野菜で布を染める自由研究:そら豆染め

そら豆染めのシルクはぎれ

そら豆を煮ていたら煮汁が紫色になったので、これは草木染めをしなくては、と思い立ちました。

黄緑色の布は外側のサヤで、ピンク色の布は豆の皮(食べる時にむく部分)で染めたもの。どちらも着物の裏地をほどいた絹のハギレです。染まり具合は絹にしては薄めですが、緑色の豆から赤紫色の染液が取れてピンク系に染まったのが不思議です。

野菜が材料なので、入手が簡単。お家での染物や自由研究におすすめです。

そら豆染めで染まる色

このページの方法で染めたシルク

ピンクはくすんだベージュピンクでした。黄色は少し緑が入って淹れたお茶の薄めの色で、薄いけれどきれいな色でした。どちらも染まった色は薄めです。使った生地の影響もあるかもしれません。

そら豆染めシルクの色

追加テスト:薄皮でピンク

液に赤みきちんとが出た場合、濃染しなくてもピンクに染まりました。濃染剤で下処理すると濃く染まってきれい。

上段:このページで作った液の残液で染色。液色はやや薄め。五倍子下地はクリアなピンク。豆汁下地はオレンジピンク。濃染しない生地は染まらず。
左から:五倍子下地さらし、五倍子+豆汁下地さらし、豆汁下地さらし、濃染なしシーチング

下段:結構赤みが出た濃い染液で染色。濃染剤はしっかり赤紫っぽいピンク色、好きな色。濃染しない木綿も染まった。
左:濃染剤さらし、中央:濃染なしオックスフォード、右:濃染なしシーチング

そら豆染めのピンク色見本

※濃染についてはこちら→ 草木染めを濃く染める方法

追加テスト:サヤで暗い緑

サヤの染液は木綿だとかなり薄い。ソーダ灰を使ってアルカリ性で煮出してから中和せずに染めると、濃染剤したものが、ミリタリー服みたいな暗い緑に染まった。中和すると染まらなかった。

そら豆染めサヤ色見本

追加テスト:つなぎめ部分で黄色

そら豆のオハグロ部分にプチっとついている、サヤとのつなぎめ部分だけをかなり濃く煮たら、鮮やかな黄色に染まりました。薄く煮た時は、緑と赤が混じったような、くすんだ色でした。

上段:シルク 中段:濃染剤サラシ 下段:濃染なしシーチング
左:薄く煮た 中央:濃く煮た 右:濃く煮た後、液に重曹追加

そら豆染めの材料

  • シルクのハギレ(37cm角、8g)2枚
  • そら豆(さや5~6個分)
  • 焼みょうばん 4g(さや用2g、皮用2g)
  • 重曹(状況により使用)
  • お酢(状況により使用)

※食べる量にあわせて染めました。もっと量を使ったほうがいいと思います。
※焼みょうばん2gは小さじ2杯ぐらいです。計量スプーンの重さ一覧はこちら→ 大さじ1小さじ1は何グラム?

そら豆染めの方法

通常の草木染めのやり方と同じ感じで染めました。草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹

  1. シルクをお湯につけて置く
  2. 食べるためにそら豆をゆでる(豆は食べる)
  3. 染めるために皮とサヤを別々に煮る(何度か水を変えて煮て、染液を増やす)
  4. 布を染液につける20分
  5. 水洗い
  6. みょうばん液を作ってアルミ媒染20分
  7. 水洗い
  8. 布を染液に戻す20分
  9. 水洗い
  10. 染まり具合に応じて、染液を追加。染液と媒染を繰り返す
  11. 最後は染液で終了して、よく水洗いして、干す

※煮染めではなく、ボールで浸し染めをしました。染色液が冷めたら温めなおしました。煮染めでもいいと思います。
※さやから取った染液が薄かったので、重曹(小さじ1/5)を入れて煮出して、染める前にお酢(大さじ1)で中和しました。重曹を入れない方がクリアな黄色になるかと思いますが、色が薄いです。
※皮から取った染液を濃くしようとして、お酢を入れたら薄まってしまい、重曹を入れて色を戻すという作業を途中でしました。その影響がどれだけあったかは不明です。(その後のテストではその作業無しできちんと染まりました)

染めた生地について

生地は、着物の裏地をほどいたハギレを染めました。少し黄ばんでいます。

着物の裏地ハギレ

染める前に、お風呂くらいの温度のお湯につけておきます。

布をお湯につける

そら豆をゆでて食べる

サヤごと茹でる場合

お湯をわかして、塩を少々加え、そら豆をさやごと入れて2分茹でました。消火後6分放置。そうするとおいしいらしいです。(歯ごたえが少しある感じ)さやを取り除いた煮汁も「さやぞめ」の染液として使いました。(塩分が入っていていいのかは、よくわかりません)

そら豆さやをゆでる

サヤから出して茹でる場合

中身だけ出して煮る場合、塩少々入れて10分煮たら、柔らかすぎました。柔らかいそら豆も好きです。煮汁も「皮染め」の染液として使いました。

ソラマメを煮る

そら豆の皮の染液作り

サヤと豆の皮は別々に煮ました。赤系と緑系を混ぜると汚い色になりがちなので、別々がよいかと思います。

水500mlと食べた後の皮を鍋に入れて、蓋をして強火。沸騰後20分煮ました。(もう少し水多め、水1リットルに8~10粒くらいの比率がよさそうです)

ソラマメの皮から染液抽出

煮ている間は液色はあまり出なかったですが、火を止めると赤紫色になっていきます。不思議。

ソラマメ皮の染液の色

もう一度煮出すと、残った皮まで赤黒くなってました。(茹でた時も入れて3回目)煮出した液は、薄かったので使いませんでした。

赤黒く変色した皮

染液の色はこんな感じ。黒豆や巨峰の染液に似ているけれど、黒っぽさが少ない感じです。

ソラマメの皮の染液の色

※追加でテストして、時間を置いた液が濃くなったり、1番液より2番液の方がきれいで濃い感じがしました。煮ている時に水位が足りなくて水を追加したらぱっと赤みが出たり。アントシアニンよりも赤みを出す系の染物に似ているような、それとも違うような、不思議な感じです。

2日後の1番液。当初は薄く感じた液色が赤みの濃い色になっていました。

2日後のソラマメ皮の染液

※追加でテストして、水1リットルで8粒を煮て、ボトルでシャカシャカ振って空気を含ませると、すぐに濃い液になりました。赤みを出す系の染物に似ています。

ワンカップのケース

※煮出す際に塩5gを入れた場合と入れない場合のテストもしました。同じ色の染液でした。その程度の塩の量なら影響はなさそうです。

※私はまだ試してませんが、薄皮の量を増やして、重曹を少し入れて煮る、というやり方もありそうです。

そら豆の皮で染める

皮の染液に浸して20分。ピンク色っぽい雰囲気がありますが、この段階ではあまり染まってません。

皮の染液で染色

アルミ媒染20分。アントシアニン系を染めているとよく媒染液に色がでるのですが、色が流れ出る感じはありませんでした。

皮染めのアルミ媒染

染まり具合が薄かったので、「もし色素がアントシアニンなら酸で赤みが強まるのかな?」と思って、お酢を入れたところ、染液の色が薄くなってしまったので、慌てて重曹を追加して、色を戻しました。

酢と重曹を追加した後の染液

左側が、お酢を入れた場合。右が何も入れない場合。酸を入れることで赤みが強まる感じはしませんでした。色素はアントシアニンなのかな?よくわかりません。

酸を入れた場合の液色

染色を続行。媒染後の生地を酢や重曹を入れた染液に戻しました。時間が経つにつれ、染液が濃くなる感じです。

皮の染液で再度染色

媒染と往復をして、液が冷めたと思ったら温めなおしつつ、染めました。布に色が付いてきて、それ以上入らない感じがしたので終了。

終了時の様子

よく水洗いして、お風呂場に干しました。生地が違えばもう少し色が入ったかもしれません。

皮染めで染まった色

そら豆のサヤの染液作り

豆を食べたらサヤだけちぎって、水500mlを入れてフタをして強火。沸騰後20分煮ました。はじめは重曹を入れなかったけれど、入れればよかったと後から反省。

さやだけをゆでる

煮ていると、泡立ちました。野菜のアクでしょうか。火加減が強すぎたようで、煮汁が飛んでしまい、染液は少ししかとれませんでした。

そら豆のさやを煮る

ザルにふきんをひいて、サヤをこしました。ボールで受けています。さやの色は緑。色素が残ってそうな感じがします。

さやをこす

染液が薄いと思ったので、水を変えて、重曹を少し(小さじの5分の1くらい)入れて煮出すことにしました。

重曹を入れて染液抽出

重曹を入れた場合、泡立ちます。吹きこぼれに注意です。

重曹を入れた場合の鍋

重曹を入れた場合、残ったサヤは、くたくたした、ドロドロしています。でもまだ緑色です。

こしたそら豆のサヤ

重曹を入れてとった染液は、前より濃い感じでした。重曹を入れたので、酢を大さじ1入れて中和しました。pH6ぐらいの弱酸性でした。

3番液の色

その後テストして、濃染剤で下処理した木綿は、中和しない方が染まりやすかったです。中和すべきかは生地によっても違いそうで、要検討事項です。

サヤ染液で染める

濡れた状態の布を入れて、20分浸し染めしました。先に取れた染液を使って染め始めたので、液は薄い色です。

そら豆の煮汁で染める

みょうばん液を作って、アルミ媒染20分。色があまりついてないです。

みょうばん媒染

媒染すると黄色に発色しましたが、思ったよりも薄い色でした。

媒染後の布色

重曹を入れて作った染液も追加。

濃くなった染液で染色

だんだん緑っぽく、ちょっとくすんだ感じになっていきました。(乾燥後はくすんでませんでした)

緑っぽくなったシルク

媒染と染液を何度か行き来して、終了。お風呂場に干しました。やや色づきが薄い感じがします。このシルク生地自体の影響もあるかと思います。

お風呂場に干す

追加:そら豆のつなぎめ

そら豆のつなぎめを、サヤと皮のどちらに入れるべきか判断に迷ったので、ワークショップでは使わずに持ち帰ってテストすることにしました。(あまり実用的な情報ではないですが)

19グラムあります。

水500mlで煮ると、濃い染液が取れました。

そのままだと黄色い液(写真左)、重曹を少し入れると黄土色の液(写真右)でした。染めると、どちらも濃い黄色に染まりました。

お酢を入れると、液の黄色が薄くなったので染めませんでした。左がお酢を入れたもの、右がそのままの染液です。

少ない量(2粒)を煮た時は、赤黒い液になって中途半端な色に染まりました。条件やタイミングでいろんな色になりそう。

少量オハグロでの染液の色

今回のそら豆染めの手順メモ

さや染め手順

  1. 布はお湯につけておく。
  2. さや6個をそのまま、お湯500mlに塩少々入れて、ゆでること2分。消火後6分お湯に浸したまま放置。(こうするとおいしいらしい)取り出して、そら豆を食べる。ゆで汁を1番液にする。
  3. 残ったさやをちぎって、水500mlで、さらに煮る。沸騰後20分煮る。ふきんでこして、2番液にする(薄めだった)
  4. 1番液+2番液の染液に布を入れて20分。動かしつつ染める。
  5. 水洗い
  6. みょうばん液を作って、媒染20分。(薄黄色に発色)
  7. 水洗い
  8. 3番液は、重曹を小さじ5分の1ぐらい入れて、水500mlで沸騰後20分煮る。酢大さじ1で中和(pH6になった)
  9. 染液交換。3番液に差し替えて、染める。
  10. 4番液は、水1リットルに重曹小さじ半分弱くらい入れて、沸騰後20分煮る。酢大さじ2で中和。
  11. 媒染、水洗いをして、4番液を追加した染液で終了。
  12. よく水洗い
  13. お風呂場に干す

※染めているうちに染液が冷めたと思ったら、少し加熱して温め直した。
※反省点:重曹をはじめから入れればよかった。

皮染め手順

  1. 布をお湯につけておく
  2. さや5個から中身の豆10粒を取り出して、水500mlに塩少々を入れてをゆでること10分。食べる。(柔らかすぎる感じ)煮汁を1番液にする。
  3. 食べる際に取り除いた皮を水500mlに入れて、沸騰後20分煮る。ふきんでこして、2番液をとる。
  4. 1番液に布を入れて20分浸し染め
  5. 水洗い
  6. みょうばん液を作って媒染15分
  7. 水洗い
  8. 色付きが悪かったので、1番液に酢を入れてみたが染液の色が薄まったので、重曹を入れて戻した。
  9. その液に2番液を追加して、布を入れて20分
  10. 水洗い
  11. みょうばん媒染10分
  12. 3番液も同様に取ったが、薄かったので廃棄
  13. 染液に布を入れて20分。色が入ってきたので終了。
  14. しっかり水洗い
  15. お風呂場に干す

※染めているうちに染液が冷めたと思ったら、少し加熱して温め直した。

そら豆染めで思ったこと

  • ホウレンソウや菜の花から食べ染めしようと思うと、「さっとゆでて食べる」のが基本なので、なかなか染液にならない。それと違って、そら豆のサヤや皮は廃棄する部分だから、遠慮なく煮ることができていい
  • サヤ染めは、ヨモギ染めなどの葉っぱを染めるのに似ている。
  • 皮染めはおもしろかったので、もっと大きなものも染めてみたい。アントシアニンなのかがよくわからなかった。かわいい色なので、色落ちはすると思う。
  • 枝豆も一緒なのか?も気になる。アクが出る野菜って、少し紫っぽい部分がある。全部アントシアニンなのか?
  • 無媒染で染めても結構染まる感じ

野菜の食べ染め、ぜひいろいろ試してみてください。アントシアニンについてはこちら→ アントシアニンで染めたい

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