派遣契約満了なら失業保険はすぐもらえるのか

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派遣契約終了、次は決まっていない場合の失業保険について気になるのが、「失業保険がすぐにもらえるのか問題」(給付制限があるのか問題)です。

当初自分の体験談をブログに書いていたのですが、他の方からも失業保険情報をいただいて、再編成しました。100%は解明できてないのですが、今までにわかったことをこのページにまとめました。思っていたよりもずっと複雑でした。

※なお、待期期間と給付制限を混同している人もいますが、待期期間7日間は全員あります。よくいう自己都合で失業給付がしばらくもらえない期間は、給付制限です。

わたしの失業保険の経験

正社員では3か月待った

いままで、正社員で自己都合でやめたことが2回あり、いずれも給付制限がありました。

1回目は、ふつうに3ヶ月の給付制限をうけました。

2回目は、退職日翌日から職業訓練を受講することで給付制限を解除しました。(※自己都合でついた給付制限が職業訓練でなくなった話はこちら→ 職業訓練を受けた体験談

派遣社員ではすぐもらえた

派遣社員から契約の更新がなく失業したことは、過去3回あります。

うち2回は、いずれも派遣先の都合で更新されず(いわゆる派遣切り)、そのまま次の仕事が決まらかったパターンです。自分の気持ち的にも、「会社都合なのだから、給付制限ないでしょう」という気持ちでした。

離職票もすぐに出してもらい、失業給付金の給付制限はありませんでした。

離職票の離職理由コードは2cで、雇用保険受給資格者証の離職理由は23でした。この23というのは、「契約期間満了(雇用期間3年未満、更新明示なし)」という特定理由離職者の離職コードです。給付制限はなく、それ以外にも優遇措置の対象でした。

直近の1回は、3年の期間制限ルールでの派遣満了でした。離職票の離職区分のコードは2A「会社都合による雇い止めで雇用期間が3年以上」で特定受給資格者となり、給付制限はありませんでした。優遇措置の対象です。詳しくはこちら→ 派遣会社からの離職票の離職区分は2Aでした

失業保険はいつからもらえるか

実際、初回の失業給付がいつもらえたか(銀行口座に振り込まれたか)というと、私の場合、給付制限が無い場合で退職日の45日後でした。

退職してから離職票が届くのに2週間程度かかり、すぐハロワークに離職票を出しに行って、その日から4週間後が認定日で、その4日後に銀行振込されました。待期期間7日がある関係で初回の給付額は少なめです。通常は28日分ですが、初回は20日分でした。

派遣契約期間満了なら給付制限はない場合が多い

リクルートスタッフィングの説明ページには、”「契約期間満了による離職」の場合は、給付制限はないとされていますが、詳細につきましては最寄りのハローワークへお問い合わせください。”と書かれています。

東京都内の近くのハローワークに電話して聞いてみた時は、更新の希望がない場合の契約期間満了について、「たいがいは給付制限がつかないけれど、場合によって給付制限がつく可能性はある。派遣会社の判断も入ってくるので」とのことでした。

つまり、ケースバイケースということなのですが、ここまでの情報では、「多い」のであって「必ずそう」ではない点が、失業する側からみると不安です。

私が出した結論

その後、ブログにお問い合わせをいただいた方から情報をもらって、厚生労働省の「雇用保険に関する業務取扱要領」という存在を知りました。

それをふまえて私が出した結論としては、「更新の希望があってもなくても、契約期間満了で終わったら給付制限なし。ただし、派遣会社が新しい派遣就業の指示を拒否したと判断すれば、自己都合で給付制限ありになる」です。

なお、更新の希望の有無は、特定理由離職者(優遇措置あり)になるのかに関係します。

紹介拒否は自己都合

ブログにお問い合わせいただいた方から、「紹介を拒否したという理由で4D(自己都合)になった」という話をききました。離職理由を判別するフローがあることを教えてもらいました。

厚生労働省の「雇用保険に関する業務取扱要領」によると、新たに開始される派遣就業の指示を拒否した場合は、自己都合となります。

「21503(3)離職票の作成及び記載要領」から抜粋します。

労働者派遣事業に雇用される派遣労働者のうち常時雇用される労働者以外の者については、派遣就業に係る雇用契約期間中の離職に係る離職理由の判定は、派遣労働者以外の労働者に関する取扱いと同様とし、雇用契約期間の終了に伴う離職に係る離職理由の判定は、次による ~中略~。

(a) 労働者が、新たに開始される派遣就業の指示を拒否したことによる場合: 3C又は4D
~中略~

(b) 事業主が、被保険者となるような労働条件での派遣就業の指示を行わなかったことによる場合(指示した派遣就業が取り止めになったことによる場合を含む。): 2A、2B、2C又は2D

引用元:厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」

出てきた離職理由のコードの内容は下記です。

  • 2A 特定雇止めによる離職(雇用期間3年以上雇止め通知あり)
  • 2B 特定雇止めによる離職(雇用期間3年未満等更新明示あり)
  • 2C 特定理由の契約期間満了による離職(雇用期間3年未満等更新明示なし)
  • 2D 契約期間満了による退職(2A、2B又は2Cに該当するものを除く。)
  • 3C 正当な理由のある自己都合退職(3A、3B又は3Dに該当するものを除く。)
  • 4D 正当な理由のない自己都合退職

2A、2B、2C、2D、3Cは給付制限はありません。4Dになると給付制限があります。

4Dになるかの分岐点は、「労働者が、新たに開始される派遣就業の指示を拒否」したかどうかです。拒否になると、自己都合になります。

どうしたら拒否になるのかは明確にはわかりませんが、派遣会社によって違うんじゃないかと感じています。

派遣会社によって、どういった場合に「指示を拒否した」と判断するのかが違うような気がします。だから、同じような行動をとっても、人によって結果が違ったりするのかなと思うんです。

例えば、DMのように一斉メールで案件紹介のメールが届いて、それに何も反応しなかったら「拒否」なのか。電話でも、「あーこれ、みんなに同じようにかけてるんだろうなあ」と思う、希望と全然違う紹介電話がかかってきて断ったら「拒否」なのか。いくつか提示されて悩んでいる間に、他の人で話が進んでしまった場合はどうなのか。わかりません。

私自身は、「指示を拒否」になったことはありません。1社だけでなく3つの派遣会社ともです。

私個人の感覚としては、普通に次の仕事を紹介してほしいという姿勢であれば、「指示を拒否」にはならない感じがしていますが、お問い合わせをくださった方は、紹介を断って4Dになったとのこと。なので、紹介された案件を断れば自己都合扱いになると考えておいたほうがよいかと思います。

※そのお問い合わせの話はこちら→ 派遣で紹介を断る時に知っててほしいこと

派遣の離職理由の分かれ道

さらなる分岐条件部分を、厚生労働省の「雇用保険に関する業務取扱要領」の「21503(3)離職票の作成及び記載要領」から抜粋引用します。

(b) 事業主が、被保険者となるような労働条件での派遣就業の指示を行わなかったことによる場合(指示した派遣就業が取り止めになったことによる場合を含む。): 2A、2B、2C又は2D

同一の派遣事業主のもとで被保険者であった期間が3年以上ある労働者については、2Aに該当するものとする。

同一の派遣事業主のもとで被保険者であった期間が3年未満である労働者については、雇用契約においてその更新が明示(契約更新・延長、新たな派遣先を指示することの明示等。)されており、かつ、労働者が契約の更新を希望(契約更新・延長、新たな派遣先での派遣就業等を希望。)していたにもかかわらず契約が更新されず、当該契約期間満了により離職する場合については「2B」、雇用契約においてその更新が明示されてはいないが、労働者が契約更新を申し出ていたにもかかわらず契約が更新されず、当該契約期間満了により離職する場合については「2C」、それ以外の場合は「2D」として取り扱う。

なお、更新の明示、労働者の更新の希望の有無、契約更新の申し出の有無に係る取扱いは、ロの(ハ) のcの(a) と同様である。

なお、被保険者の都合による退職であるにもかかわらず、法第 33 条による給付制限を免れるため、契約期間の満了と称する場合等が考えられるので、その判断に当たっては十分留意する。

引用元:厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」

派遣でよくある離職理由コード

細かく言うとケースバイケースですが、登録型派遣で普通に3か月ごとに更新して働く人が、だいたい該当しそうな内容について書きます。(短期案件の場合がよくわからないので、それは置ておきます)

よく見るコードは、上で説明した自己都合4D以外では、たぶん2A、2C、2Dかと思います。

  • 2A 特定雇止めによる離職(雇用期間3年以上雇止め通知あり)
  • 2C 特定理由の契約期間満了による離職(雇用期間3年未満等更新明示なし)
  • 2D 契約期間満了による退職(2A、2B又は2Cに該当するものを除く。)

2Aは特定受給資格者。3年の期間制限ルールで満了となった人は、上記の「指示を拒否」になれなければ、これになるはずです。私の体験談はこちら→ 派遣会社からの離職票の離職区分は2Aでした

「同一派遣事業主の元で」とあるので、3年ルールに限らず3年以上同じ派遣会社を継続している人も2Aになると思います。

2Cは特定理由離職者。更新を希望していた場合は、上記の「指示を拒否」になれなければ、これになるはずです。

2Cにならなかった人は、2D。更新を希望していなかった場合かと思います。優遇措置の対象ではないけれど、3ヶ月の給付制限はありません。

2Cでも2Dでも、3ヶ月の給付制限はありません。(待機期間7日は誰でもあります)2つの違いは、特定理由離職者になって優遇措置が受けられるかどうかです。

言葉がややこしい問題

ひっかけ問題じゃないかと思うぐらい、言葉がややこしいです。

「契約期間満了」という言葉

ややこしいのは、給付制限3か月がない=会社都合と一般的に呼んでしまっている点。派遣の場合は「契約期間満了による退職」(2D)という離職理由があることです。

「契約期間満了による退職」(2D)になった場合は、給付制限はありませんが、別に会社都合ではありません。単に契約が終わっただけです。

そして、さらにややこしいのは、普通に考えると「契約期間満了」というと、契約途中で嫌になって辞めた人以外は全員そうなのですが、離職票の離職理由という観点ではイコールではないことです。

契約最後まで働いても、自己都合になってしまうケースが存在します。それが先ほどの4Dです。この言葉の問題がややこしくて、「契約期間満了なら給付制限なし」だと当初、私は勘違いしていました。

派遣契約更新を希望とは何か?

3年未満なら「更新の希望あり・なし」が2Cと2Dの分岐点になります。でも、この「更新の希望」という言葉の意味もややこしく、一筋縄ではいきません。

契約の更新の希望あり、希望なし、という話になった場合、その「契約」というのが何をさすのかが曖昧です。

普通に登録型の派遣社員として働いていると、働いている場所は派遣先(通勤する職場)であって派遣会社ではありません。感覚的には、派遣先におつとめしている感じなのですが、労働契約上の契約相手は派遣会社です。

「雇用保険に関する業務取扱要領」の中には、「労働者が契約の更新を希望(契約更新・延長、新たな派遣先での派遣就業等を希望。)」という言い回しがあります。

これをそのまま素直にとらえれば、「今の派遣先は嫌だけれど、新しい派遣先に変えて働き続けたい」という場合も、「更新の希望あり」になる気がします。

「今の派遣先で働くという、その契約」をさしているのであれば、もうこの派遣先はイヤだと自分から更新しないと決めた場合は、「更新の希望なし」になるべきかと感覚的には思います。

でも、実際は、「今の派遣先はイヤなので更新しないが、今の派遣会社で次の派遣先を探して働きたい」という場合で、仕事が決まらないと、「更新の希望あり」になる気がします。

なぜなら、昔の派遣会社でそういう経験が1回あって、離職票の離職理由コードが2cになっていたからです。その時は、別の派遣会社で次の仕事が決まったので失業しなかったのですが、離職票はもらいました。

だからそうかな、と感覚的には思っているのですが、明確にはわかりません。人によってとらえ方が違う言葉だと思っています。

派遣会社への返答内容との関係性

契約終了日近くになると、派遣会社から、更新の希望の有無や離職票の発行を希望するかなどの確認があります。書類やオンラインで回答する形です。派遣会社によって形式は違うと思います。

私の場合、書類やネット上で「更新の希望あり」と回答したら、離職票上の更新の希望もありでした。この確認方法というのも派遣会社によってさまざまで、離職票のコピーが送られてきて確認する会社もあるそうです。詳しくはこちら→ 派遣の終了日の2週間前の派遣会社からの確認事項

派遣会社への返答内容と、離職票の離職理由の細かい部分がどうリンクするのかが、いまいち明確にならずモヤモヤします。そのモヤモヤの原因の1つは、更新が何を指すのか?のあいまいさだと思います。

しかも、派遣終了時に確認される内容は、派遣会社によって言い回しが違います。

「現在の契約の更新または延長を希望」ということを確認する派遣会社もあれば、「〇〇(派遣会社名)で引き続き派遣就業を希望」を確認する派遣会社もあります。

これに関係してきそうな離職票の項目は2つあります。

1つは、上記の「労働者が、新たに開始される派遣就業の指示を拒否したことによる場合」に該当するのか。(これによって自己都合扱いになるかが決まる。給付制限に関わる部分)

もう1つは、「労働者から契約の更新又は延長を希望する旨の申出があった/を希望しない旨の申出があった/の希望に関する申出はなかった」の3択部分。(特定雇止めや特定理由離職者なのかの要件の1つ。給付日数などの優遇措置に関わる部分)

この辺り、自分の経験では、更新を希望していて「現在の契約の更新または延長を希望」、引き続き就業を希望していて「〇〇(派遣会社名)で引き続き派遣就業を希望」としか答えたことがありません。

モヤモヤします。

離職理由判別方法

「雇用保険に関する業務取扱要領」がおすすめ

上記で引用しましたが、厚生労働省のホームページに、「雇用保険に関する業務取扱要領」(令和2年8月1日以降)が載っています→ 厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」

その、3ファイル目の「適用関係」第6~第10のPDFの66~70ページ(要領全体の150~154ページ)に、離職理由の判定方法が細かく書かれています。派遣の内容は、主に69~70ページ(153~154ページ)のほうにあります。

自分がどの離職コードに当たるのか判断する目安になるかと思います。

間違ったネット情報も多い

ネット検索をしていると、失業保険の情報はたくさん出てきますが、間違った情報も多いです。時代によって制度が変わるので、古い情報がそのまま載っていたりする場合もあります。

なので、失業給付情報をネット検索する際には、「site:go.jp」を検索ワードに追加して公式ページを見るようにしています。

しかしながら、そういうサイトはたいがい、長々とした条文は出てきますが、なかなかスパッとした答えは出てきません。出てこないからみんな悩むわけです。

ブログに不確かなことは書きたくないのですが、わかりきったことしか書かないと誰の参考にもならないので、自分自身が実際に体験したことと、ブログを読んだ方にご連絡いただいて、少しずつわかったことを書いています。

自分が給付制限対象になるかどうか知りたい場合は、ハローワークや派遣会社に電話で聞いてみるのが一番手っ取りばやいのではないかと思います。

2020年の補足

なお、自己都合でも給付制限が3ヶ月ではなく1ヶ月の場合があります。例えば東京都23区の場合、墨田区、大田区、世田谷区、豊島区、北区、板橋区、練馬区は、去年の台風19号の災害救助法の指定地域なので2020年10月10日まで1ヶ月です。詳しくはこちら→ 給付制限が1ヶ月に短縮される場合


派遣社員の失業保険について、伝えたいことを書いておこうと思って、ブログ内の記事を再編成しています。

記載におかしな点がありましたら、お問い合わせフォームからご連絡いただけると助かります。

※登録型派遣の契約期間満了の話になります。無期転換ルールで無期雇用に移った人など、契約期間が決まっていない無期雇用派遣(常用型派遣)は別物です。