布に絵を描く、模様を入れる
自宅で染物をする時、布に模様を入れる方法をまとめました。輪ゴムや割りばしを使った絞り染めのやり方を簡単に説明しています。針や糸、板を使った少し手間がかかるものまであります。
厚手の生地よりも、薄手の生地のほうがやりやすいので、オリジナルの手ぬぐい作りなどがいいかもしれません。ワンポイントでも図柄を入れると手作り感が出ます。
ここでは木綿の普通の厚さの生地を使っています。なお、私の模様入れの腕前はいまいちです。
すべて草木染です。草木染めの手順はこちら→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
※記事をリニューアルしました。型染めの方法はこちら→ 自宅で型染めするやり方
目次
ハート模様(針と糸で縫う方法)
このハート模様は、針と糸を使って作りました。普段お裁縫に使っている縫い糸と針を使いました。ハートじゃなくても、細かすぎなければ、好きなマークで大丈夫です。
ハート柄を針と糸で縫う
まず、ハート柄にチクチク並縫いします。糸は1本どり、玉結びしてから始めます。
絞る
糸を引っ張り、ギュッと引き締めて、玉結びで留めます。
ここからは、輪ゴムを使っても大丈夫です。
糸を使う場合は、糸を根元に巻き付けたら、上に向かって生地にグルグル巻きつけ、下に戻り、根元部分でかぶせ留めします。
かぶせ留めというのは、輪を作って、布にかぶせて、糸の端をぎゅっと引くやり方です。
※ちなみにかぶせ留めは、絞り染めの本場、有松絞りの体験で習ったものです。その体験話はこちら→ 名古屋・有松絞り体験
ぐるぐる巻きつけが多すぎると、ハートの内部が真っ白になるので、加減します。
輪ゴムを使う場合は、同じ原理で輪ゴムを何重かにしてはめます。
※これはブルーベリーの実で染めました→ ブルーベリーの実の草木染めテスト
下絵を描く道具
下絵を描く場合は、青花ペンで下書きするとやりやすいです。濡れると色が消えます。
鉛筆では色が残ってしまうので使いません。フリクションペンは、冷凍の温度になると線が現れてしまうので使いません。
ビー玉絞り染めのやり方(輪ゴム模様)
ビー玉を入れると味のある円が描けます。ビー玉以外でも、ペットボトルのフタや、乾燥大豆、洋服のボタンなどを包んでも面白い図柄になります。
輪ゴムで絞る
ビー玉で布をくるんでから、輪ゴムで留めます。
輪ゴムは熱に弱い場合もあるので、煮染めの場合はビニール紐(PPテープ)やタコ糸などで縛ったほうがよいです。
染める
普通に草木染めで染めていきます。
こんな柄になります。連続するとかわいい感じです。
※これは、稲武で草木染め体験した時のものです→ 愛知県豊田市稲武で草木染め体験
※ワークショップでもビー玉を沢山つけてブラウスを染めた方がいました(ページの下の方に乾燥後の写真があります)→ ワークショップ開催報告
洗濯ばさみで絞り染め模様(花)
生地を4つ折りにして、押さえ部分が丸い洗濯ばさみで留めると、お花みたいな形になります。
洗濯ばさみで挟む
生地を四つ折りにして、洗濯ばさみで挟みます。
染める
通常手順で染めます。生地から洗濯ばさみを外すと、そこだけ染まりが薄くなっています。
100円ショップで購入
アルミの洗濯バサミ(留める部分が丸いもの)は100円ショップで買いました。ダイソーにはなくて、キャンドゥで買いました。
この洗濯ばさみは、留める力がやや弱いです。もう少し強く押さえるものの方がよさそうです。
板締め絞り(正方形の四角)
板締め絞りも比較的簡単です。同じ形の2つの木片で生地をはさみ、さらに平たい棒2枚ではさみ込んで圧をかけると、ブロックと接した部分だけが、染まらないので、その図柄になります。
木片を置いて縛る
写真では見えてませんが、下側にも正立方体の四角ブロックがあります。
数か所に連続して模様を入れる場合は、生地を屏風だたみ(ジャバラ折り)にしてたたんでから、木片を置きます。今回は、巾着を縦3つにたたみました。
煮染めする時は、ビニール紐(PPテープ)で留めたほうが良いです。
※紐の結び方はこちら→ 紐をきつく縛る「巻き結び」のやり方
染液が高温にならない時は、輪ゴムでも大丈夫です。熱に弱い輪ゴムもあるのでご注意ください。
万力(クランプ)をお持ちの方は、万力で留めてから紐をくくるとやりやすいです。
染める
そのまま、通常手順で浸染め、煮染めします。丸ごと入れて染めるので、入る大きさの容器は必要になります。
最後、水洗いしてから外すとこんな感じです。
乾くまでは、白い部分と染まった部分が接触しないように乾かします。
※この巾着は巨峰の皮で染めました→ 巨峰の皮で食べ染め、ぶどう色
※ワークショップで板締め絞りをした話はこちら→ ワークショップ開催報告
アレンジ
型をずらして別の色で重ね染めすると、凝った模様になります。同じ型を使っています。
※やり方はこちら→ ちょっと凝った重ね模様を入れる
アルファベットアレンジ
100均のアルファベットMDF材を使って同じように布を挟んで染めれば、イニシャル風。Aの場合、丸の中が染まりにくい感じ。
左右対称ではないので、裏側は反転します。
絞り染めの割りばし模様
板の代わりに割りばしで挟むだけなら簡単です。布を屏風だたみに折って、割りばしで挟めば、連続模様が描けます。生地の畳み方や挟む方向を変えれば、いろいろな模様になります。
割りばしで挟む
布を屏風だたみに4つに折って、さらに屏風だたみに4つに折ります。斜めに割りばしで挟みます。割りばしを割らない状態で使っています。
染める
普通に染めます。
外すと割りばしがあった部分だけ白いです。
乾くまでは、白い部分と染まった部分が接触しないように乾かします。
※これはさくらんぼの小枝で染めたものです。子ども連れご家族の参加があったワークショップの練習用です。そのワークショップで付けた模様はこちら(ページの下の方に画像があります)→ 5/26(日)さくらんぼ染めワークショップ開催報告
おはしでさざ波模様
さざ波模様。見た目よりも簡単です。
サイケすぎると思って全体を染め重ねたら、模様のコントラストが減って微妙な感じになりました。
箸に生地を巻きつける
布を筒状の棒(これはステンレス箸)に斜めに巻き付けます。生地は薄いほうがいいです。
くるくる巻き終わったら、筒状。箸が中に入っています。
両端から布を押して、中央に寄せます。戻らないようにヒモで留めます。箸にヒモを巻きつけると固定しやすいです。
染める
染めます。
ヒモを外すと、重なり部分が染まってない状態です。内側の布も、染まりにくいので色が薄いです。
アレンジゼブラ柄
同じような原理で、ゼブラ柄のようなランダムなしましま模様にするやり方もあります。
※詳細はこちら→ 布をゼブラ柄に染める簡単な方法
直線縛り模様
ビニールヒモで布を指でたぐり寄せてから縛った模様です。色の違いは媒染の違い(薄色がアルミ媒染、濃色が鉄媒染)です。
布をたぐり寄せる
指で細かく布をたぐり寄せていきます。直線でもよいし、曲がれば曲がった線になります。
留める
ひとまとめにして、ヒモで縛ります。輪ゴムよりもビニール紐の方がやりやすいです。
染める
染める時は、ひだひだの中にも液が入るようにハシなどで動かしながら染めます。
一部分を別の色に変える時は、染めない部分をカバーしておくと汚れません。染液に浸した部分以上に水分が吸い上がるので、染めたくない境界線も紐でしばります。その上から、染めない部分全体にビニールをかぶせて輪ゴムで留めます。
※これはサクランボの軸(実についてる棒のところ)で染めたものです。参考→ サクランボを食べたら、布を染めてみよう
紐でしばって模様をつける
これがよく見かける絞り染めだと思います。
※私は下手なのですが、ワークショップで絞り染めが得意な人がやると、素敵な感じです → 2019年7月28日(日)液体植物染料染めワークショップ開催報告
糸で絞る
生地をつまんで引っ張り上げたら、縫い糸やタコ糸で根元を3回位ぐるぐる縛ります。そのまま上に向かってくるくる巻き付けて、下に戻ります。最後は、根元の部分でかぶせ留めします。輪ゴムでやると簡単です。
染める
普通に煮染めや浸し染めで草木染めします。絞った近くが染まりにくいので、よく生地を広げるようにしながら染めます。
※こちらはブータンアカネ(五倍子タンニン下地)で染めたものです。参考→ タンニン下地(五倍子使用)
手でしばって不規則な模様
ランダムな模様入れは、手で布を縛るだけでできます。
布を縛るだけ
布を細くして、結び目をたくさんしばって染めただけ。布を斜めに細くすれば、斜めに模様が入ります。
表面が染まり、ギュッと縛った内側は染まらず、それが模様になります。
その他の模様の入れ方
他にも、下記のようなやり方があります。手順が長くなるので、別のページで説明しています。
糊置きして描く
型染めをすれば、思った通りの図柄を布に描けるようになります。防染糊を生地の上に置いて乾かしてから染めると、他の部分が染まることで白抜きの図柄になる、という方法です。難易度は高いです。
※型染めをする方法はこちら→ 自宅で型染めするやり方
雪花連続模様に染める
布を折りたたんで型を置き、連続模様をつける方法もあります。
※詳細はこちら→ 雪花絞りの模様を入れる方法
※連続模様を入れるやり方はこちらにも書いてます→ 板締め絞りでスカーフを茜染め
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。