給付制限が1ヶ月に短縮される場合

自己都合で退職した場合は、失業保険はすぐにもらえず、3ヶ月の給付制限の後に支給されるのが普通ですが、最近は、その「3ヶ月」が「1ヶ月」に短縮される人がいます。

前々から「給付制限が2ヶ月に短縮されるらしい」という話(労働政策審議会での雇用保険部会報告)があったので、ついにその時代が来たのかと思ったら、そうではなく、2019年10月にあった台風19号の影響でした。

令和元年台風第19号に伴う雇用保険の基本手当の特例措置によって、3ヶ月が1ヶ月に短縮される人がいます。

台風被害にあった人だけでなく、台風時に、災害救助法の指定地域に居住していた人が対象。その指定地域というのが市区町村単位で広範囲に及ぶので、自分は関係ないと感じた人でも、対象になっている場合があります。

被害にあわなかった人からすると、「給付制限3ヶ月だと思って手続きしたら1ヶ月だった」という不思議な感じになっています。

給付制限が1ヶ月になる理由

災害時における雇用保険の特例措置によって、対象となる方の給付制限が1ヶ月に短縮されています。

厚生労働省のリーフレットを抜粋引用します。

【激甚災害指定に伴う雇用保険求職者給付の給付制限の特例】

給付制限の対象の方(退職理由が自己都合など)は、令和元年台風第19号の激甚災害指定に伴い、給付開始時期が早まります。激甚災害発生日時点で、以下に該当する方(※1)は、給付制限期間が短縮(3か月⇒1か月)される特例措置がありますので、できる限り早くハローワークに来所してください。

1 災害救助法の指定地域に居住していた(※2)方

2 災害救助法以外の激甚災害法の指定地域に居住している方であって、かつ、地方公共団体が発行する被災に関する証明書(罹災証明書、被災証明書等)により被災を証明できる方

引用元:厚生労働省 災害時における雇用保険の特例措置等について LL011101保01給付制限リーフレット

上記の1を見てわかる通り、「被災した」ことが条件ではなく、「指定地域に居住していた」ことが条件となっています。令和2年10月10日までに離職した人が対象です。

対象となる地域

その災害救助法の指定地域がどこなのかというと、かなり広範囲にわたっています。

東京都の場合の具体的な適用地域は、下記の通り。内閣府の防災情報のサイトのPDFファイルから抜粋引用します。

災害救助法適用市町村【東京都】

墨田区 大田区 世田谷区 豊島区 北区 板橋区 練馬区 八王子市 立川市 青梅市 府中市 昭島市 調布市 町田市 小金井市 日野市 福生市 狛江市 東大和市 武蔵村山市 多摩市 稲城市 羽村市 あきる野市 西多摩郡瑞穂町 西多摩郡日の出町 西多摩郡檜原村 西多摩郡奥多摩町

引用元:内閣府災害救助法の適用状況 令和元年台風第19号に伴う災害にかかる災害救助法の適用について【第13報】(訂正報)

東京以外の都道府県については、上記の引用元のリンクから内閣府のページを確認ください。

東京の状況を見ると、なんとなく実際の被害というよりは、大雨特別警報が出された地域っぽい感じがします。

適用判断の資料を読んでみると、被害を基準にした適用以外に、「生命・身体への危害(おそれを含む)」を判断基準にして適用している地域が多いです。災害後は何よりも迅速な対応が求められるので、被害が不明確でも適用して救済ができるような仕組みになっているようです。

最近はコロナのことで頭がいっぱいでしたが、直近でこのような大きな災害もあったということを思い出しました。

給付制限1ヶ月の体験談の確認方法

ネット検索ではあまり個人の体験談が出ていないのでツイッターを見るといいのではないかと思います。私はツイッターをしていないので、もっぱら、Yahoo!のリアルタイム検索で検索しています。

ツイートを見ると「自分の住んでいるところが対象だったとは知らなかった」という人が多い気がします。たしかに実際の被害があまりなかった場所も含まれている気がします。

この現象について思ったこと

お国の決まりごとって、「え?そうなの?」と思うことが時々あって、不思議です。

例えば、「この区が対象なのにこの区は対象じゃないんだ」と思ったりします。

利用する側から見ると不思議だけれど、枠組みを考えると、納得と言えば納得です。確かに大勢の人を相手にして手続きをするなら明確なルールが必要で、どこかで線引きをしなくてはならないし、本当に困っている人が救済されるべき。

なんだか複雑すぎてわからない時もあるけど、いろいろ考えられてルールが作られているのだなと思います。

私は失業保険の給付制限の仕組みに興味があって、最近1ヶ月短縮のことを知ったので書いてみました。詳細は最寄のハローワークに確認してください。ブログの記載におかしな点があれば修正したいので、何か気になる点、お気づきの点などありましたら、お問い合わせフォームからご連絡いただけると助かります。