自宅で型染めするやり方

型染の桜染め老猫

草木染めの型染めについてやり方を説明します。1つの色で染めるシンプルな方法です。

草木染で染物に模様をつけるといえば、藍染の絞り染めが一般的だと思いますが、それより図柄がはっきりと、意図した絵が書けます。

切り絵みたいな型紙を作り、色をつけない部分にノリを置いて乾燥。その後に色を染めて、最後にノリを洗い流せば、型紙の絵が布に描かれた状態になります。

普通の型染と言ったら、顔料(弁柄とか)を刷り込むものですが、それとは少し違います。

染めた日:2019年1月11日~2019年1月13日

自宅で型染めする材料・道具

  • 蒸し糊(講習会でもらったもの)30gくらい ※市販の防染糊が染料店に売っています
  • さくら染液(以前抽出した1番液)120mL ※濃い目に色がつきやすいなら別の染液でも大丈夫
  • 焼ミョウバン 3g
  • 綿キャンパス地(帆布9号)2枚(1枚15g、21×16cm長方形)
  • 洋型紙(27×22cmにカットしたもの。布より大きいサイズ。図柄プラス余白が必要)
  • 糊置き用メッシュ枠 (枠は手作り。作り方はこちら→テトロンメッシュのスクリーンを自作
  • 糊を塗る道具(ヘラなど。パン作りに使うスケッパーを使用)
  • 下に敷く板(カッターボードA2サイズを使用)
  • デザインカッター(藍熊染料で購入したNTカッターD-400P。普通のカッターでも代用可能)

※洋型紙、デザインカッターについてはこちらに書きました→ 藍熊染料で染物体験

自宅で型染めする手順

  1. 猫の絵を画用紙に描く
  2. 型紙の上に絵を置いてセロテープで固定、型紙を切る
  3. 布をセロテープで板に固定、型紙を置く
  4. 型紙の上にメッシュ枠を置いて、糊を塗りこむ
  5. メッシュ枠と型紙を静かに布からはずす
  6. 糊を乾かす
  7. 染液を作る、水で薄める ※お湯ではなく水
  8. アルミ媒染液を作る(焼きミョウバンを熱湯で溶かしてから水で薄める)・・・冷やし忘れた
  9. 糊が乾いたら、染色・媒染。染液・水洗い・媒染の往復を1分×4~5回繰り返す
  10. お湯で糊を洗い落とす
  11. タオルで水分を吸収してから一晩自然乾燥、その後アイロン

自宅で型染めする方法

絵を描いて、型紙を作る

好きなものの絵を紙に描きます。画用紙にかきましたが、紙はコピー用紙でもチラシの裏でも、カッターで切れる物なら何でもよいと思います。猫の絵を画用紙に描いてみました。

猫の絵

洋型紙の上に画用紙を置いて、セロテープで固定しました。デザインカッターで画用紙ごと型紙を切っていきます。

型紙の上に画用紙を固定する

洋型紙はプラスチック製なので、セロハンテープを貼り付けてもはがせます。スプレー糊があれば、スプレー糊でとめたほうがしっかり留まって切りやすいです。

切り取った部分が、のりを置く箇所になります。

りんかくを全部切ると、単なる影をくりぬいた図になります。目とか耳の穴などはスケッチしたものの、顔をカットした時になくなりました。どこを切るべきか考えながら描いたつもりでしたが、ややこしいです。

猫だと判別しにくい絵になったので、右側に柄の違う一匹を追加しました。

前足伸ばした老猫の型紙

他とのつながりが少ないパーツが多いと、弱い型紙になって作業がしにくいです。アルパカを書いたときは、首と足の部分に柵をいれて、柵をつなぎ目にしました。

アルパカのココアちゃんの型紙完成

型紙のサイズは、布より大きくないと糊がついてしまうので、布より大きめにします。糊を置いた時に余ったノリがつく部分として、上下左右の余白は必要です。

型紙と布のサイズ比較

はじめての自作型紙。うれしくて青空と一緒に撮影しました。切り絵みたいです。

切り抜いた型紙と青空

糊置きをする

糊置きの作業はフローリングの上で行いました。スペースがあれば机の上でもよいと思います。

カッターボードの上に、布を置いてセロテープで固定します。布の上下左右をしっかり固定します。(この時は、上下にテープを貼り忘れました)

布をボードに固定

教室では、水をスプレーするとベタベタする糊のついた板にのせたのですが、家にはないのでカッターボードとセロハンテープで代用しました。

板は、平らでノリがついても大丈夫なものなら、何でもいいと思います。薄いダンボールなど重さがない場合は作業する時にずれないようにテープなどで床に固定します。

複数同時に糊置きする場合は、他の布も準備しておきます。布の位置としては、作業のやりやすさを考えて左下と右上に配置しました。左下の作業後、自分がボードの逆側に立てば、右上の布が左下になり、作業がやりやすいかと思ったためです。やりやすそうな位置を考えて配置します。

カッターボードに布を固定

固定した布の上に、型紙を配置します。絵が布の真ん中になるように置きます。型紙は固定しません。

布の上に型紙を配置

布が2枚以上ある場合は、この時点で、型紙に布端位置の目印をつけたほうがよいです。(印がなくて、2枚目の布に型紙を配置するのがむずかしかったです)

型紙の上に、自作メッシュ枠を置きます。

型紙の上にメッシュ枠を置く

自作メッシュ枠の作り方はこちらをご覧ください→ テトロンメッシュのスクリーンを自作

防染糊を、スケッパーでまぜてみました。ねばねばっとしていたので、特に水は加えず、そのまま使いました。(市販の防染糊の説明に従って適度なやわらかさにします)

蒸し糊をまぜる

本来は糊置き専用のヘラをつかうべきですが、自宅にありません。パンを作るときに使うスケッパーで代用しています。扱い慣れている分、ヘラより使いやすいと思いました。ノリを均一にのばせるものなら、代用できそうです。お料理に使うゴムベラだとやわらかすぎると思われます。

スケッパーで糊を少しとって、メッシュの上から型紙に塗りこみます。厚すぎず、薄すぎず、均一に塗ります。その加減はまだよくわかりません。たぶん、上から図柄が少し透けて見えるぐらいがよさそうです。

メッシュ枠の上から糊を置く

下の写真は糊が厚すぎる状態です。

厚めに塗った糊

メッシュ枠の左下を左手で押さえて、枠の右上を右手で持ち、枠を右から静かにはがします。型紙も一緒に持ち上がります。

型紙をはずす

型紙はメッシュにくっついていて、メッシュ枠を持ち上げると型紙も一緒に持ち上がります。

糊置き後のメッシュと型紙

板の上に残った布は、糊が置かれた状態になります。この段階では、まだセロハンテープははがしません。

糊置きした帆布

続けて2枚目の布に同じ手順で糊置きしました。メッシュ枠に型紙がついている状態なので、布のどこに型紙を置けばいいか、配置箇所がわかりにくかったです。事前に型紙に目印を書いておくべきでした。

糊置き終了後、型紙のついたメッシュ枠は、そのままお湯にまるごとつけました。糊で型紙がくっついているので、お湯で溶かして、型紙をメッシュからはがします。メッシュは枠からはずして水洗いして干します。枠のダンボールは捨てました。

ぼろぼろになったダンボール枠

糊を乾かす

糊を自然放置とドライヤーで乾かしました。糊が乾いていないと失敗するので、よく乾かします。今回は1枚失敗したのですが、乾燥があまかったのかもしれません。

ドライヤーで糊を乾かしているところ

乾かす前にセロハンテープをはがしてしまったので、ドライヤーの風で飛びそうになりました。セロハンテープは乾いてからはずすことをオススメします。

染液の準備

アカネ、エンジュ、ヤマモモ、五倍子など短時間で染まる染料を濃く煮出したものが浸染めで型染めには向いています。

ハケや筆を使って染液を塗っていく引き染めは、またやり方が違うと思います。今回は浸し染めで1色に染めるやり方です。

家にある染料の中から、濃染剤がなくても木綿が染まる桜を選びました。何度も繰り返し煮たので、エキスっぽくて濃いです。桜の染液の詳細はこちら→ 桜染め。桜の枝から染め液作り

桜の枝を煮出す

お湯でとける糊の場合は、水温は常温にします。(糊によって条件が異なるので注意)1回目は、桜の原液40mlを水200mlにいれました。2回目は、1回目の結果が薄かったので、原液80mlを水200mlにいれて、倍の濃さにしました。

アルミ媒染液の準備

水250mlをステンレス鍋で沸騰させます。焼きミョウバン2~3gを熱湯250mlに溶かして、水1Lを追加しました。

できた1250mlのうち、300mlぐらいを使って2枚を染めました。

※アルミ媒染液の作り方はこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方

染液と媒染液で染める

布の糊が乾いたことを確認してから、染める作業に入ります。染液が入った容器、媒染液が入った容器、水洗い用の容器を準備します。

まず、布は乾いているので、水につけて湿らせます。次に、布を染液に1分入れました。作業はゴム手袋をして行いました。

桜の染液に布をつける

とりだして、さっと水洗いします。水洗い用のちょうどよいサイズの容器がなかったので、大きい容器を床において水洗い用にしました。

水洗いする

水洗いしたら、アルミ媒染液に1分つけます。

みょうばん媒染液に漬ける

そうしたら水洗いして、再度染液につけます。

ここで完了する予定でしたが、色が全然ついていなかったので、再度同じ作業(染液→水洗い→媒染液→水洗い)という作業を3回繰り返しました。

そこまで繰り返しても色が薄かったのですが、糊が取れはじめてきたため終了しました。黄土色の糊のところどころが白っぽくなっています。

糊がはがれはじめたところ

媒染液ではなく染液で終わりにするため、最後にさっと染液につけました。

1枚目は図柄がぼやけて失敗

お湯で糊を洗い流したところ、糊の置いた部分が不鮮明で、1枚目は失敗でした。

失敗した桜染めの型染

失敗の要因は、たぶん糊がとけてしまったことです。

みょうばん媒染液を作ってから冷やさずに使ったため、ちょっとあたたかいような気がしました。糊がお湯でとけたのだと思います。

もしくは、ドライヤー乾燥させた際に、糊がきちんと乾いていなかったのかもしれません。

濃度が薄いためかとも思って、2枚目は濃く染めることにしましたが、染まった色の濃さは、1枚目も2枚目もさほど変わりませんでした。

2枚目はクッキリハッキリ

1枚目の濃度が薄かったため、2枚目は桜染液の濃度を倍の濃さにして同じように染めました。染液・水洗い・媒染液の往復を5回繰り返しました。

布を染液から取り出すと結構オリがついていました。

布に付いた桜染液のオリ

糊がとけてしまったかも、とひやひやしながら、シンクでお湯で糊を洗い流します。

糊を洗い流す

ボールにお湯をはって、布を入れて糊をふやかします。

お湯につけて糊をふやかす

糊を洗い流してみると、2枚目は糊置きした部分が白くハッキリしていました。よかったです!

糊を洗い流した布

乾燥してアイロンがけ

タオルにはさんで水分を吸収した後、一晩自然乾燥しました。それから中温でアイロンがけして、できあがりです。

桜のピンク色はかわいいベビーピンクになりました。以前、同じ染料で染めた時、茶色になる場合もあったので、ピンクが出てよかったです。色は薄いですが、白いところがクッキリでたので満足です。

型染の桜染め老猫

下の写真の左が2枚目、右が1枚目です。色の濃さはさほど変わりませんが、白色の鮮明さが全然違います。

1枚目と2枚目の比較

他の染料の場合

左側から、ワイルドストロベリーの葉と茎(鉄媒染)、ヘマチン(ディスポン処理あり・アルミ媒染)、ヘマチン(ディスポン処理なし・アルミ媒染)で染めたものです。

アルパカの型染め結果

ヘマチンはロッグウッドという植物の固体エキスで、高田馬場にある誠和という染料店で買いました。

ディスポンは、木綿や麻を濃く染める濃染剤です。詳細はこちら→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて

ディスポン処理したものは青が濃い紫、ディスポン処理無しは紫になりました。ヘマチンは色が濃くて、糊まで色がついてしまい、その影響で糊の近くが汚い感じになったと思います。

裏から見ると、ディスポンなしの裏面は、糊部分が鮮明に染まっていました。

染めた布を裏からみたところ

自宅で型染めして思ったこと

  • 今まで草木染めでは無地を染めていたので、絵柄がかけて楽しい
  • 型染めは糊がとても重要
  • 実際自分でやってみると、わからないことがいっぱいある
  • 服や小物を型染めしたい場合は、どうしたらよいものか?
  • 集中力がとぎれるので、型紙作りと染色は別の日がいいかも
  • わからないところは、講習会に行った時に確認したい

自宅で型染めをしてみたい人の参考になるかと思って書いてみました。正しいやり方は、書籍や型染教室で勉強してください。不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。

※草木染の型染を習った講習会のことはこちらに書いています
藍熊染料で染物体験
和紙の型染めを習う
草木染の型染めを習っています
草木染の型染めを習う:刷り込みと色抜き