アボカド染めと重曹

重曹入り中和後のアボカド染液

「草木染めで赤みを出す時、煮出す際に重曹を少し入れるといい」ということは聞いていたものの、そのあんばいがよくわからず、黒っぽくなったり、染まりにくくなったりしたので、保留にしていました。

「煮出す時に重曹を入れる」のと「煮出した後の染液に重曹を入れる」の両方を試しました。どちらの場合も、入れない場合とは違う染まり方になりました。

アボカド染め(種と皮)の重曹テストについて書きます。結論は出ていません。

重曹テストで思ったこと

重曹の使用量

重曹の量の決め方がよくわかりません。スーパーで売っているお掃除用の重曹を使いました。

いくつかテストした後、ほんの少しだけ入れることにしました。水1リットルに0.3グラム。小さじ1が5グラム位なので、その6%程度です。

小さじに入れるとこのぐらい。

アルカリ性

重曹は、そのままの水溶液ならpH8くらいの弱アルカリ性ですが、加熱すると、炭酸水素ナトリウム(重曹の成分)が炭酸ナトリウム(ソーダ灰の成分)に変わり、アルカリ性が強くなります。

なので、煮出す時に沢山入れるとアルカリが強く、シルクやウールは溶けて傷みます。木綿や麻はそこまで気にしなくていいかと思うのですが、ゴワゴワしやすいかもしれません。

染める前にお酢などで中和すればいいのですが、中和すると赤みが薄まり、すぐ染めようとするとうまくいきません。

そのまま放置して、翌日染めた時はpHが下がっていました。(なぜですかね?)放置してから染める場合、ココア色っぽい茶色っぽさが出てくる感じがします。濃染していない木綿の場合は、その色はあまり入りません。

翌日にウールの靴下を染めた色。ココアっぽい茶色。紫色を染めようとしてくすんでしまった時の色に似ています。

アボカド染めウールの色

染まりにくくなる

重曹を入れたほうが染液に色が出やすくなりますが、染まりにくさも感じます。

アボカドは濃染処理をしなくても木綿がある程度は染まるはずです。水から煮出して、うまく染液が作れた時は、濃染していない木綿にも、ぐっと色が入っていく感じがします。

でも、重曹を入れた場合は、染まりにくくなると感じました。特に濃染しない木綿が染まりません。少し時間を置くと染まることもあって、単に染液の赤み濃度の問題なのか、ペーハーの問題なのか、全然違う何かが起きているのか、よくわかりません。

重曹染液の色

重曹を入れた場合、染液の色が水道水だけの時とは違う色になります。黒ずむ感じで、紫み、赤みが出てきます。

重曹を入れない時よりもかなりくすんだ色になることが多いです。

煮終わった段階で赤みが出る時もあれば、まだ汚い色の時もありました。黄土色と黒豆の汁が混ざったような、暗さのある黒紫色の液になった後、時間を置くと紫っぽい液となり、徐々に赤みが増してくる感じです。

重曹を入れれば赤みがすんなり出て染まる、というわけではなく、水だけで煮出した時と同様、濃く煮出すと、その分、赤くなるまでに時間がかかる感じがしました。

重曹小さじ半分の場合

アボカドの種スライス(2番液)10g、重曹2.5g(小さじ半分程度)、水1リットル、沸騰後20分やや強火。

染液ができた直後。重曹を入れると泡立ちがあります。

アボカド染液重曹入り煮出し

空気を含めた後。

アボカド染液重曹入り煮出し酸化後

pH10でアルカリが強すぎると思ったので、少しお酢を入れて中和。オレンジでくすんだ色に変わりました。

中和後の染液

中和後、すぐにシルクの靴下を染め始めました。

中和後の染液

一見、色が付いたように見えるのですが、水洗いすると、染まっていません。

水洗い後。右が重曹入り煮出しで染めたもので、色が入ってません。左は同じ条件で行った、あら塩入り煮出しで、ピンクに染まっています。

あら塩入り煮出しと重曹入り煮出しの染まり方

その後に、一部みょうばん媒染してから染液に戻すと、みょうばん媒染したところだけ、薄めに染まりました。

シルクだけでなく、木綿も染まりにくくなります。重曹の量を減らすことにしました。

皮の茶味が出る気がする

重曹を入れて皮を煮出すと、ココア色っぽい茶みが出やすいと思いました。特に時間を置いた場合に出てくる気がします。黄みのある茶色とは違い、味のあるいい色ですが、ピンクからは遠ざかります。

豆汁下地した刺し子糸。種と皮のミックスで2~3時間経ってから染色。ミョウバン媒染。

ココア色がかった刺し子糸

比べると、種だとそのココアっぽさが出にくい気がします。

豆汁下地した刺し子糸。アボカドの種スライス(1番液)23g、重曹0.3g、水1リットル、沸騰後20分やや強火。13分後から染色。ミョウバン媒染。

ピンクの刺し子糸

下の写真は、最近染めたアボカド染めの色を比較したもの。

アボカド染めの色

左側の濃いくすんだピンクは、重曹入りで種+皮を煮出し。濃染剤処理したサラシを浸し染めで染めたもの。みょうばん媒染。詳細はこちら→ アボカド染めの紫っぽさ

その隣の背面の薄いピンクベージュは、酸化マグネシウム入りの水で種+皮をコトコト濃い目に煮出して、翌日再加熱して煮染めプラス一晩放置して染めたサラシで、濃染処理なし。無媒染。※詳細はこちら→ コトコト煮出すアボカド染め

カセ糸2つは上記で説明した糸。

右側の型染めした帆布は、酸化マグネシウムを入れて種を濃い目に煮出して、翌日に染めたもの。みょうばん媒染。濃染処理なし。ブログには書いてない方法も使用。いつも染めているやり方に近い色。

染色時に重曹を入れる

重曹を入れてから煮出した場合、すぐに染めようとすると色が付きにくいと思いました。

濃染した木綿には色が入るのですが、濃染しない木綿が染まらない、シルクはアルミ媒染後にしか色が入らない、というデメリットがありました。

なので、煮出した後、染液に重曹をいれて弱アルカリ性にして染める方法も実験しました。その方が、色が染まりやすいです。重曹を入れると、黄色っぽさが入りにくくなり、青みのあるピンクになりやすいと思いました。

ただ、煮出す際に入れないので、色が出にくい対策にはならない気がしました。


よくわからない点も多いので、ゆっくり、引き続きテストをしようと思います。

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