巨峰の皮で食べ染め、ぶどう色
巨峰の皮で巾着をぶどう色に染めた方法を書きます。
フルーツで布を染めたいと思っています。葡萄を使って葡萄色の紫を染める、そういうワクワク感が好きです。子どもみたいですが。
染まった色の退色ははやいかもしれませんが、染まってすぐは本当にグレープ色なので楽しいです。巨峰を食べたら皮を冷凍庫にためて、自宅のキッチンで染めてみてください。
※ウールのほうが染める手順は難しいですが、色持ちはよさそうです→ ぶどうの皮でウールマフラーを染める
染めた日:2019年11月19日
目次
巨峰の皮でぶどう色に染める材料と道具
材料
- 木綿のきんちゃく 1枚
- 食べた後の巨峰の皮(4房分くらい?冷凍保存) 700g
- みょうばん(スーパーで購入できる漬物用の焼みょうばん)大さじ2
※焼みょうばんはスーパーの乾物コーナーのあたりに売っています。
※巨峰の皮は、水分を含んだ重さです。充分すぎる量だったので、もっと少なくても大丈夫です。
道具
- ナベ(3リットル以上)
- バケツやタライ 3個
- ボール(みょうばんを溶かす容器)
- 計量スプーン 大さじ
- ザル
- こし布(サラシの布、三角コーナー用の不織布、だしパックなど)
- ゴム手袋(染色中はゴム手袋をする)
- 割りばし(かき混ぜる用)
染めた巾着袋
木綿100%オックスフォード生地で作った、きんちゃく袋です。しっかりめの生地です。横21cm×縦25cm 約28g
別に手作りである必要はありません。天然繊維の木綿や麻、シルクなどでできた布なら染まります。ポリエステルやアクリルなどの化学繊維は染まりません。
巨峰の皮でぶどう色に染める流れ
(オプション)タンニン下地:ヤシャブシの染液に布をつける
↓
みょうばん液を作って布をつける(アルミ先媒染)
↓
巨峰の皮を煮て染液にして布をつける
↓
洗って乾かす
※オプション:できるだけ色落ちしないように染めるため、今回の巾着は、タンニンを含む植物染料(ヤシャブシを使用)の染液に一度つけてから染めました。タンニン下地の方法はこちら(シルクはやりません)→ タンニン下地(五倍子使用)
巨峰の皮でぶどう色に染めるやり方
巨峰の皮の準備
巨峰を食べた時に余った皮を、そのまま冷凍庫に保存していました。1房だと少ないので、何個か食べてから染めます。
着火
鍋に水2リットルと、巨峰の皮を入れ、ふたをして着火。強火にする。沸騰したら吹きこぼれないように火を弱めて、沸騰してから20分煮る。
布をお湯につける
煮ている間に、バケツにお湯(お風呂ぐらいの温度。40℃)を入れて、布をつけておく。新品の場合は、台所洗剤で軽く洗ってから行う。
みょうばんを溶かす
みょうばん大さじ2を500mlの熱湯にまぜて溶かす。少し時間を置くと液が透明になる。透明にならない場合は熱湯を足して溶かす。
みょうばん液を作る
バケツに水2.5リットルを入れ、透明になったみょうばん液を入れ、まぜる。
布をみょうばん液につける(先媒染)
布を薄めたミョウバン液に入れる。時々、ゴム手袋をした手でまぜながら20分。できるだけ布が水面に浮かないように、中に空気が入らないようにする。
※四角の模様を入れるため、生地に木片をくくりつけて、板締め絞りで染めています。模様入れの方法はこちら→ 布に絵を描く
巨峰の皮をザルでこす
沸騰後20分経ったら、火を止める。バケツの上にザルとこし布を置き、液をそそぐ。皮をこしてバケツでうける。こし布は不織布などでも大丈夫です。
グレープジュースみたいな染液が取れます。
布を染液につける
布の水をしぼって、巨峰の染液に入れる。熱いので、ゴム手袋をしてワリバシを使う。ワリバシで時々布を動かしながら20分以上つける。できるだけ布が水面に浮かないように、中に空気が入らないようにする。
※水量が足りない場合は、お湯を追加。水温が低いと染まりにくいので、水ではなくお湯を追加します。
水洗い
色が入ったと思ったら、布を取り出して水けをしぼる。別のバケツに水をためて、ハンカチを水洗い。最後の水洗いはしっかり行う。水気をしぼる。
乾かす
タオルではさんで、水気をよく取る。干して乾かす。乾くまで金属に触れないようにする。(ステンレスは大丈夫)
アイロンがけ
乾いたら、裏返しにして、中温で裏面からアイロンをかける。
巨峰の皮のぶどう色
濡れた時の色より、乾くと薄まります。インパクトのある色ではなく、落ち着いた藤色っぽい色で、グレープっぽい色です。
たぶん時間の経過とともに、赤みが減り、グレーっぽくなるのではないかと予想しています。
巨峰の皮で食べ染めのコツ
- 染まった色が薄いと思ったり、使っていて退色したら、同じ手順で染め重ねてください。
- 先媒染。染液で染めた後に媒染液に入れると、色が溶け出す感じがします。
- 下地をしなくても木綿や麻に色が入ります。豆乳下地はしても大丈夫。濃染剤(カチオン化剤)はよくありません。
- 巨峰の皮の色素はアントシアニンで、退色がはやいです。詳細はこちら→ アントシアニン色素で染めたい
不明点がありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムからお知らせください。実際に染めた感想やご意見もぜひ教えてください。
※草木染めの基本手順はこちら→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹