スピニングパーティーのこと

スピニングパーティー2019

「新・東京スピニングパーティー2019」に初めて行ってきたので、その感想を書きます。

スピニングパーティーは、糸紡ぎや織物、編物、染物などのお店がたくさん出店するイベントです。講演やワークショップもあります。糸や羊毛がたくさん売っていて、糸を使う手芸好きの人なら、とてもワクワクするイベントだと思います。

私は洋裁と染物をしていて、糸には手を出してないので、染料や生地を見たり、お店の人に話をきいたりしての情報収集が楽しかったです。特に織物体験などはせずに、フラーっとお店を見て回り、染料と染色用のストールを買って帰りました。

場所は錦糸町マルイの上にある、すみだ産業会館。入場料1000円でした。

なお、2020年と2021年は中止。2022年は10月1日と2日で横浜で開催予定。遠くなってしまって行けないけれど、行きたいなあ。

行った日:2019年9月21日

スピニングパーティーのこと

去年、スピニングパーティーの存在を知って、今年は絶対に行ってみたい!と思っていたので、実際にどのようなものかわかって、すっきりしました。その話を聞いたときは、「以前は、実際に羊が会場に来て、毛刈りの実演があったよ」という話を聞いて、面白そうなイベントだと思ったんです。(今年は羊はいなかったです)

スピニングパーティーのポスター

展示会のように広いスペースにブースが立ち並びます。100店くらいあって、1つ1つのお店のスペースも広いです。ぐるっと一周したら足腰が疲れましたが、見切れない量ではないです。チケットは再入場可能なタイプなので、疲れたら外でランチでも食べて、また戻れます。

きちんと予約が必要なワークショップの他にも、機織りなど、ブース内で体験できるものがあったり、お買い物以外も楽しめます。

来ている人は女性がほとんどで、年齢層は高めです。午前中に行きましたが、思ったよりは混んでなくて、ちょうどよいにぎわい度合いでした。開場直後は入場が混んでいたようですが、私が到着した時は、ひと段落していて、入場はスムーズでした。

スピニングパーティーで見たもの

私自身は洋裁や染物に興味があるだけで、織物や糸関連の手芸はしていないので、情報がかたよってますが、スピニングパーティーで面白いと思ったことについて書きます。

ブータンの植物染め

「ヤクランド」というブータンの機織りブースに、ブータンアカネが売っていたので買いました。ブータンアカネというものを初めて聞きました。

ブータンアカネ乾燥染料

面白いと思ったのは、ブータンの人が染める時には、ゼムの葉(ゼムシャバ?)を媒染に使うということ。普段、自分で草木染めをする時、ミョウバンをアルミ媒染に使います。それを葉っぱでできるなんて、初耳で、私にとっては大発見でした。

ヤクランドのブログを見たら、ゼムの葉とボケの実を使うと書いてありました。とても興味深いです。

※そのページはこちら→ ゼムの葉とボケの実は媒染剤? | ヤクランド

染料だけ買いましたが、人から「その葉っぱもないとブータン染めできないのでは?」と言われて、その通りだと思いました。でも、きっとミョウバンでも、西洋アカネとはまた違った色に染まるはずです。

ヤクランドの隣のブース「手織工房SOX」に、ブータンアカネで染めた糸が売っていました。オレンジっぽいピンク。やさしい色あいで、染めてみたいです。

ブータンアカネの絹糸

いつかブータン旅行に行くことがあったら(ないと思うけれど)染物体験してみたいです。

大賀ぐうし館のハスの糸

町田市の大賀藕絲館(おおがぐうしかん)では、ハスのクキから作られた糸が売っていました。蓮の茎に繊維があって、それから糸が作れるなんて素敵です。

蓮の茎

こういうのを見てしまうと、繊維作りには興味があるので、「自分でやってみたい」と思ってしまいます。あと、蓮の葉も染料として売っていました。

大賀藕絲館は、障害福祉の施設。蓮田があって、作業協力者を募って蓮の収穫作業をしているそう。紅花も育てているので6月頃には紅花摘み体験ができそうな感じでした。気になる場所です。

バラの花染めのキビソ糸

「齊藤機料店」で、キビソ糸を見ました。写真中央の、白と灰色がかった紫っぽい色の糸が、バラの花染めのキビソです。両脇のピンクはアカネとコチニールだったと思います。

バラの花染めのキビソ糸

バラの花染め。花びら染めにあこがれているので気になりました。

キビソ糸はシルクで、繭の一番外側から作られた糸です。普通のシルクの糸=生糸とは違っていて、ごっつい感じです。以前、人から「シルクだよ」と言われてこのタイプの糸をもらい、「なんだかシルクっぽくない、本当にシルクなのかな?」と思ったことがあります。今回ここで、この糸を実際に見て、「やっぱりシルクなんだ!」と納得できました。

キビソ糸は質感が素朴なので、つるっとしたシルクより自分好みです。気になる素材です。

草木染めの染料になる植物

「紬樹の雫」という群馬県上野村の草木染めの糸を販売しているブースに、生の五倍子(ゴバイシ)とドライフラワーみたいになったコブナグサが売っていました。生の五倍子は、その辺に生えてないし、なかなか出会えないものだと思います。(私は先日、人からいただいたので買いませんでしたが)

飾ってあったコブナグサの絹糸が黄色から緑っぽいものから様々でキレイだったので、コブナグサも欲しいと思ったのですが、今回はあきらめました。

※コブナグサとカリヤスはやっぱり別物でした。コブナグサは八丈刈安といって、八丈島では刈安と呼ばれているようです。

食物で染めた糸

「暮らしの手仕事〜くらして〜」のブースに、ブドウや小松菜で草木染めした刺し子糸が売っていました。ブドウ色のブドウ糸、小松菜色の小松菜糸って素敵です。

ブドウ染め小松菜染めの刺し子糸

「衣の自給自足」として、身に着けるものを全部手作りしようという活動もされています。

べんがら染め

「ベンガラ染め 古色の美」のブースで説明を少し聞きました。ベンガラ染めという存在は知っていて、どんなものなのかわからず、気になっていたんです。

「土から染料を作る」ということで、その辺の土からも作れるそう。それがやってみたい!と思いました。

ベンガラ染めの染料として販売されている製品のパッケージはとてもキレイで、手作り感がないのですが、染料作りは乳鉢でゴリゴリ手作業だそうで、面白いなあって思いました。

全国各地をまわって、土から染料を作るワークショップを時々やっているそう。ぜひ行ってみたいです。情報を見逃さないようにしなくては。

あと、ベンガラ染めは下地をしっかりしたら水洗いしてもあまり色落ちしないということで、天然志向でTシャツなどを染めたい人にはいいのではないかと感じました。以前、ブログのお問い合わせで「ベンガラ染めできますか?」という質問もあったので、需要はありそうな気がします。流行っているのかな?

シルクのストール

「絹の小径」という群馬県桐生市の絹糸屋さんで、真綿紬のストールを買いました。少し厚みのあるシルクのストールが欲しかったんです。真綿紬が何なのかよく知らないのですが、シルクです。

真綿紬のシルクストール

染色用のストールは、いくつかのお店で売っていて、安いものから高いものまでありました。探し出せなかっただけかもしれませんが、他はあまりピンときませんでした。

ネット通販でストールはよく売られていますが、実物を見ないと買えない人間なのでなかなか買えず、こういう機会に見ておきたいです。


あとは、ゼンマイが入った糸、天然素材のボタンなどを見たくらい。お腹がすいたので会場を後にしました。

2020年の東京スピニングパーティー

2020年は横浜開催の予定でしたが、中止になったそうです。残念。