植物染めでステンシルする方法

植物染めステンシルの椿の花

植物染めでステンシルをするやり方について書きます。いわゆる型染めです。

一度型紙を作れば増産可能。このワザで作ったステンシル年賀状は、なかなかうまくできました。草木染め年賀状の話はこちら→ 草木染めでオリジナル年賀状

本を読んだり、型染を少し習ったものの、かなり適当にアレンジした自己流のやり方です。特に顔料作りについては適当かも。(本当のやり方を知りたい方は教室に習いに行ってください)

牛乳パックから作った紙を染めています。官製はがきでも染まるのかは試していません。

染めた日:2019年12月28日

植物染めステンシルのポイント

「にじまない」ようにするのが最大のポイントです。

筆や刷毛に水分が多いとにじみやすいので注意します。

図柄は多少にじんでも味になりますが、文字はにじんでしまうと縁起がよくない感じになってしまうので、要注意です。

植物染めステンシルをする流れ

  1. 【顔料を作る場合】事前に染液・媒染液から顔料を作っておく
  2. 【煮出す場合】染液を煮出して、煮詰めて濃くする
  3. 図柄を考えて紙に書く
  4. 型紙を作る(洋型紙を彫る)
  5. 紙に色を刷り込む
  6. 乾かす

※顔料を作る方法と、染液を使う方法があります。顔料のほうが濃い色になりますが、作るのに時間がかかるため事前に作っておく必要があります。

※通常の草木染めではミョウバンなどで媒染をしますが、ここではしていません。顔料には媒染剤が入っています。

植物染めステンシルの材料、道具

  • 染める紙
  • 洋型紙(染料店に売っています。浅草にある藍熊染料の洋型紙を使用)
  • デザインカッター(普通のカッターでもなんとかなる)
  • カッターボード(メモリ付で便利。無ければ下敷きになるもの)
  • 型染用の刷り込みハケ(絵の具用の筆でもなんとかなる)
  • 好きな染料
    • 【煮出す場合】草木染めの原料となる植物:ミロバラン
    • 【顔料を作る場合】草木染めした残液1リットルと媒染液1リットル:スオウ、ブルーベリーの実
    • 藍棒(染料店に売っています。藍の青を使いたい場合は必要)
  • 【顔料を作る場合】消石灰(海苔に入っていた乾燥剤を使用)
  • 【顔料を作る場合】こし袋(コーヒーフィルター、お茶パックなど)
  • 【顔料を作る場合】pH試験紙

洋型紙

洋型紙は染料店に1000円前後で売っています。つるっとした茶色い紙(でも素材はプラスチック)で、サイズは54×90cmくらいで、A1サイズに近い大きさ。かなり大きいです。好きなサイズに切って使います。

型染め用の洋型紙

100均のステンシルシートやステンシル用カッティングシートで代用できるのかな?できそうな気もしますが、やってないのでわかりません。

デザインカッター

デザインカッターは、普通のカッターより細くて、小回りがききます。角の部分や小さい曲線が切りやすいです。400~1000円くらいで画材屋さんや染料店で売っています。刃先が折れやすいので、替え刃は付いていた方がいいです。

藍熊染料で購入したNTカッターD-400Pを使っています。角度の違う替え刃(30度と45度)が5枚ずつ入っています。

デザインカッター

普通のカッターでも、なんとかなると思います。

刷り込み刷毛

刷り込み用の刷毛が染料屋さんや画材屋さんで売っています。絵の具の筆でもなんとかなりました。ステンシルのスポンジでも大丈夫なのかは、やってないのでわかりません。

刷り込み刷毛

藍棒

藍棒という顔料の塊。藍染の藍の塊です。お習字みたいに水ですると青い色になります。

美藍棒

青色に染まる植物は少なく、青は藍からとります。青色が必要なければ不要です。

やったことはありませんが、粉末のインド藍でもいけると思います。

草木染め染液の作り方

好きな植物を濃い目に煮出して染液を作ります。

染料店で売っている植物染料のほうが濃い色になりやすいですが、身近な植物(例えば玉ねぎの皮とか)でも構いません。

今回はミロバランを使いました。黄色が染まる植物乾燥染料です。染料屋さんに売っています。

ミロバランチップ

使う量は少ないので、染料が浸かる程度の少なめの水で煮て色をとってから、さらに液を煮詰めます。

水500mlにミロバラン5g(2回ほど煮出した残り)を入れて、沸騰後20分煮ました。20分経ったら、こし布でこして、さらに煮詰めました。

ミロバランの抽出液

黄色になる予定が、なぜか緑色になりました。濃すぎたからか、沈殿していました。

この液を少量取って、藍棒をすって、混ぜて緑色を作りました。

藍棒をこする

草木染め残液から顔料の作り方

私が作った顔料が、上手く作れているのかは疑問なのですが、色素の塊みたいにはなったし、紙を染めることはできました。その程度のものと思って読んでください。草木染をした際の残り液を活用できるというのが素敵です。

残った染液を使う

2か月前に染めた染液の残りをペットボトルに入れて保存していました。蘇芳(スオウ)です。液を捨てるべきか悩んで、もったいないので顔料づくりにチャレンジすることにしました。

スオウの残液

蘇芳は染料店に売っている、赤紫色に染まる植物染料です。

石灰水を作る

水100mlに消石灰(水酸化カルシウム)を小さじ1をまぜて溶かし、石灰水を作ります。アルカリなので素手でさわらないように注意します。

石灰には、海苔の袋に入っていた乾燥剤を使いました。乾燥剤は生石灰(酸化カルシウム)が原料で、使ううちに水分を吸って消石灰になります。袋が膨らんでいるやつです。新しい生石灰だと水分で発熱します。

石灰乾燥剤

白濁して溶け切らなかったので、上澄みを使いました。

媒染液を混ぜる

染液にみょうばん媒染液(草木染めした残り)を同量(1リットルずつ)入れて混ぜます。

※みょうばん液の作り方はこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方

石灰水を少し入れる

まぜた液に石灰水を沈殿が生じるまで少しずつ入れます。

蘇芳でやった際は上手く沈殿しなかったので、目安は中性ペーハー7ということだったので、とりあえずpH7になるまで入れました。

そのままペットボトルに入れて一晩放置しました。

顔料をこす

目が細かいものでこします。お茶パックを使用しました。

こす

蘇芳の顔料作り茶こしでこす

上澄みはすぐにこせるのですが、沈殿部分は目が詰まって水が切れませんでした。お茶パックごとガラス瓶に入れて保管しました。

蘇芳の顔料

ブルーベリーの場合

ブルーベリーの実の染液(染めた残り)は、ミョウバン液と石灰水までいれて、なかなか中和できなかったので、pH5で1ヶ月以上放置。使う日に沈殿物をこしました。これが顔料なのかは、疑問が残ります。

ブルーベリーの実の顔料作り

ブルーベリー顔料

ビワの場合

ビワの染液でやった時は沈殿しました。

沈殿しはじめたところ

沈殿すると、クッキリ上澄みと沈殿物に分かれます。ペットボトルに一晩保管して、底にたまったところです。

沈殿した顔料

失敗例

一度失敗しました。なぜか色素が沈殿しなくて、石灰が沈殿して失敗。石灰水が溶け切ってないものを混ぜたためかもしれません。

石灰の沈殿

植物顔料絵の具作りの参考書籍

「草木染の絵本」という児童書に、染液の残りと媒染液の残りから草木染絵具(顔料)を作る方法が載っていました。

  • 草木染の絵本 (つくってあそぼう)(編集:山崎和樹、イラスト:川上和生)

なお、下記の本にもコチニールなどのレーキ顔料の作り方が載っています。手元に本が無いので、どんな作り方だったか覚えてませんが、本格的な作り方かと思います。

  • 自然の色を染める 家庭でできる植物染(監修:吉岡幸雄、福田伝士)

顔料作りについては、もう少し勉強してから改めて書きたいと思います。

型紙の作り方

下絵を描く

コピー用紙などに下絵を描きます。紙は何でもよいですが、カットする際に切りやすいので、薄めの紙のほうがいいです。

私は画用紙に下絵を描いたので、やや切りにくかったです。

年賀状の下絵

洋型紙に下絵をとめる

洋型紙を適当なサイズに切ります。そこに、下絵の必要な部分をはさみで切って、セロハンテープ(メンディングテープ)で型紙にとめます。(洋型紙は紙ではなくてプラスチックみたいな感じなので、セロテープで留めてもはがせます)

型紙に下絵をとめる

染める紙に型紙をどう置くか考えながら、型紙のサイズや配置を考えます。例えば、上の画像の「HAPPY NEW YEAR 2020」の場合は、型紙をハガキと同じサイズにして、ハガキの上にそのまま置けばいい形にしました。

絵を切る(彫る)

カッターで色をつける部分を切り取ります。

例えばゼロを描きたい時、輪の全てを切ってしまうと、内側の丸は型紙から離れてしまい、単なる丸になります。だから、部分的につなぎを入れるようにします。

ゼロのカット部分

つなぎをいれずに型紙を作る方法もありますが、今回はそこまでやりません。AやPという文字も、完全に丸抜きしないように注意します。(抜けてしまったら、それはそれでかわいいです)

四隅の絵は、ハガキの側面と合わせる目印線を鉛筆(水性ペン以外のもの)で書きます。南天の葉と実は色を分けるので、型紙も2つに分けます。実の部分を彫っているところです。

型紙をカット

実の部分の型紙。型紙を節約して、右下は松に使いました。

型紙

色の塗り方

型紙を配置する

染める紙(ハガキ)に型紙を配置します。ハガキのフチと目印線をあわせます。特に固定はしません。1枚やったらもう1枚、と流れ作業をするので、左手で押さえるだけです。葉の部分の型紙です。

型紙の配置

刷毛でクルクルする

刷毛に顔料をつけます。

刷毛に顔料をつける

水分が多いかもと思ったら少しティッシュオフをします。

刷毛に色をとる

クルクルします。時間をかけるとにじむので、すばやくやります。

色を刷り込む

1色ずつ乾かしながら

先に葉を塗ります。

南天の葉

乾かしてから、次は赤い実を塗ります。

南天の赤い実

色を変えたり、重ねたり

同じ絵柄で違う染料にすれば、変化も楽しめます。

草木染めの型染めをした紙

別の色を上から重ねることもできます。その場合は、一度乾かしてから、刷り込みます。

後始末

染めた紙がたわんでしまったら、本などで重しをして一晩おきます。

洋型紙は洗えます。洗剤で洗っても型紙の色が落ちない場合は、クエン酸を少し溶かした水につけておくと落ちます。

汚れた型紙

クエン酸水につける

植物染めステンシルで思ったこと

  • 「型染め」年賀状のハードルが高いと思っていたけど「ステンシル」と思えば気が楽
  • 型染には、糊置きをする方法もあるので、それも紙でやりたい
  • 植物からの顔料作り(絵の具作り)も勉強したい
  • 官製はがきでもやってみたい

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。

※できあがった年賀状はこちら→ 草木染めでオリジナル年賀状