自分でジーンズ修理。ジーパンの穴の縫い方は?

穴を修理したジーンズ

ジーパンの穴の補修をしました。左の後ろポケットと右のお尻下、2箇所です。あと、別のジーパンのヒザも直しました。

どこまで自分で直せるのかチャレンジ。素人にしては、まあまあ上手にできたかなと思います。

できるだけ目立たず、自然な感じに直したい。接着芯で補強して、木綿糸で手縫い。やってみた方法について書きます。

ジーパンの穴の状態

以下2箇所に破れ(穴開き)がありました。それを修理します。

ポケットの破れ

左ポケットの下端が破れて穴が開きました。ポケットに四角いお財布を入れていて、その角が当たる部分です。

ジーンズ後ろポケットの破れ

お尻の下の破れ

後ろの部分。生地がすり減って、薄くなっています。穴が開いてしまいました。このままでは着れない状態です。

ジーンズの破れ

ちなみにこのジーンズは、量販店の安物。厚みもさほどなく、ポリ混で多少ストレッチがきいています。リペアに出すぐらいなら、買い直したほうが安いです。

ジーンズ修理:ポケット穴

ポケットの穴に接着芯

まず、穴の裏に接着芯を貼ってみることにしました。

家にあった、お洋服用の接着芯(普通の厚さ)です。塞ぎたい穴より多少大きめのサイズにカットしました。

接着芯のカット

服地用の接着芯は、不織布の接着芯よりも薄くてやわらかく、伸びやすい感じです。ポケットの内側にどう貼ればいいのか。接着芯の生地がやわらかく、そのままではポケットに入れるとぐしゃぐちゃしてしまいます。

厚紙を置いて、接着芯をまち針で留めることにしました。厚紙ごとポケットの内側に入れて、表からアイロンをかければいいと考えました。

接着芯を留めたダンボール

その前に、残っている横糸をまっすぐに並べます。かなり伸びているので、引っ張らないとまっすぐになりません。アイロンをかけて整えます。

横糸の整頓作業

厚紙をポケットに入れたら、穴から様子を見て、よさそうな位置に配置。

接着芯を整える作業

再度、横糸をできるだけ整えて、アイロンをかけて接着芯を留めました。アイロンは中温。

横糸の整頓

ポケットをひっくり返して裏から見ると、接着芯の貼り付いた箇所は、少しズレていました。ひっくり返して裏から接着芯を貼り付けたほうがよかったのか。

ポケット裏から見た接着芯ズレ

接着芯だけ貼り付けた状態。まあ、穴はだいたいふさがったので、使えなくはない状態です。

接着芯貼付け後のポケットの穴

補修布(100均で買えるようなもの)なら、しっかりしているので、この状態でも大丈夫かと思います。私の服地用接着芯では頼りないので、手縫いを追加することにしました。

手縫いで平織り補強

穴補修といえば、ダーニング。そう思って、残っている横糸はそのまま活用し、切れてしまった縦糸がわりに、木綿糸(少し太めの30番)を縦糸として通してみることにしました。

縫い針を使って織物をするイメージです。糸を互い違いに通します。

ポケット穴のダーニング作業

手縫いに接着芯が邪魔になったので、途中で接着芯は剥がしました。

最後まで縫ったところ。接着芯で留めたときより、しっかり穴がふさがりました。この状態にしてから、裏から接着芯を貼ればよさそう。

修理後のポケットの穴

ただ、元のデニム生地は綾織(斜め線みたいに織られている)に対して、補修箇所は平織り(縦横が碁盤の目みたいに織られている)なので、生地の質が違う感じに。境目になる部分が弱くなりそうな感じがします。

あと、縫った部分が固くなりました。糸を通す時、穴を塞ごうと思いすぎて、ギュッと強くひっぱりすぎた気もします。

とはいえ、やり直す気はないので、ポケットの修理はこれで完了。

ジーンズ修理:お尻部分の破れ

接着芯(白)での補修

同じ接着芯を、お尻の破れ部分の後ろからアイロンで貼り付けてみました。

穴に接着芯をあてる

表からもアイロン。

接着芯を貼付けただけの状態。接着芯を貼ることで穴はふさがりました。

穴はふさがったものの、破れてしまうとまずい箇所なので、何かしら補強が必要と思って、こちらも手縫いすることにしました。

綾織り補強

ポケットの平織りが微妙だったので、こちらはデニムの生地の模様に、綾織りみたいに手縫いすることにしました。

ジーンズの布をじっくり観察。横糸は太めで真横。横糸数本を縦糸1本でまとめている感じ。(後から調べたところ、デニム地は横糸3本に対して縦糸1本でした)1目1段ずつズレて、斜め線のような織り目模様になっています。太い横糸に対して、縦糸は細めです。

デニム生地の近景

擦り切れてしまった部分(縦糸)を再現できれば補修になるはず、という考えです。縦糸が足りない部分だけをつなぐ感じ。

本当の織物は、縦方向に直線に進むのだと思いますが、やり方がわからないので、斜め方向に進むことにしました。

当初、ポケットの補修に使用した30番(太めの糸)を使ったのですが太すぎてだめでした。目立ちすぎます。(これは、3本と知らずに2本ずつ進んだ状態です)

太糸で補修した場合の縫い目

60番(普通の太さ)でいいと思うのですが、手元になかったので、80番(細めの糸)を使うことにしました。

横糸を見ながら、3目進んで2目戻る、返し縫いみたいに縫い進めました。下から上に縫ったら、そのまま隣の列に移動して上から下へ、という進め方です。

左側の2列を縫ったところ。縫い目がうねうねしています。これ以上きれいに縫うのは私には無理そうです。

綾織り補修の縫い目

上から下へ進む時。3本下から横糸を2本すくって針を通す。

1本ずつずらして、同じ作業を繰り返します。写真左側の白っぽく見えるのが、縫った部分です。

デニム地の綾織り補修

縫い終わって、光にかざしたところ。縫い目がガタガタですが綾織りっぽくなっています。でも、光が透過するのでそのままでは生地が薄いことが判明。

光にかざした補修箇所

接着芯(黒)で補強

白い接着芯だけでは透けるので、黒い接着芯を上から貼ることにしました。

補修部分よりもを大きめに切り取り、アイロンで貼り付け。角があると剥がれやすい気がするので、円型にしました。

黒い接着芯部分

再度光にかざしたところ。黒い接着芯を貼ったら透けなくなりました。

手縫いと接着芯補修後

手縫い&接着芯補修が完成。糸が白すぎた、というのが反省点です。

ミシン直線縫い修理、失敗

最後に補強しようと思って、さらに直線縫いミシンで縦にジグザグしたら失敗でした。

直線ジグザグでの補修失敗

ジーンズの布目は、綾織りで斜め模様。それとは別に、色の染まりの方向は、上下縦方向。かすれたような紺色は、まっすぐ上下に入っています。

その染まり方向にあわせて直線縫いを細かく上下すれば、目立たないのではないか?

そう思って実践したのですが、手縫い箇所が白すぎて、ミシンの縫い目が目立ちすぎました。写真の右端の2往復は、元々のジーパンの色が残っている箇所で、縫い目が目立ちません。全体がこのぐらいの色だったらよかったのかも。

縫う前にミシン糸を生地に当てて、どの色にするか検討はしたんです。シャッペスパン170番の薄い灰色が目立たなそうと判断したのですが、実際は違ったようです。多少濃いほうが目立たないといいますが、濃すぎたのか。

糸の色選び

また、直線と返し縫いを繰り返してミシンをかけたのですが、なんだかいびつです。どうすれば目立たない縫い目になるのか、コツがわかりません。

直線縫いミシンでの補強は断念。リッパーでほどいて、上記の手縫い&接着芯だけで修理終了にしました。

ジーンズ修理:ひざの破れ

適当なジグザグミシン

自分のジーパンのヒザ部分の穴の修理は、かなり適当でした。後ろから厚めのハギレ布を当てて、まち針で留め、横向きにジグザグミシンを往復させただけ。所要時間15分。

ジグザグミシン補修ジーンズ膝部分

なぜ横向きかというと、横糸が切れずに残っていてそれを当て布に縫い止めたからです。

プロの方の補修を見ると、直線縫いで縦方向に大きくギザギザさせているので、このやり方は間違いかと思います。でも、応急処置なら十分です。

ポイントは糸の色。灰色の糸を使っています。ジーパンの生地の色は白と紺色。どちらかの色を選ぶという手もありますが、色が混在する時は、灰色。目立ちにくいです。

この修理方法の問題点は、ジグザグと縫い固めすぎて、生地が硬い状態になっていること。穴の上下の位置に力がかかりやすく、着ているうちに上下の部分がほつれてきます。当て布が厚地なのもよくなかった様子。

接着芯とたたきミシン

そのまま履き続けるとさらに破れ箇所が拡大しそうなので、ほどいて修理し直すことにしました。

ジグザグミシンをほどいたところ。糸がボロボロです。膝部分なので、生地も真っ直ぐではなく、たわんでいます。

ほどいた膝部分の破れ

とりあえず、裏返して接着芯を貼ることにしました。穴より大きいサイズに、黒い接着芯を丸く切りました。

接着芯のカット

裏返して、裏から破れ部分を見たところ。

アイロンでできるだけほつれた糸を整えました。

アイロンで整頓

ヒザ部分の布は立体的にたわんでいますが、とりあえず穴の部分を平たい状態にして、接着芯をアイロンでくっつけます。

穴部分のアイロンがけ

本当は接着芯のアイロンがけは当て布をするべきですが、ズレそうなので無理。

穴部分固定できてから、湾曲した周囲部分を平たくして、アイロンがけ。アイロンジワにならないように、慎重にやりました。

周囲のアイロンがけ

接着芯の貼り付け完了。

表から見たところ。接着芯に触れている内側の糸は留まっていますが、表面の糸は着用したら飛び出てきそうな感じです。

ここまでほつれた糸を綾織り状態に手縫いするのは大変なので、ミシンのたたきに再挑戦。

直線縫いを「たたき」とプロの方は言うようです。確かに洋裁教室の先生もステッチのことを「たたく」と言っていました。業界用語っぽいです。

このジーパンは上のジーパンより色が濃い目。ほつれた横糸の色も灰色がかっていて、シャッペスパン170番の色の糸でも大丈夫な気がしました。

ヒザ部分の問題点は、縫いにくい箇所だということ。

ジーパンを表の状態で縫っているところ。表のまま縫っていたら、途中で後ろ側の布まで巻き込んで縫ってしまいました。失敗。

表のままジーパンを縫う

裏返してから、縫っているところ。裏返したほうが縫いやすいです。ウエスト部分から入り、たぐり寄せて、縫う位置を膝部分にします。

裏返してジーパンを縫う

イメージとしては、ジーパンが袋(ウエストが袋の開き口)だとしたら、袋を裏返して、内側(表)を縫う感じです。

ジグザグの折返しは、返し縫いボタンよりも、一度押え金を上げて向きを変えたほうが、方向がわかるので縫いやすかったです。

たたきミシンの折返し

縫い終わって、裏から見ると、迷走ぶりが丸わかりです。

裏から見たたたきミシン

修理完成。糸の色も目立たない感じ。ヒザを曲げて布を伸び縮みさせても大丈夫でした。もう少し細かくミシンをかけてもよさそう。

たたきミシン後

ほつれはじめた頃に、この形式で修理していれば、こんなに穴が広がらなかったのでは?と少し反省しました。

ジーンズを縫う時の針と糸

デニム用ミシン針

デニムをミシンで縫う時は、ジーンズ専用の16番を使っています。(番号が大きいほど太い針)薄手のものなら14番でも縫えそうだと思いましたが、念のため。

デニム・ジーンズ専用針

木綿糸

デニムは木綿だから木綿糸がいいらしいので、木綿糸を使いました。草木染めで染まるように、普段からお裁縫には木綿糸を使っています。

でも、手元にあった木綿糸が白すぎたので、ポリエステル糸だったとしても、生成色の糸を使えばよかったと後から思いました。

ほとんどミシン糸しか持っていないので、手縫いにもミシン糸を使いました。本当は手縫い用の糸を使ったほうがいいと思います。

家庭用ミシン

私が使っているミシンは、JUKIエクシードという家庭用ミシンです。

ジーンズと聞くと、生地に厚みがあるので家庭用ミシンで縫って大丈夫か?と一瞬考えますが、穴の補修の場合は、デニム生地を2枚を重ねて縫うわけではなく1枚なので、普通のミシンで縫えると思います。

ジーンズ修理で思ったこと

  • 飾りっぽい攻めの補修よりも、目立たない補修、かけはぎ、かけつぎに興味がある。
  • 多少縫い目が汚くても、ジーンズなら許されると思う。
  • 家にあるものだけで補修できて満足。でも、ダイソーで補修布を買ったほうが簡単な気もする。

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