コロナ後の派遣の失業保険(体験談)

2020年4~6月までコロナの影響で休業手当をもらいながら自宅待機していた派遣社員のマハロさん。7月からの契約内容が変わり、条件が折り合わず更新できなかったそうです。

マハロさんの失業保険の体験話と、それに関連した情報をご紹介します。

結論から言うと、離職票の離職理由は2C(特定理由離職者)で、新型コロナ影響離職者の扱いにもなったそうです。

離職理由は2Cか?

お問い合わせの内容(抜粋)

6月末で契約満了で離職したものです。派遣会社はリクルートスタッフィングです。

4月~6月まで今回のコロナ影響で自宅待機←休業手当のみ。

5月末に言われた7月以降の更新内容:フル勤務(週5)からフル勤務ではなく様子を見て週3勤務になる

この内容に更新せず離職。実質的な派遣切りで更新しなかったのですが雇用内容が変わったことによる派遣切りの場合2Cにはならないですか?

離職理由について

派遣社員の離職理由を決める要因はいくつかあって、ややこしいです。詳細はこちら→ 派遣契約満了なら失業保険はすぐもらえるのか

その内容をふまえた上で、2Cと2Dの分岐点は、更新の希望の有無です。

契約が終わる少し前にある、「現在の契約の更新または延長を希望していましたか?」という質問にどう回答したかを確認したところ、「はい」と回答したとのこと。(今まで通りの契約内容で更新を希望していたから)

この質問に「はい」と回答すると2Cになると思われます。

お仕事の紹介を拒否すると4D(自己都合)になることも考えられるのですが、マハロさんの場合は、他の案件にwebエントリーをして結果ダメだったり、選考に進んだものの内容があわずに断ったこともあったそうです。このあたりは、派遣会社によって判断が分かれるんじゃないかと思っています。

届いた離職票の結果

結果、退職から1ヶ月も経ってから離職票が届いたそう。届いた離職票の離職コードは2Cで、「コロナ関係」の記載もあったとのことです。

離職票の遅れと仮手続き

6月末退職。派遣会社から離職票が届くのは7月末になると言われたため、ハローワークに電話相談してから、離職票がない状態で、ハローワークで仮登録をしたそうです。

離職票が届かない時は、離職票なしで仮手続きすることができます。厚生労働省の「雇用保険に関する業務取扱要領」の該当箇所を引用します。

50202(2)受給資格の仮決定
イ 基本手当の支給を受けるために初めて安定所に出頭した者がやむを得ない理由(例えば離職票の交付遅延)により求職の申込みの際離職票を提出することができない場合には、安定所はその者の求職票、その者の申出等により受給資格の有無を判断し、一応受給資格があるものと認定できるときは、仮に受給資格の決定を行う。この場合、後日離職票の提出をまって正規に受給資格を決定するまでの間は、失業の認定のみを行い、基本手当は支給しない。

なお、受給資格の決定があったときは、その効力は、仮決定の日に遡及する。(後略)

引用元:厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」(令和2年11月2日以降)一般被保険者の求職者給付

交付遅延の目安日数は「離職日の翌々日から10日」です。厚生労働省の雇用保険制度のQ&Aを引用します。

会社で雇用する労働者が退職した場合は、離職日の翌々日から10日以内に会社が雇用保険被保険者資格喪失届をハローワークに提出し、ハローワークが離職票を発行し、会社経由で本人に交付します。

このため、離職票の交付を希望する旨会社に伝えているにもかかわらず、離職された日の翌々日から10日を経過しても、離職票がお手元に届かない場合は、会社に処理状況を確認してください。

会社が手続をしない場合や督促しても届かない場合は、身元確認書類及び退職したことがわかる書類(退職証明書等)を持参の上、住居所を管轄するハローワークへ早めにご相談ください。

厚生労働省 雇用保険制度 Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)

実際に離職票が届いたのは、退職日から1ヶ月経ってからだったそう。なので、届いてから手続きした場合に比べて、半月ぐらい早めに支給が開始されるということですよね。

※追記:仮手続きの場合、離職票がない状態なので、通常の手続きよりは離職理由について詳しく確認されることもあるようです。

新型コロナ影響離職者

離職票の具体的事情記入欄(事業者用)に「コロナ関係」との記載があったそうです。

コロナの影響により離職を余儀なくされた特定受給資格者、特定理由離職者の場合、積極的に求職活動を行っていると、給付日数が60日延長されるという特例があります。2Cの場合は特定理由離職者なので該当します。

マハロさんがハロワの方に確認したところ、最高で60日延長はできるが最初から所定給付日数が60日足されるものではないそうです。

特例についての詳細は労働局の資料をご確認ください。「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応した給付日数の延長に関する特例」で検索すれば見られると思います。離職日によって対象条件が違います。

資料を見ただけでは、どういった場合に新型コロナ影響離職者に該当するのかがわからなかったのですが、とりあえずマハロさんのような方は該当するということがわかりました。

※新型コロナウイルス感染症に伴う給付制限の特例(自己都合でも給付制限がなくなる話)とはまた別の話です。

休業手当期間の賃金計算

離職票の過去の給与欄に、コロナ休業手当期間何日いくらと記入があったそうで、それを計算から抜いて、普通に貰ってる日数での計算になるようです。

※雇用保険に関する業務取扱要領の、一般被保険者の求職者給付の第5~第8のPDFファイル内「50611(11)賃金日額の算定が困難な場合又は賃金日額とすることが適当でないと認められる場合」に詳細と計算式が書かれていたのですが、難しくてよくわかりませんでした。興味がある方は、そちらをご確認ください。

説明会開催無し

コロナの影響で講座や説明会等は一切なし、だったそうです。

通常であれば、初めてハローワークで手続した後、認定日までの間に「就職準備講習会」と「雇用保険説明会」があって、その「就職準備講習会」が求職活動1回とカウントされていたのですが、それが今は無い状態かと思います。

求職活動なしでの失業認定

でも、新型コロナウイルス感染対策により、失業認定手続きも変更になっています。東京都の場合は、郵送での受付や、2020年3月10日から2020年9月30日までの期間が認定期間に1日以上含まれる場合、「新型コロナウイルスの感染防止のため求職活動が行えなかった」で求職活動実績を満たさなくても給付するなどの特例措置があります。

詳しくは、「失業認定日の特例措置」で検索すれば、公式資料が見られると思います。(東京都以外のことは私はよくわかりません)

※追記:10月以降の特例措置は限定的(高齢者、基礎疾患あり、妊娠中の方)になります。該当しない方は従来通り、求職活動をして認定日にハローワークに行く必要があります。詳しくは、東京都労働局の公式サイトに載っています。


同じような状況の方の参考になるかなと思って、マハロさんの体験談と、それに関連する情報について書いてみました。

自分の失業保険がどうなのか知りたい場合は、派遣会社や管轄ハローワークにお問い合わせください。ブログには実態に近い情報を載せたいと思っているので、「自分の場合は違っていた」ということがあれば、お問い合わせフォームからご連絡いただけると助かります。

※2024年1月追記:派遣社員を辞めてから5年経過。派遣社員の失業保険の内容は更新していません。参考になる箇所もあると思うので残していますが、古い情報もあると思いますのでご留意ください。「ここが違うよ!」などお気づきの点があれば、注釈を入れますのでお問い合わせフォームから、お気軽にお知らせください。