失業保険の職業訓練を受けた体験談

公共職業訓練

失業保険をもらいながら職業訓練を受けたことが過去2回あります。2回目は、退職日翌日から職業訓練校に通いました。その経験について書きたいと思います。東京の話です。

雇用保険の職業訓練とは

公共職業訓練は、失業者(主に雇用保険の受給資格者)が、就職するために必要な知識や技術を身につけるために通う学校です。教科書・テキスト代はかかりますが、受講料は無料です。

訓練を受けている間は、給付制限が解除されます。また、所定給付日数をすぎても、職業訓練中は失業保険が延長で支給されます。基本手当以外に、通所手当(交通費)や受講手当(日当のようなもの)も支給されます。

面接や筆記試験、書類審査などの選考があって、訓練によって選考方法は違います。

教育訓練給付(働いている人が学校に通った費用の一部を補助してもらうもの)とは別物です。

職業訓練を受けるための要件

受講開始日に離職していて、ハローワークに求職申込をしていて、ハローワークの受講指示などがもらえて、一定期間内に公共職業訓練などを受講していない、というのが訓練校に応募する要件です。

必ずしも雇用保険の受給資格者である必要はありません。わたしが通っていた職業訓練でも、クラスの何人かは職業訓練中も失業給付を受けずに通っていました。

職業訓練の受講指示というのも、別に特別なものではありませんでした。受けてみたい職業訓練があって相談したら、普通にもらえました。

職業訓練を受ける方法

※東京の場合について書いています。

まずTOKYOはたらくネットを見る

ハローワークに行っても、重要なパンフレットは表に置いてない場合が多いです。なので、TOKYOはたらくネットの求職者向け職業訓練のページで情報を入手します。

都立職業能力開発センター(入校案内のPDFがあります)→ 都立職業能力開発センター | TOKYOはたらくネット

民間教育機関での職業訓練→ 訓練実施予定 | 民間教育機関での職業訓練 | TOKYOはたらくネット

施設内訓練(都立職業能力開発センター)と、民間委託があります。施設内のほうは、訓練期間6ヶ月が多いです。民間委託型のほうが訓練の期間が3ヶ月からあるし、入校日も多いし、選考も書類選考だけのものが多くて、受けやすいです。過去の倍率も上記のページでわかります。

次に訓練開始日の残日数を数える

失業保険の所定給付日数の残日数を意識します。訓練開始日時点で、一定の残日数が残っていないと受講指示がもらえない可能性があります。

さきほどのリンク先(民間委託型のほう)には、職業訓練の入校案内PDFがいろいろ載っていて、どれでもよいのですが、その最後のほうに、受講申込書があります。その受講申込書の下側に、公共職業安定所記入欄があり、雇用保険Aの欄に目安となる日数が書かれています。

なので、その日数が残っている時点で開始される訓練コースを探します。

もし、早い段階から考えるのであれば、逆算も不可能ではないです。

例えば、受けたい職業訓練の開始日から逆算して、離職票をハローワークに出す日を遅らせることはできます。例えば、派遣の更新のタイミングで、次の契約期間を3ヶ月更新から2ヶ月更新にしてもらう、という契約満了日の調整は可能です。

労働をして認定される日数を減らすことで残日数調整するという方法もあるようですが、私はやったことはありません。

落ちる可能性もあるので、どこまでやるかはその人次第ですが、どうしても受けたい訓練があったらやってみてもいいかと思います。

そしてハローワークの職業訓練窓口に相談する

次に、管轄のハロワに行き、公共職業訓練の窓口(ハロートレーニング窓口)に相談をします。別に雇用保険の受給資格がなくても、離職する前でも、相談はできます。

受給資格がある場合は、訓練相談も失業認定の際の求職活動1回にカウントされます。(地域によって違う可能性がありますが、わたしの場合は東京都内のハローワークでカウントされました。)

漠然と訓練がしたいと言っても話が進まないので、受けたいと思っている講座を伝えて相談します。残日数が大丈夫かも、聞けば数えてくれます。

今まで、「この講座を受けたい」と言って断られたことがなかったので、どのような場合に断られるのかはわかりません。若年層向け、女性向けなど、訓練によって対象が決まっているものはあります。

求職の申込みをしていれば、雇用保険の受給資格がなくても職業訓練は受けられます。

相談したら、施設見学(見学日はパンフレットに書いてあります)をして、募集期間内に書類を書いてハローワークの窓口に直接提出します。応募期間は決まっていて、期限は絶対です。

応募方法は、さきほどのリンク先のPDFパンフレットに詳しく書いてあります。

離職日翌日から職業訓練を受けた経験

2012年に、正社員で自己都合退職で辞めた時の話です。

自己都合でやめてしまうと、失業手当をもらうために3ヶ月の給付制限が入ります。それをなくすには、早い段階で職業訓練を受ければいいんだ、と思いつきました。

※追記:2020年10月1日以降の離職から、通常の自己都合の給付制限は、3ヶ月から2ヶ月に短縮されています(5年間のうち2回まで)

さっそく情報収集して、受けたい3ヶ月の職業訓練を見つけました。それは退職日の翌日から開始されるものでした。

職業訓練の応募期間は、受講開始日より2ヶ月くらい前だったので、退職する前に応募する必要がありました。

そんなことできるのかな?と思って、ハローワークの公共職業訓練の窓口に相談してみたところ、大丈夫でした。選考に面接もありましたが、応募して受かりました。

辞めた会社にお願いして退職の証明書類を発行してもらい、職安に提出しました。待機(7日間)はありましたが、給付制限(3ヶ月)はなくなりました。離職票は発行されてから後日提出しました。

細かいことは忘れてしまったのですが、そういうこともあるとお伝えしたくて書いてみました。

別に退職日翌日という無理をしなくても、早い段階で通い始めれば、自己都合退職で給付制限があった場合も、その給付制限が解除されて失業手当がもらえるようになります。

はじめて職業訓練を受けてみた経験

新卒で正社員で入った会社を辞めたとき、職業訓練でWEBデザインを学びました。あの頃は20代、大昔の話です。

民間委託ではなく、公的な施設内で行う訓練のほうでした。

その頃、ウェブデザインは人気があって、選考倍率が高かったです。選考は筆記試験と面接でした。筆記試験の内容は、漢字と数学です。(さきほどの都立職業能力開発センターのリンク先にある、入校案内のPDFの中に過去問題があります)

中学校レベルの漢字と数学の復習をして、面接ではしっかりやる気をみせました。WEBデザインと漢字や数学って何の関連性もないな、と思いながら必死で漢字練習したことを覚えています。

6ヶ月間、週5日、朝から夕方まで通いました。掃除当番や日直、テストまであって、まさしく学校でした。

ウェブデザインの専門的な授業のほかに、原価計算など関係性の薄い授業もありました。その時は不要と思ったけれど、今思えば悪くない内容でした。内容のレベルは、先生のやる気やレベルによってまちまち。個性的でおもしろい先生もいました。

学びたい内容も同じ、失業している身の上も同じ、という失業仲間ができて心強かったです。まだ20代だったこともあり、放課後にテニスをしたり、学生気分でした。

昔の話です。今は内容も違っているかもしれません。WEBデザイナーにはなりませんでしたが、その後の会社勤めで役立つことをたくさん教わりました。失業期間が長くても、その間に勉強していると、面接で言い訳がしやすいという有利な点もありました。

そこで習ったイラストレーターやフォトショップの基本操作が、このブログ書きにも役立っています。

職業訓練2回目

2回目の職業訓練は、委託型のもの。その頃は英語に興味があって(今は挫折してますが)、国際系の職業訓練でした。英会話そのものの職業訓練はなかったのですが、ちょっとかすっているタイプの講座があったんです。

これは週3回程度通うもので、それが体力的にちょうどよかったです。

私自身は30代後半で、まわりの人も同じくらいか年上の方が多かったです。自分の住む世界が狭かったからか、今まで出会ったことのないタイプの人がいて、影響を受けました。

職業訓練校に通っている間に、就職が決まって辞めていく人もいて、そんな時は取り残されたような気分になりました。

通所手当(交通費)は、有利なものを申請したのですが、最も経済的な経路に変更になりました。Googleの技術の進歩のせいじゃないかと思います。(通所手当といえば、去年職業訓練を受けた人が、自転車で申請して通所手当を支給されていました。ぎりぎり距離が2キロ以上あって、認められたのかと思います)

職業訓練時の失業保険の給付タイミング

職業訓練を受けている間は、通常の認定日とは異なるタイミングに変更になります。失業給付金を受け取る時期、支給日も変わります。

毎月1日から月末分を、とりまとめて翌月上旬に申請される形になるので、実際に銀行口座に振り込まれるのは翌月中旬~下旬になります。通常だと認定日から一週間(実際には4日後くらい)に振り込まれるので、それに比べると遅くなります。


職業訓練を2回受けてみて、社会人になってから学ぶことって結構いいものだと感じました。

団体行動や人づきあいが苦手なほうなので、学生時代の学校は好きではありませんでした。でも、大人になって、ゆるいつながりの利害関係のない人に囲まれて勉強するのは、いいものでした。

通常であればスクールに大金を払わないと習えない内容を無料で習えるので、ありがたいです。

なお、住んでいる都道府県以外の訓練も応募可能だそうです。ハロートレーニングコース情報検索というサイトで全国の職業訓練が検索できます。クラフト系では、大分県の竹工芸が気になります。アロマやネイルの訓練があったり、幅広いです。農業も面白そうだと思ったら、求職者支援コース(雇用保険を受給できない求職者向け)のほうでした。

普通の職業訓練とは別に「求職者支援訓練」というものもあります。雇用保険を受けられない人向けに、同じように無料で受講できて、条件を満たせば訓練中は月々10万円の支給が受けられます。雇用保険をもらっている人でも求職者支援の訓練自体は受けることができます。

失業生活の選択肢の1つとして、オススメです。参考になれば幸いです。

※2024年1月追記:派遣社員を辞めてから5年経過。派遣社員の失業保険の内容は更新していません。参考になる箇所もあると思うので残していますが、古い情報もあると思いますのでご留意ください。「ここが違うよ!」などお気づきの点があれば、注釈を入れますのでお問い合わせフォームから、お気軽にお知らせください。