白以外の布を草木染めで染める
既に化学染料で染まっている生地は、草木染めで染まるのか。実感としては、けっこう染まる気がします。
「既に染料が繊維に入っているので色が入らないこともある」と聞いたことがあるのですが、今まで染まらなかった経験がありません。地の色に重ねた色が染まります。
明るいピンク色の派手なポロシャツを草木染めをして、落ち着いたオレンジ色に変えました。少し茶味も入った雰囲気です。染料は、ベニカナメモチの緑の葉(生垣でよく見かける樹木)です。
染めた日:2020年7月20日
目次
染める前のポロシャツ
リサイクルショップで100円で男性用のポロシャツを買いました。中古品の割には傷みが少なくきれいですが、ピンクなので着る人を選びそう。
タグを見ると、ユニクロのもの。素材は、綿ポリです。本体部分は綿77%、ポリエステル23%。
同じタイプのポロシャツで、白いものは以前にも染めました。その話はこちら→ ポロシャツをドクダミで染める
ユニクロ製品は染まりやすい気がしていて、染めることを前提に購入しました。
コットンは染料によっては、下処理をしないと染まりません。今回は、濃染剤で濃染処理をしました。
※濃染剤の話はこちら→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて
中古品なので、染色前には漂白剤でシミ汚れを落とすべきかと思いますが、今回は省略しました。
染料のベニカナメモチ
ベニカナメモチの緑色の葉を染料として使うことにしました。1ヶ月前に剪定されたもので、バケツに水を入れ、枝ごと挿して保管していました。綺麗な緑色の葉っぱです。
今回は緑の葉っぱだけ使うことにしました。
※前に枝で染めた話はこちら→ ベニカナメモチの枝で布を染める
※前に赤い葉での染物に失敗した話はこちら→ ベニカナメモチの赤葉で染める(失敗)
ベニカナメモチの葉の染液作り
茶色くなった葉は捨てて、きれいな葉だけを使いました。(84g)手で適当にちぎってステンレスの寸胴鍋へ。しっかりした厚みのある葉なので、あまりちぎれてません。
ひたひたに水6リットルを入れて、フタをして強火。沸騰後、中火で20分煮出しました。写真は煮出し終わった所です。
染液は黄色っぽい色でした。
2番液もとりました。以前1回抽出して冷凍保存していた葉173gがあったので、1番液で使用した葉に追加して使用。水9リットルで煮出しました。冷凍庫清掃もかねて、在庫を全部使いました。
ベニカナメモチ染めの作業
6リットルでとった染液をこし布でこして、8リットルバケツに入れると、ポロシャツを染めるのにちょうどよい量でした。
染め始め。熱い状態の染液をバケツに入れて、ポロシャツを投入。ポロシャツのピンク色に染液の黄色が重なって、やわらかな色になっていく感じがします。
動かしながら浸すこと20分。だんだん液に赤みが出てきて、それも入っていく感じになりました。
水洗いしてから、みょうばんでアルミ媒染20分。媒染液がだんだん黄色っぽくなり、せっかく染めた色が液に出ていく感じがしました。
※アルミ媒染についてはこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方
水洗い後、再度染液で染色。液が泡立ちながら、赤みが入っていきました。くすんだ感じです。赤みがある色が上手く染まる時、泡立つ気がします。(気のせいかもしれませんが)
液の色が薄くなったので、染液を2番液に差し替え。あわせて20分染めました。だんだん液に赤みがでてきて、ポロシャツも茶色が入ったオレンジになりました。
染液の色を確認すると、染め始めよりも、赤みが入っていました。
染め終わり。よく水洗い。結構染まりました。
洗濯機で脱水して、裏返して(裏側を表にして)ベランダに干しました。
綿ポリに染まった色
濡れた状態です。表から見た色は、赤茶色っぽいオレンジ。
ポロシャツの裏面は、表面よりも白っぽさがあって、薄い色でした。化繊は草木染めでは染まらないので、裏側がポリエステルなのかも。
染めた後のポロシャツ
乾くと、ちょうどいい濃さの色になりました。オレンジの落ち着いた色のポロシャツに生まれ変わりました。
草木染めなので、着たり洗ったりするうちに色が落ちてくるとは思いますが、元の色がピンクだと、どんな風になりますかね?どう変化するのかも気になります。
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