熊本の旅
ずっと行ってみたかった、熊本市にある「香草の小屋」を訪ねてきました。
今回の旅を通して自分が感じたことを書きます。
写真は、見せていただいた、自然染色のマンゴー&ターメリック染め作品。
熊本・草木染めの旅
香草の小屋を知ったきっかけは、ずっと前にブログを読んだこと。ブログを読んだきっかけは、アボカド染めでした。
アボカドでピンクに染まることを私に教えてくれたのは、当時通っていた洋裁教室の先生。私が草木染めをしていることを話すと、インスタグラムでアボカド染めを見た、と教えてくれました。その時はまだインスタグラムを始めてなかったので、ネット検索でアボカド染めのことを調べました。そこで見つけたのが、香草の小屋のブログでした。バリ島での生活を綴ったブログで、あこがれの南の島での暮らし。
バリ島といえば南国。日本よりも紫外線の強い場所で、明るい色に染めたストールや衣服を身につけていることに、興味を持ちました。
草木染めは染め重ねたほうがいいのかな。何回染めればいいのだろう。と思っていた時期に、香草の小屋の、自然染色で何度も何度も重ね染めした話をみかけました。その回数は私にはできそうもないけれど、なにかヒントをもらいたいと感じました。
ミョウバンを使わない染め方も知りたいと思いました。
というわけで、実際にお会いしてお話をききたいと数年思っていました。草木染めについては、理論よりも経験。経験がある人の話を聞きたいです。
今回は、聞きたかったことをお聞きして、それ以上の幅広いお話も聞くことができました。わたしにとっては、他では見聞きする機会のない話で、ありがたかったです。
熊本市から阿蘇や大分県竹田市までは車で2時間あればいける距離で、染織関連の工房を一緒に訪ねました。翌日、熊本在住の友人を誘って、香草の小屋のオープンガーデンで講習やランチもしていただきました。お庭で養蜂もされていて、手作りパンにあわせたハチミツも格別でした。
ブロックのキハダ。初めて見ました。奥はビワの葉です。
キハダでサンプル染めしたブラウス。ここから何度も染め重ねます。
ランチ。
普段は、有機栽培の勉強会や1週1グループのランチ会をオープンガーデンでしているそうです。
思い切って訪ねてみてよかったです。
以前、とある人から「普通の人(私)がワークショップをして成り立つのか?」という相談をされたことがあります。たいがい、ワークショップをしている人は、ライフスタイルが素敵で、おしゃれで、面白くて、カリスマ性がある人。だから、私やその相談してきた人のような普通の人間がやってもいいものか?という相談でした。
それを思い出したのは、香草の小屋のオーナーが、まさしく、そちら側、ライフスタイルが素敵な人だったからです。引き出しがたくさんあって、その一つ一つがキラキラしている感じ。パワフルで、会った人が楽しくなる人柄。
そういう人間に自分がなれるかというと、私はなれないけれど、1つのものを突き詰めていきたい。植物で染める、ということ自体がとても魅力があることだから、それをつなぐ人間は、別に普通の人でいい、と私は思っています。
ついつい、「こうであるべき」と考えがちだけれど、そういう凝り固まった部分をほぐして、もっと直感で進めるようになりたい。
私はマニュアル人間なところがあって、頭でっかちになりがち。草木染めの本を参考にすると、読む人がわかるように目安になる分量ややり方がわかりやすく書いてあるけれど、その分量が正しいわけでもなくて、やり方はたくさんあって、何がいいかは結論が出ない。しっかり染めるためには、さまざまな薬品が準備されていて、どんどん植物の力から離れていくような、そこまでして染めなくてはいけないのか、商品にするなら必要なのか、「こうあるべき」が息苦しくなる。
今回の旅で知ったことは、草木染めは、お料理みたいなもの。そして発酵。
息苦しいと思っていた中で、全然別の角度からの話に触れることができて、ほっとしました。
熊本からの帰りがけに別の工房にも立ち寄ったのですが、全然違う染め方でしたが、根底は同じかもと感じる部分があって、全然違うのに同じ、というところが興味深かったです。
阿蘇の中をドライブしたことで、土地や水の力についても思いが至りました。どちらも植物で染める時に重要なもの。
熊本も阿蘇も初めて行った場所。阿蘇は、私が知っている地域で言えば、軽井沢や清里みたいな印象。でも、それとも少し違って、阿蘇は阿蘇で、他にはない場所という感じもしました。
熊本は市内でも水道水が地下水でキレイ、という話を聞いて、ビジネスホテルのユニットバスの蛇口の水をそのまま飲んでみたら、変な味が全然しなくて、おいしかったです。
熊本市は都会でした。私が行った日は、比較的涼しい日だったようですが、アスファルトは暑くて、普段はもっと盆地で熱がこもるので暑いそうです。岡山に引っ越した時、市街地からちょっと行くだけで山も海もあって素敵、と思いましたが、熊本は、市街地からちょっと行くだけで阿蘇があって素敵です。熊本城は市中からきちんと見えて、日常の風景に溶け込んでいました。
最近ぼんやりしていたので、お話をたくさん聞いて、刺激を受けて、今後のカテにしていこうと思いました。まずは、自分でやってみること。私でもできることはなにか。
そう考えて、やっぱり自分のベースはこのブログなのだと思い、久々に更新することにしました。
どんなふうにして、自分ができることを生活費につなげていくか。とりあえず、できることから。
今までにも、草木染めに関連して旅をしたことがあります。
※どんぐり工房の話→ 愛知県豊田市稲武で草木染め体験
※猫舟さんの話→ 北杜市に移住した人を訪ねる
追記:染物写真
講習で煮出していたビワの葉。さらに煮詰めて被せ蒸し染め。サトウキビの糸。面白く染まる。
キハダ重ね染め4度目はビワの葉も一緒に煮詰めた液で。少しオレンジが混じって濃い色。
上着とパンツがアボカドの葉とマンゴーの葉の複合染め。
私も手を動かしていこう。と改めて思いました。植物から染まるってやっぱりすごいです。
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