草木染めのピンクと、ピンクに染まらない件

2023年1月9日 2023年1月9日つぎいろ

草木染めをはじめて、なんだか思ったピンク色に染まらないと思った人、いると思います。

ネットやSNSで見たら、アボカド染めや桜染めなど、かわいいピンク色に染まっているのに、自分でやってみたらベージュや茶色だった、はて？ということが起きます。

草木染めでかわいいピンク色を染めることについて書きます。

簡単にピンクを染めるなら

簡単に染めたいなら、染料店で植物染料を買って染めるのが一番簡単です。

茜染めは赤色に染まります。薄く染めるとピンク色です。

茜染めの染料のアカネには植物がいくつか種類があって、インドアカネ、セイヨウアカネが染料店で手に入りやすいです。根っこが乾燥染料として売っています。これを買って染めるのが、植物染料としては一番簡単に、草木染めにしては色落ちも少なく、ピンクを染める方法だと思います。

※セイヨウアカネで牛乳パックを染めた時、クリアなピンクでした→　牛乳パックのパルプを草木染めする方法

蘇芳（スオウ）というマメ科の木も、素敵なピンク～赤紫に染まります。茜に比べると色は弱いですが、青みがあって素敵な色です。

あと、草木染めには植物染料だけでなく動物染料も含むのですが、コチニールやラックという、カイガラムシ系の乾燥染料も染料店で手に入ります。鮮やかな色が染まるし、退色しにくいです。

コチニールは虫自体が染料ですが、見た目は石ころみたいで、抵抗ありません。青みのあるピンクになるので簡単。コチニールが一番簡単だと思います。ラックはエキス液体や粉末で売っていることが多いです。

ただ、色が鮮やかすぎる感じもするので、他の染料でピンクを染めるのに失敗した時に重ねるのが個人的にはおすすめです。

花びらやフルーツの鮮やかな色をそのまま染めるピンク色。ピンク色や紫色に染まります。

ただ、アントシアニンと呼ばれる色素で、色素が弱いので退色がとても早いです。

特に赤みを残すのがむずかしいです。工業的にはきれいな色でそのまま色を保つ商品もあるけれど、普通に草木染めをして染めるには、色が消えるのがとても早いです。

赤っぽい色は木綿を染めても水洗いする時に消えてしまうこともあって、シルクのほうが鮮やかな色になるかと思います。

※アントシアニンの話はこちら参照→　アントシアニン色素で染めたい

それとは別に、桜染めやびわ染め、アボカド染めなどでピンク色というものもあります。

茶色い枝や緑色の葉っぱ、茶色の種や皮を煮出して、ピンクが染まる不思議。さくらんぼの軸（食べる時に持つ部分）も使えます。

ピンク色に染めることもできるものの、かわいいと思う色を染める染液を作るあんばいが、むずかしいです。

赤みのある染液を作る必要があるけれど、茶色くなったり、ベージュっぽい色にしか染まらないこともあります。

それらと同じなのか別分類なのか分かりませんが、そら豆の薄皮や、どくだみの花からも、似たような感じでピンクが染まります。

「あれ、ピンクにならないぞ」と思うのは、これらだと思います。

ざっくり、バラ科の植物が多い感じがします。

そう考えると、原料になる植物は結構あると思うのですが、きれいな色にしたいと思うと、時の運みたいな部分もあって、結構むずかしいです。これからも追求していきたいです。

かわいいかどうかは別にして、色の強さだけを考えると、茶色っぽく染めたほうが、くすんだ色になったほうが、色持ちがいい感じがします。なので、赤茶色に染めたほうが実用的なのかも、と思うことはあります。

※一番ピンクになって欲しいのは桜染め。どうしたらピンクになるのかという考察はこちら→　桜染めの方法について　

その、桜の枝などの、ピンクに染まる色素について、何なのか調べてみるものの、よくわかりません。

桜染めをすると、枝を使って黄～ピンク～赤茶系が染まります。

同じようにピンク系に染まる植物は思ったより多く、草木染めで染液を作る際、似たような動きをすると感じています。空気を含めたり、重曹を入れたり、時間を置くと赤みが増して、黄色っぽい液が赤色の液に変化します。

アントシアニン（紅葉の赤い部分やお花の色）の場合、酸性にした方が赤くなるのに対して、アルカリ性にした方が赤くなるところが、アントシアニンとは違う感じがします。

アントシアニンと違うと思う理由の１つに、染織家の人もアルミ媒染で染めているからという理由もあります。だって、アントシアニンは色落ちしやすいので、アントシアニンだったら染めないと思うんですよね。

その色素のことを知りたいのですが、情報は少なく、どういうものなのかがよくわかりません。