ぶどうの剪定枝で草木染め。葡萄染め。

葡萄染の綿ストール

ぶどうの木の剪定枝をもらったので、大判の綿ストールを染めました。ちょっと暗さも入ったピンクで、素敵な色。こういう色を染めるのが好きです。

葡萄染めというと、巨峰の皮で染めることがよくありますが、冬に剪定した枝からもピンク系の色が染まります。

剪定枝から赤みを出して染める草木染めは「こうやればこう染まる」という明確な方法はなく(私が知らないだけで、もしかしたらあるのかもしれないけれど)、人それぞれのあんばいで調整しながら染めているかと思います。

※私は桜染めをベースに考えているので、コツはこちら参照→ 桜染めの方法について

染めた日:2022年1月23日

ぶどうの剪定

市民農園に行ったついでに、ぶどうの剪定枝をもらいました。2日前に剪定した枝です。たぶんピオーネ。もしかしたらマスカットも混じっているかも。

近くで枝を見ると、エンジ色のようなワイン色のような赤っぽさがあります。シワシワした雰囲気の皮です。

葡萄の剪定枝

枝を折ると中は緑色です。茶色くなった立ち枯れた部分は使いません。先の細い部分が枯れやすい感じで、太さ1cmくらいの部分を主に使いました。

ぶどうの枝の断面

岡山は「くだもの王国おかやま」と言われていて、桃だけでなく葡萄の産地です。ぶどうの剪定時期は、1月下旬~2月初旬とのこと。覚えておいて、来年はその時期を狙ってワークショップをしたいと思います。

※葡萄に限らず、剪定枝を草木染めに活用したいと考えています。その話はこちら→ 剪定枝の処分と有効活用

ぶどうの剪定枝で染まった色

くすんだピンク。なんとなく、ブドウっぽさを感じる色に染まりました。さらに重ね染めしてから販売します。

ぶどうの剪定枝染めストール

パーソナルカラーではオータムに近い色かと思いました。でも黄色っぽさはなく、いい色です。

葡萄染のパーソナルカラー

ブルーベリーの枝で染めた色にも少し似ています。同じフルーツ系だから?ブルーベリー染めの話はこちら→ ブルーベリーの剪定枝で紫っぽく染める 

ぶどうの剪定枝染めの材料

  • 大判の綿ストール 166g
  • ぶどうの剪定枝(たぶんピオーネ)150g(5本くらい)
  • 焼みょうばん 13g
  • 重曹 少々(1番液0.9g、2番液0.6g)
  • 濃染剤(カラーアップZB) 大さじ2

※大判ストールを染めるには少なすぎかもしれません

ぶどうの剪定枝染めの流れ

  1. 枝を細かくする(ピーラー&カット)
  2. 水3リットルに重曹を少し入れて枝を30分煮る(沸騰後30分)
  3. 綿ストールの濃染
  4. 枝をこしてから、染液に空気を含ませる
  5. 新しい水で2番液も煮出す(沸騰後30分)
  6. (水量不足のため)お湯5リットルに染液の半量を入れ、染液とする
  7. ストールを染める
  8. 水洗い
  9. みょうばん媒染
  10. 水洗い
  11. 染液の半量を追加して、再度ストールを染める
  12. 水洗い
  13. みょうばん媒染
  14. 水洗い
  15. 染液に2番液を追加して、ストールを染める
  16. よく水洗い
  17. タオルに包んで洗濯機で脱水して、陰干し

※草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹

ぶどうの剪定枝染め詳細

使ったのはこれくらい。150gにしました。剪定枝5本分くらいです。

使用したぶどうの剪定枝

事前にテストした時、枝を切っただけでは染液が薄かったので、枝を細かくすることにしました。粗くピーラーして剪定ばさみで2cmくらいにカットしました。

カットした枝が入った鍋

ステンレス鍋に水3リットル、重曹0.9g、枝150gを入れて、フタをして強火。沸騰後30分煮ました。

煮ている間に、綿ストールの濃染をしました。この染め方の場合、濃染しないと色が入りにくいと思います。濃染方法はこちら→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて

1番液を煮終わったところ。残った枝を使って、水と重曹の量を減らして、2番液も煮出します。

煮終わった鍋

液をコシ布でこしてから、バシャバシャして空気を含めます。焦げ茶色の液が薄い赤茶色になりました。

酸化後の染液

20分後から染め始めることにしました。その時の液色。

葡萄の染液1番液

給湯器のお湯(60度くらい)5リットルに、1番液の染液を半分(1.5リットル弱)を入れて染めることにしました。うすいです。(もっとたくさん染液を作るべきでした)

葡萄染の染浴

薄いので、濃染処理をした後の綿ストールを入れると、一瞬で色を吸って、ストールがうすいピンク色になりました。

染色1回目

液色がほぼ透明です。

水洗いしたところ。うすいけれど色が入ってました。

染色1回目水洗い後のストール

みょうばん媒染液(水6.5リットル、焼ミョウバン13g)を作って、常温で媒染20分。うすい色になります。

※媒染液の作り方はこちら参照→ みょうばんアルミ媒染液の作り方

残しておいた半分の染液の色。煮上がってから1時間位が経過。少し赤みが増したような感じもします。

ほぼ透明になっていた染める用の液に、残り半分を薄めました。

媒染後のストールを入れて染めます。動かしてたら、泡立ちました。泡立つ時のほうが染まるような気がしています。

そうこうしていたら、2番液が煮上がりました。薄い焦げ茶色。1番液よりも薄い感じがしました。

2番液

バシャバシャ空気を入れた後の液の色。

酸化後の2番液

少し時間を置いてから使いたかったので、その間に、再度みょうばん媒染(液は使いまわし)をしました。

30分後、2番液を追加して染めて、染め終わり。

染色3回目

よく水洗いしてから、バスタオルで包んで洗濯機で脱水。脱水後、濡れた状態のストールです。

濡れた状態の色

一晩、家の中に干して乾かしました。乾燥後はくすんだピンク色。染めたてはぶどうっぽさが何となくある感じ。

ぶどうの剪定枝染めストール

これは販売用にしたいので、もう一度重ね染めする予定です。

ぶどうの剪定枝染めで思ったこと

  • こういう染め物が好き、楽しいと思った。
  • もっと濃い液を作ってみたい
  • 2月はワークショップはお休みすることにしたので、その間にもっと染めたい

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。