派遣の契約満了のこと

派遣の契約満了

通常、更新日の1ヶ月前までに「契約更新する」「契約更新しない」の意思確認があって、12月末や3月末が更新の切り替え時期の方が多いかと思います。

派遣契約満了時に気になること、有給消化や次の仕事探し等について、派遣社員として感じてきたことや体験話を書いています。

私の契約終了は2018年12月でした。2021年現在はまだ失業中ですが、失業保険は終わっています。

※失業保険については他のページに書いていますので、そちらをご覧ください。

派遣満了での有給休暇の消化

1ヶ月以内に次の仕事が同じ派遣会社で始まるなら有給休暇も引き継がれますが、そうでない場合は、残っている有休は消滅してしまうので、契約が終わるまでに消化したいです。

残っている有給休暇をすべて退職日前の時期にあてて、円満に有休消化させてもらえるかどうかは、会社や上司によると思います。

有給休暇の取得は権利なので、主張すれば通ると思いますが、ゴリ押しするのは気持ち的にメンドクサイです。

以前、とある派遣社員が、最後にまとめて有給消化をしようとして、その上司が「だったらその日までで契約を終了してやる」と怒っていたのを聞いたことがあります。その上司はお金にうるさい人で、労働力にならない派遣社員1名分のコストが許せなかったようです。最終的にどうなったのかまでは把握していないのですが、そういうこともあるんだと学びました。

そのトラウマもあって、わたしの場合、有給休暇は発生したらすぐ使うようにしています。正式な夏休みがない企業で働くことが多かったので、一部は夏休みに使い、残りをちょこちょこ休める時に使っていました。

終了時期が迫ってくると、後任への引き継ぎのために休みにくくなる場合があります。後任者が早めに入ってくればいいのですが、ぎりぎりになると大変です。今は結構人手不足なので、後任が見つからないこともありえます。

わたしの場合、自分だけが知っている業務が多かったので、早く後任者を決めるように上司にお願いしました。最終的に業務が引き継がれなくて困るのは上司なので、はやめに手配してもらえました。

いずれにしても、退職時の有給休暇は早めに希望を伝える、申請するのが得策かと思います。

先日まで勤めていた派遣先の会社の場合は、どの派遣社員も、当たり前のように有給の残りを最後に当てて、最終出社日を契約上の終了日より早める人が多かったです。私は有給を使いすぎていたので、数日しか当てられませんでした。

ただし、派遣社員から直雇用の派遣先の社員になった人もいたのですが、その人は気持ち的にも仕事的にも休めなかったようで、雇用形態の切り替えで有給を消滅させていました。

私はそれを「もったいない」と思ってしまう貧乏性なのですが、自分なりの優先順位で物事を決めているなら、悪いことではないとも思います。「社員になって安定した生活を送ること」や「今の上司と上手くやること」のほうが、「有給を消化すること」よりも重要だと感じていて、そちらを優先するなら合理的です。

「本当は使いたいけれど、使えない・・・もやもやした気持ち」という状態は、精神衛生上よくないと思うので、なにごとも自分のモノサシで考えて決めることをオススメします。もう辞めるんだからと割り切って有給取得を優先してもいいし、いざこざがメンドクサイから消化しなくてもいいやと放棄してもいいと思います。

派遣の引継ぎと後任者

更新しないということが確定したら、後任者に業務を引き継ぎます。

今まで働いていた職場の派遣仲間が教えてくれたのですが、私の後任者も3月末で終了となるそうです。けっこう引き継ぎが大変だったので残念ですが、そういうものです。その「私の後任者」も、前職で引き継いだ後任者が早々に辞めてしまったと言っていました。

わたしの場合、3年働いている間に、同じ部署の人の大半が入れ替わりました。自分を採用してくれた上司も、「わからなかったらこの人に聞いてね」と言われていた人も、いつの間にかいなくなりました。外資系の会社だったので、めずらしいことではないと思います。

なので、自分のしていた仕事を誰も把握していなくて、業務の引継ぎが大変でした。次の後任者(派遣社員)に早めに入ってもらって、毎日毎日引き継ぎの日々。普段は会話の少ない仕事だったので、話しすぎて声が枯れました。

いったん今働いている誰かに業務を引き継いで、後日新人に業務を教えたほうが、複数の人が仕事内容を把握している状態になるのでよいと思いますが、そんな余裕のある会社は少ないかと思います。

後任者の採用(派遣社員から見ると次の仕事探し)という点から考えると、3月末で派遣満了の人が多いということは、4月から働ける人より3月中から働ける人の方が人材として需要があるのかなと思いました。

派遣契約満了後の次の仕事

終了後の方向性としては、次の4つが主なものと思います。

  1. 同じ派遣会社で次の仕事を探す
  2. 別の派遣会社で次の仕事を探す
  3. 正社員で転職する
  4. 失業して、失業保険をもらいながら、じっくり次の仕事を探す

わたしは今回は失業です。

今まで派遣社員として働いて契約満了したことが5回あります。その5回の終了のうち、違う派遣会社で次の仕事を探したことが1回、正社員での転職が1回、失業が3回あります。

社会保険の切り替えや有給休暇の残りのことを考えると、同じ派遣会社で次の仕事を決めたほうがめんどくさくないと思います。でも、どの派遣会社になっても、働くのは結局派遣先なので、派遣会社よりも案件の内容(派遣先の会社や仕事内容、時給など)を優先して次の仕事を決めていました。

※追記:最近は、期間制限を過ぎても同じ派遣先で働き続けられるよう、無期転換ルールで無期雇用に切り替えて働き続ける、ということもあるようです。有期の登録型派遣であれば、契約更新がなかった場合、契約期間満了での退職になり給付制限なく失業給付を受けられることが多いのですが、無期雇用派遣(常用型派遣)の場合は、次の派遣先を割り当てられてそこで働く仕組み。無期雇用になったことがないので詳しくはありませんが、慎重に検討することをオススメします。だいたい、長年働いていて、これからもそこで働くなら、派遣先の社員にしてもらいたいですよね。なんだか不便だなと思います。

派遣会社で違う点

派遣会社で違う点としてお得だなと感じたことがある点は、下記です。

健康保険の保険料率

リクルートスタッフィングの場合、リクルートの健康保険になるので、保険料率が協会けんぽ(はけん健保解散後に使われている健保)より少しお得です。わたしの場合、夫を扶養に入れていた時期があるのですが、被扶養者の健康診断が本人(派遣社員)より手厚くて驚きました。被扶養者の扱いはリクルート社員と同じようになるからだと思います。

2019年4月に「はけん健保」(人材派遣健康保険組合)は解散、「協会けんぽ」(全国健康保険協会)に移行しています。

例えば、被保険者が負担する、2020年度の健康保険保険料率は、リクルートの場合は一般3.85%介護0.95%です。協会けんぽ(東京都)の場合、一般9.87%介護1.79%で、その半分を被保険者が負担するから一般4.935%介護0.895%です。

標準報酬月額が22万円の人だったら、40歳未満ならリクルート健保8,470円協会けんぽ10,857円、40歳以上ならリクルート健保10,560円協会けんぽ12,826円となり、毎月の手取り額が2000円以上違ってきます。

それぞれ健康保険組合の公式サイトに保険料額表が載っているので、自分が該当する額を見てみるとよいかと思います。

TOEICの割引

TOEICが安く受けられる派遣会社があります。ただし、受験時の点数がそのまま登録情報に直結してしまう場合もあるので、以前より低い点数だった場合も登録されてしまう点に注意です。

  • 通常のTOEIC受験料:5,725円、リピート受験割引5,092円
  • パソナ 本テスト(登録者):5,000円・・・登録情報に点数が反映される
  • リクルートスタッフィング IPテスト(登録者):4,155円・・・登録情報に点数が反映される
  • スタッフサービス IPテスト(就業中のみ):4,500円・・・登録情報は不明
  • パーソルテクノロジースタッフ 本テスト(就業中のみ):2,160円・・・登録情報に点数が反映される

パーソルテクノロジースタッフはIT職の派遣会社です。インテリジェンスがパーソルテクノロジースタッフに変わったため登録が残っています。交通費も支給されるようになったそうです。(あまり事務職の案件は求人がありませんが)

ちなみに、わたしは英会話に挫折したので、もうトイックは受けていません。インテリジェンス時代に受けて、安くていいなと思ったことがあります。

他は、派遣会社での違いというより、どんな担当者に当たるかで違うと思います。同じ派遣会社でも信用できない担当者に当たったこともあれば、しっかりした担当者に当たったこともあるからです。

時給の違い

いくつかの会社の求人情報を平行して見ていると気がつくのですが、同じ求人案件でも派遣会社によって微妙に時給が違います。※時給の話はこちら→ 派遣の時給が上がっている事実

派遣仕事の探し方

派遣社員になりたての頃、派遣会社の方の話を信じて、仕事探しの時間を無駄にしたことがあります。

派遣会社の人って、思わせぶりなんですよね。滑り止めみたいな候補者に対しても、あたかも「あなたに決まりそう」という雰囲気で接してくるんです。

派遣先の職場見学(顔合わせという名の面接)の日程調整と言われて日数が奪われ、結局途中で案件がなくなったことがあります。他社で決まってしまったとか、そういう理由を言われた気がします。他は応募していなかったので、そこからまたエントリーからやり直し、時間を無駄にしてしまいました。

派遣会社の人の言うことがどこまで本当かはわかりません。全部本当なのかもしれません。

でも、相手の立場になって考えるとわかります。第一候補者が辞退した場合に備えて、第二候補者を押おさえておきたい。候補者が用意できなかったら、他の派遣会社に案件をとられてしまうのだから、仕事として当然の行動です。

同じ派遣会社でエントリーは複数できますが、選考に進むと他の案件に応募できなくなる、というのが通常だと思います。

だから、ひとつの派遣会社にこだわらずに、複数の派遣会社に登録しておいて、同時に応募するのがよいと思っています。複数の会社の案件を見ていると、同じ仕事が出ていて、多少時給が違うことにも気がつきます。

同じ仕事と思われる案件に2つの派遣会社から応募して、片方だけ社内選考に通ったことがあります。なので、確率を高めるためにも複数応募するのがいいかなと思います。

話が進み始めると、必ず、「他に応募しているものはありますか」と聞かれます。形式的なものと割り切って、「他は受けていません」といいつつ、並行して他の派遣会社の案件を応募するのがいいと思います。そうしないと、希望する開始日までに開始できないことが多いです。

あと、ぜひやりたい仕事をネットで見かけてエントリーしたら、電話もかけておくといいと思います。連絡が取れる状態か、やる気があるのか、というのも選考ポイントになると思うからです。ネットには公開されていない会社名や具体的な仕事内容を教えてくれる場合も多いです。

時々、自分の希望条件と全く違う案件の紹介電話がかかってきます。勤務地が通いにくい場所だとか、人気がない案件だと思うので、気にせず断っていいと思います。

雇用安定措置の対象になっている場合など、状況によっては少しやっかいです。詳しくはこちら→ 派遣の雇用安定措置のこと 

また、派遣会社によっては失業保険に影響することがあります→ 派遣で紹介を断る時に知っててほしいこと

派遣満了を多角的に考える

何事も、相手の立場や都合を考えると、うまくいくことが多いです。それは相手のことを思いやるという意味ではなくて、客観視する、合理的な考え方だと思います。そのほうが無駄が少ないです。

仕事が終わる時って、シュレッダーにいらない書類を捨てたりして、断捨離した時のようにスッキリした気持ちになりませんか?派遣満了となる方は、いろいろバタバタして大変かと思いますが、そのスッキリ感もぜひ味わってください。

自分から更新しないのではなく、3年の期間満了など会社都合、いわゆる派遣切りとなった方は、不安な面もあると思います。でも今は派遣の時給が以前よりは上がっているし、多少余裕があるなら失業手当をもらいながらゆっくり次の仕事を探すという手もあるし、職業訓練を受けてスキルアップするという手もあるし、ピンチをチャンスととらえることもできるのかなと思います。

※追記:2019年にはそう書いてましたが、2020年以降は、なかなかコロナ騒動がおさまらなくて、先行きが見えないですよね。どうしたものか。はやく終わってほしいです。

※失業保険については他のページに書いていますので、そちらをご覧ください。

※2024年1月追記:派遣社員を辞めてから5年経過。派遣社員の失業保険の内容は更新していません。参考になる箇所もあると思うので残していますが、古い情報もあると思いますのでご留意ください。「ここが違うよ!」などお気づきの点があれば、注釈を入れますのでお問い合わせフォームから、お気軽にお知らせください。