大豆を水につける

前日、乾燥大豆15gを水につけます。一晩置きます。

乾燥大豆の浸水

一晩置いてふやけると37gでした。

浸水後の大豆

布を湯通し

布は、40℃くらいのお湯につけておきます。

生地の湯通し

ミキサーで砕く

大豆と、水300ccをミキサーにかけました。ミキサーが小さいので、2回にわけてやりました。

大豆をミキサーにかける

豆汁をこす

アミのお玉の上に、こし布を置いて、液をこしました。

液をこす

こし布で絞ると、おからが残ります。使うのは絞った液体のほうです。

絞ったカラ(おから)

豆汁に布をひたす

絞った豆汁に、軽く水気を切った布を入れます。5分、できるだけ均一になるように押して浸透させました。

豆汁に布をひたす

豆汁を絞る(洗わない)

5分経ったら、きつく絞るか、洗濯機で脱水します。水洗いはしません。わたしは軽く手で絞ったので、すごく色ムラになりました。

汁気を絞る

天日干し

屋外に干して乾かしました。

屋外に天日干し

ロープをかけた部分が、色ムラになったので、ロープにかけないほうがいいかもしれません。生地のシワも、色ムラになったので、できるだけのばしたほうがいいと思います。

草木染めする時は、いつも通り、乾いた布を湯通しします。※草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹

豆汁・豆乳下地の色あい

アボカド染めの色あい

アボカド染めでオックスフォード生地を染めました。

濃染しないと木綿はピンク色(コーラルピンク、肌色っぽいかわいいピンク)に染まることが多いです。(染液のできぐあいで色あいは変わります)

濃染すると、赤茶っぽい色になります。単体で見れば、ピンクっぽい色なのですが、比較するとレンガっぽい色に見えます。濃染としては、十分濃くなったと思います。

左:濃染無し。コーラルピンク 右:豆汁濃染。レンガ色っぽいピンク

豆汁濃染の色あいアボカド染め

パーソナルカラーだと、オータムです。私はオータムが苦手色なので、この色にしたくありません。パーソナルカラーがオータムの人には、おすすめです。

豆汁下地をしたアボカド染めコットンのパーソナルカラー

※パーソナルカラーについてはこちら→ パーソナルカラーのこと

豆汁下地の色ムラ

とてもムラになりました。縦に線が入った部分、色ムラです。

豆汁下地の色ムラ

ベランダに天日干しにした際、ロープにかけた部分が、その通りに線が入りました。

屋外に天日干し

たぶん、布を固くしぼらなかったので、そこに豆汁がかたより、溜まってしまったのだと思います。

よく見ると、絞ったときにシワシワする部分もムラになっていました。葉脈のような模様が入っています。

豆汁濃染の色ムラ

狙ったムラ染めならいいかもしれません。狙ったわけではないので、失敗です。液溜まりができると、その場所がムラになるということがわかりました。

こんなにムラになるぐらいなら、豆汁につけた後、乾燥せずにそのまま染めたほうが、色は薄くてもムラが少なくていいと思いました。

  • 敗因1:手で絞ったので、絞り方が甘く、その部分がムラになった
  • 敗因2:折り曲げて干したので、その部分がムラになった
  • 敗因3:シワシワを気にせず干したので、シワがムラになった

いかに均一に豆汁をつけるか、という点がむずかしいと思いました。木綿はシワがつきやすいし、かた絞りすればするほど、シワにはなる気がします。

豆汁・豆乳下地のニオイ

生地にニオイは残りませんでした。

豆汁・豆乳下地のコツ

豆汁下地をするにあたって、本やネットで調べた情報です。

  • 大豆や豆乳の濃度は諸説ある
  • 気候によっても、豆汁や豆乳の濃度を変えるらしい
  • 干す前に豆汁を固絞り・脱水する
  • 干しているとき、反転させるとよい?
  • 布を乾燥させたら、もう一度、同じ作業を繰り返すとよい
  • 染める前に、日数を置く(寝かせる)とよい(ここは重要かも)
  • 濃すぎると染めた後、臭い?
  • 刷毛染めに使われる

豆汁・豆乳下地で思ったこと

  • 豆汁・豆乳下地はむずかしいと思う。私には向いてない
  • 濃染剤、豆汁下地(たんぱく処理)、タンニン下地から選ぶとしたら、タンニン下地がしたい

※木綿や麻の濃染方法についてはこちらに書いています→ 草木染めを濃く染める方法

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。