茜染め(インドアカネ)

インドアカネのチップを使って茜染めをしました。赤色に染まる草木染めの染料といえば、茜(あかね)です。
アカネには、日本茜、セイヨウアカネ、インドアカネなど種類があり、インドアカネは赤みが強い(黄みが少ない)といいます。インドアカネは赤いです。「やけに赤い」という意味が自分で染めてみて、よくわかりました。
茜染めは、何も考えずに染めても赤~ピンク系に染まり、植物染料である点がいいです。
目次
インドアカネ染めの赤色
赤~ピンク色
インドアカネのチップを使って2番液までとって、アルミ媒染で染めた布の色。シルク以外はすべて木綿サラシ。
上段:左から、シルク(小さい生地)、五倍子アルミ媒染下地、五倍子下地濃いめ、五倍子下地薄め。
下段:左から、濃染剤下地、緑茶下地、下地無し。

五倍子下地は2ヶ月前にしたもの。五倍子アルミ媒染下地と、五倍子下地濃いめはシルクと同じくらい赤く染まりました。濃染剤も2ヶ月前にしたものですが、やや濃くなる程度でした。
下地しなくても、木綿が結構ピンクに染まりました。
残液染め
残液で染まった色。最後に石灰水処理。左から、シルク、五倍子アルミ下地、ミロバラン下地、桜の枝下地。

薄いだけでなく、残液では黄みが強くなりました。桜の枝下地はかわいいピンクになりましたが、他は茶色っぽい雰囲気。
桜の枝下地が上手くできたかは不明なので、下地無しに近い状態かもしれません。桜染めがこんな色になったら嬉しいかも。
残液染めミロバラン下地
ミロバラン下地の濃さでの比較。左側ほど濃く、右側ほど薄い。濃いとくすんで茶色っぽい雰囲気になりました。

茜染めの晒し3枚
左側は残液染め(ミロバラン下地+石灰水媒染)でかわいいピンク、右2枚はミロバラン下地と濃染剤下地の晒しで赤色。

赤2つはほぼ同じ色ですが、ミロバラン下地はややローズっぽく、濃染剤下地はやや朱色っぽさがありました。
豆汁下地の綿糸
残液で染めた、豆汁下地をした綿糸。オレンジピンク。残液を使ったので、茜染めとしては薄めの色。

インドアカネ染めの作業
茜染液作り
インドアカネのチップは、染料店で買ったものを使いました。

インドアカネ20gを、水1リットル+お酢10㏄で沸騰後15分弱火で抽出しました。ガンガン煮ると色がくすむと聞いたので、弱火にして短時間にしました。

こし布でこしているところ。染液は赤茶色。

晒しを染める
染めたのは、濃染剤で濃染した晒しです。
アルミ先媒染にして、染液と媒染を3回繰り返しました。バケツでの浸し染めですが、染液が冷めたら温め直すようにしました。
晒し1枚を染めるのに、染液1リットルは少なかったかも。よく動かして染めました。

みょうばんで媒染すると、多少は色が液に流れる出る気もします。

だんだん色が入っていきます。
1回目の染液後の晒し。1回で結構色が入りました。

2回目の染液後。

3回目の染液後。これで終了しました。

同じように、ミロバラン下地をしたサラシも1枚染めました。
残液の利用
残り液を使って晒しや綿糸を染めました。これは綿糸を染めているところ。同じように、サラシ1枚も染めました。残液では、染まる色が黄色っぽいです。

煮て残った染料
2回煮出しましたが、まだ色が出ると思うので、紙に広げて乾燥。乾いたらビニール袋に入れて保存しました。

そうやって保存している中途半端な染料がたくさんあります。
染液を入れていたプラスチックバケツも赤色に染まって、普通に洗っても落ちません。どうすれば落ちるのかよくわかりません。
インドアカネで石灰水
石灰で赤みが強まると聞いたので、石灰水をしてみました。
シルク
左から、染色後に石灰水。染液最後に石灰水追加。そのまま。

石灰をすることで、濃くなったような、くすんだような。インドアカネ自体が赤く染まるので、やらなくてもいい気がしました。
ミロバラン下地の晒し
薄めにミロバラン下地をしたサラシを残液で染めました。石灰水の前は、黄色みが強いピンクベージュ。

石灰水に入れると、ローズピンクっぽい色に変化しました。

残液では黄みが強く染まったので、その場合は、石灰水でピンクっぽくなり、いい感じがしました。石灰のおかげか、アルカリだからなのかは不明。
いろいろ下地
上段がミロバラン下地(濃度の違い)。下段が桜の枝下地、シルク、五倍子アルミ下地。
残液で染まった布。石灰水をする前。

残液で染めた布。石灰水をした後。

赤みは増したものの、下地によっては、茶色っぽくくすんだ感じ。桜の枝下地はかわいいピンクになりました。
インド茜染めで思ったこと
- 藍染に茜染めを重ねて紫色にしてみたい。
- インドアカネと言えばインド更紗。更紗のことを調べていたら、更紗染めもやってみたくなった。
- アカネの種類によって色素も違って染め方も違うのかもしれない。そこがよくわからない。
- 毛糸を茜で染めると粉っぽくなってしまうという悩みをお寄せいただいたことがあって、まだ未解決。(原因を知っている人はぜひ教えてください)毛糸の靴下も染めてみたい。あたたかい色になりそう。
- 奥多摩御嶽神社にある国宝「赤糸威鎧(あかいとおどしのよろい)」は、日本茜で染めた糸が鮮やかな赤色で残り、補修した顔料は退色、というかっこいい逸話がある。
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