晒しを自分で染めてみる(草木染め)

草木染め晒

手軽に染められる布は何かというと、サラシ。

晒しはマスク需要で価格が高騰したとはいえ、普通の生地よりは安いです。家で草木染めをしてみようという時に、手軽に染められます。

私はワークショップに向けて、木綿生地がどんな色に染まるのか、テストする時に晒しを染めています。

マスクを作ろうと思って買いすぎてしまった晒しが余っていたら、草木染めもぜひお試しください。

さらしを買う

通常、晒しは1反10m前後が1000~2000円くらいで売っています。スーパーや薬局でも売っています。今年はマスクの材料としての影響で違うかもしれませんが、普段は安くて手軽に入手できます。

晒の商品

それを90~100センチくらいにカットすれば手ぬぐいになります。刺し子の場合は、2つ折りにして正方形のフキン状にするなら、さらしの幅34~36センチの倍で70センチくらいです。

そのままの長さで何かに使う場合は、欲しい長さで横糸を1本抜いて、地の目にあわせてカットするのがおすすめです。私はめんどくさいので、だいたいの位置でカットすることが多いです。

さらしの規格と幅

晒しには規格があります。「岡」と「文」があって、岡が細めの糸で、文が太めの糸で織られています。それぞれ、さらに打ち込み本数の多い、特文、特岡もあります。

  • 文(ぶん) 約33~34cm幅。太めの糸(20番手)を使用。目の粗いざっくりとした通気性のよい生地。総理(そうり)ともいう。
  • 特文(とくぶん)約34~35cm幅。太めの糸(20番手)を使用。文より打ち込み本数が多く、しっかりしている。
  • 岡(おか) 約34~35cm幅。細めの糸(30番手)を使用。目の細かいなめらかな生地。
  • 特岡(とくおか)約35~36cm幅。細めの糸(30番手)を使用。岡より打ち込み本数が多く、密。

横幅がきっちりわかりません。メーカーごとに横幅は違うのかも。でも、33センチだったら文で、36センチくらいあったら特岡なんだと思います。上の写真の千代晒富士は「岡」で、染色前の横幅は35センチ強。

同じブランドでも、規格によって値段が違う感じ。わかりにくいです。

私自身の印象としては、岡の方が糸が細くてローンみたいな薄くてしっとりした感じ。文はざっくりして、オックスフォード生地みたいな感じ。

当初、手ぬぐい屋さんで「品質は幅で判断できる。幅が長い晒し=特岡は品質が高い」みたいなことを聞きました。だから、特岡>岡>文の順に品質が高い=いいものと思い込んでいたれど、ざっくりした文の方が厚みがあって自分好みです。特文はあまり見かけません。

岡規格のほうが糸が細く目が細かいので、肌触りがよく、手ぬぐいの図柄プリントもきれいに出やすいとか。絞り模様を入れるなら岡のほうがいいのかもしれません。

刺し子によく使われるのは、文規格が多いのかと思います。でも、人にもよるのかも。岡規格だと太い糸が入りにくいとか、あるのでしょうか?

さらしの染め方

さらしの染め方は簡単。通常の草木染めの手順と同じです→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹 

ワイルドストロベリーの葉っぱでサラシを染めた時の話はこちら→ ワイルドストロベリーの葉っぱ染め

詳しくは上記リンク先を見てください。ざっくりいうと、下記のような流れです。

植物を煮出す → 生地の前処理(濃染、湯通し)→ 染液につける → みょうばん媒染 → 染液につける → 日陰に干す

下の写真の、濃淡がある晒の濃い部分は、濃染剤を使っています。晒しは、白くなるように漂白されている生地なので、染まりにくいです。何らかの濃染処理をしたほうが良く染まります。(スダジイ、ヤシャブシはタンニンを含んでいて、濃染しなくても染まる染料なので濃染していません)

草木染め晒の染料名

※濃染処理についてはこちら→ 草木染めを濃く染める方法

草木染めで染めた色は、日光や洗濯には弱いです。染料にする植物や染め方にもよりますが、基本的には、よく洗濯するものには向いていません。

さらしを染める時の注意点

水量

薄くて長さがあるので、けっこうかさばります。手ぬぐい1枚分を染めるのに、染液の水量は2リットルはあったほうがいいです。

無理やり1リットルで染めた時は、バケツ容器を斜めにして、ムラにならないように晒しを動かし続けました。ちなみにこれは茜染めです。

バケツで浸し染め

※茜染めのやり方はこちら→ 茜染め(インドアカネ)

色むら

晒しの場合、無地で濃く染めると、色むらが目立ちやすいです。写真は、鉄媒染した晒し布です。ゴム手袋で布を持った時、指に媒染液や濃い染液が付着していると、手跡が付きます。

鉄媒染での色むら

畳みジワ、折り目に注意

晒しを四角く折りたたんでしまっておくと、折り目にそって退色、変色してしまうことがあります。特に光に当たるとよくないので、保管するときは暗い場所に保管します。染めた後の布だけでなく、染める前の白い晒しも気を付けたほうがいいです。

わたしは、反物みたいにくるくる巻いて収納しています。何枚か重ねているので、少ししわが寄ってしまうことがありますが、まっすぐ線になるよりはいいかと思います。

さらし染めについて思うこと

  • 手ぬぐい、マスクなど水場で使うサラシなら、藍染や柿渋染めなのかも
  • サンプルとして草木染めしたサラシをメルカリで販売したら売れた
  • 「晒し」と一言で言っても、いろんな種類がある(人によってはこだわりがある)
  • 大きめの巾着をサラシで作るのもいいかなと思いつつ、作っていない

おすすめの晒しブランドがあれば、ぜひ教えてください。

※以前、夏用の簡易部屋着を作ってみたのですが、ひと夏着てみた結果はいまいちでした。参考にした方がいましたら、ごめんなさい→ 晒(さらし)で部屋着を作る

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。