玉ねぎ染めの方法

玉ねぎの皮で染めた綿糸

玉ねぎの皮を使った草木染めの方法について書きます。身近で簡単。よく行われている染物です。

木綿の糸を黄金色に染めましたが、木綿のハンカチも同じように染まります。

玉ねぎ染めの良い点

木綿がそのままで染まる

綿を草木染めする時は、濃染処理(豆乳下地など)をしないと薄くしか染まらないことが多いです。でも、タマネギ染めはそのままで濃い色が入ります。これが最大の利点だと思います。

材料が手に入りやすい

お料理に使う玉ねぎの皮をむいて、とって置けばいいだけ。少量でも濃い染液が取れるので、玉ねぎ3~4個分あれば自宅で染物ができます。

明るく濃い色に染まる

タマネギの皮の色素はケルセチンです。ポリフェノールで、フラボノイド系色素。黄色を染めるのに使われます。

アルミ媒染で黄色、明るい黄金色に染まります。時とともに染めた色が変化するので、その色の変化も楽しめます。

玉ねぎ染めの材料と道具

材料

  • 染めるもの(今回は木綿糸1カセ18gを染めました。薄いストールなら1枚、ハンカチなら2~3枚くらい)
  • タマネギの皮 5~10g(3~6個分)
  • みょうばん(スーパーで購入できる漬物用の焼みょうばん)大さじ2

※焼みょうばんはスーパーの乾物コーナーのあたりに売っています。

道具

  • ナベ
  • バケツやタライ 3個
  • ボール(みょうばんを溶かす容器)
  • 計量スプーン
  • ザル
  • こし布(フキンや晒し布などでもOK)
  • ゴム手袋(染色中はゴム手袋をする)
  • 割りばし(かき混ぜる用)

玉ねぎ染めの流れ

玉ねぎの皮を煮て染液にして、糸や布をつける

色止め用にみょうばん液も作って、糸や布をつける

もう一度染液につける

洗って乾かす

※草木染めの基本手順と同じです→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹

玉ねぎ染めの具体的な手順

皮を煮出す

ためていたタマネギの皮10g。小さめのビニール袋に半分くらいの量です。この半分くらいでも大丈夫です。もっと多いと、赤茶色っぽさが強くなる気がします。

ステンレス鍋に水2リットルと玉ねぎの皮を入れて、フタをして強火。沸騰後20分煮出しました。

液をこして、バケツで受けます。フキンでこしたら、フキンまで黄色に染まりました。染液が濃いです。

タマネギの皮を濾す

玉ねぎの皮の染液の色は、赤茶色でした。

糸や布をお湯につける

煮ている間に、バケツにお湯(お風呂ぐらいの温度。40℃)を入れて、糸や布を広げてつけておきます。新品の場合は、台所洗剤で軽く洗ってから行います。

地入れ

※濃く染まるので、模様入れも向いています。布に模様を入れたい場合はこちら参照→ 布に絵を描く、模様を入れる

糸や布を染液につける

糸や布の水けを軽くしぼって、広げてから玉ねぎ染液に入れる。ゴム手袋をした手やワリバシで時々糸や布を動かしながら20分。糸や布が水面に浮かないようにします。布の場合は、布と液体の間に空気が入らないようにします。

タマネギの染液で染める

※糸や布が水面から出る、動かしずらい場合は、染液にお湯を追加して水量を増やします。

水洗い

布や糸を取り出して水けをしぼる。別のバケツに水をためて軽く水洗い。水気をしぼる。※染液は再度使うので捨てないこと

みょうばんを溶かす

みょうばん大さじ2を500mlの熱湯にまぜて溶かす。少し時間を置くと液が透明になる。透明にならない場合は熱湯を足して溶かす。

焼みょうばん
ミョウバンを熱湯で溶かす
みょうばんが溶けた透明の液

みょうばん液を作る

バケツに水2.5リットルを入れ、透明になったみょうばん液を入れ、まぜる。

みょうばん液を溶かす

布や糸をみょうばん液につける

布や糸を広げてから薄めたミョウバン液に入れます。時々、ゴム手袋をした手で動かしつつ20分。糸や布が水面に浮かないようにします。布の場合は、布と液体の間に空気が入らないようにします。

玉ねぎ染めのアルミ媒染

アルミ媒染で、黄色に発色します。

水洗い

20分経ったら、布や糸を取り出して水けをしぼる。別のバケツに水をためて、布や糸を軽く水洗い。水気をしぼる。

再び染液につける

再度、布や糸を広げてから染液に入れる。ゴム手袋をした手で時々まぜながら20分つける。染まりが薄すぎる場合は、つける時間をのばす。

タマネギの染液で染める

水洗い

20分経ったら、布や糸を取り出して水けをしぼる。別のバケツに水をためて、水洗い。最後の水洗いはしっかりやって、水気をしぼります。

黄金色。濡れた状態より乾くと色は薄まります。

染め終わった玉ねぎ染め刺し子糸

乾かす

水気をよく絞って、日陰に干します。写真はお風呂場に干しているところです。乾くまで金属に触れないようにします。ステンレスは大丈夫です。

できあがり

今回のできあがりは、黄金色でした。自然なものなので、その時々で微妙に違う色あいに染まります。

玉ねぎ染めの色あい

しっかり染めたい時は、完全に乾いてから同じ作業を繰り返します。

玉ねぎ染めの鉄媒染でカーキ色

みょうばん媒染のところを、鉄媒染に変えれば、同じ染液でカーキ色にも染まります。

タマネギ染めの緑色

※玉ねぎ染め鉄媒染の詳細はこちら→ 玉ねぎの皮でカーキ色に染める

※鉄媒染の詳細はこちら→ 媒染とは(鉄媒染、銅媒染の媒染剤)

寸胴鍋専用バッグ染め直し

諸事情により、桜染めやアボカド染めで淡いピンク色だったバッグを染め直すことにしました。ちょっと派手ですが玉子色に変身。

玉ねぎ染め寸胴鍋専用バッグ

玉ねぎは染液が濃いので重ね染めしやすいです。


※ピンクに食べ染めしたい時は、アボカドがおすすめです→ 簡単アボカド食べ染めレシピ

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。