スパッタリングで草木染め文字を書く挑戦

スパッタリングで書いた文字

2019年の年賀状は、霧吹きでステンシル風のロゴ文字を入れました。

液体で文字を書くことが結構難しいことに気がついて、いろいろ悩んだ結果、スパッタリングという技法を使いました。小学生の時に、網に絵の具をつけて歯ブラシでこすって、イラストや文字を白抜きした、あれです。美術の時間を思い出してがんばりました。

自己流ですが、その方法について書きます。

※手作りで草木染め年賀状2019を作る計画の第3段階です。手作り年賀状の話はこちら→ 草木染めでオリジナル年賀状

染めた日:2018年12月26日~2018年12月27日

スパッタリングで草木染め文字の材料

  • 牛乳パックから作ったハガキ 12枚(牛乳パックで紙すきハガキで作ったもの)
  • セイヨウアカネの根(誠和で購入した乾燥染料)30g
  • 穀物酢 2cc(アカネの抽出用)
  • たまねぎの皮 6g(はじめの2枚に使用。色が薄い)
  • 白抜き文字用の厚紙(しっかりめの紙。ケント紙を使用)
  • カバー用の物体(画用紙、ダンボールを使用)
  • 道具:霧吹きスプレー(アイロン用。霧が細かいもの)
  • 道具:ピンセット

スパッタリングで草木染め文字の手順

  1. 紙を文字の形に切り抜く(HAPPY 2019)
  2. 染液をつくる(水に材料を入れてステンレスナベで煮る)
  3. 霧吹きスプレーに染液をそのまま入れる
  4. ハガキ上に文字を配置
  5. 染めたくない箇所をマスキングして、スプレー
  6. 慎重にマスキングと文字をはずす
  7. そのまま自然乾燥

スパッタリングで草木染め文字の写真と説明

切り抜いた文字を作る

文字のレイアウトを考えます。当初は、下記の写真のように文字を配置するつもりでした。

当初のレイアウト予定

カッターボードの上にケント紙を置いて、切り抜きます。厚紙ならケント紙でなくても大丈夫です。

文字をカッターで切り抜く

写真のカッターボードのメモリは1マス1cmです。1つの文字は1cm未満の大きさでした。

しかしながら、霧吹きテストした結果、1cm以下の文字だと小さすぎて文字がつぶれました。

写真の上が1cm未満の文字で書いたNEW、下が大きいNです。

霧吹きテスト

そこで、文字を一回り大きく切りなおして、ロゴ文字数を減らしました。1文字が1.5cm程度です。

白抜き文字の配置を変更

余白に文字が入りきらないため、Happy 2019にすることにしました。

たまねぎの皮から染料抽出

当初、染料はタマネギと思っていました。明るい黄色なら年賀状にぴったりだと思ったからです。

手元に集めたたまねぎの皮は6gだけ。何個分かわかりませんが、スーパーのビニール半分くらいの量です。

集めたタマネギの皮

最大限に抽出するため、ミルで粉末にしました。削り節みたいです。

ミルで玉ねぎの皮を粉にする

ステンレス鍋に水200mlを入れて、粉末にした玉ねぎの皮を入れて加熱します。途中、水分がなくなったのでさらに水200mlを追加しました。

玉ねぎの皮から染料抽出

ダシのようなにおいがしたので、なめてみたのですが、苦かったです。

沸騰してから20分で抽出終了。お茶パックで粉末をこします。

玉ねぎの粉末をろ過

思ったより茶色の液体になりました。

たまねぎステンシルテスト

画用紙でテストした際は、玉ねぎでも結構いい感じになりました。

画用紙に玉ねぎステンシル

なのですが、実際の牛乳パック製のハガキでテストすると、色づきが薄くなりました。

玉ねぎでステンシルしたはがき

2枚テストして、玉ねぎはやめることにしました。

この2枚は、再度文字を配置して、上からアカネで重ねて染めて使っています。

アカネの根から染料抽出

年末も差し迫って、失敗するわけにもいかないので、アカネの根をぜいたくに使うことにしました。

染料店で購入した草木染め用のセイヨウアカネの根です。量さえケチらなければ、濃い色がつくはずです。

水400mlに入る量をめやすに、アカネの根は30g使うことにしました。

土が入ってくすまないように、40℃のお湯で15分、洗いました。

アカネの根の土を洗う

水400mlで、沸騰してから15分煮出して、1番液にしました。

アカネの根から染料抽出

水をかえてキッチンにある穀物酢2ccを加え、沸騰させてから20分。2番液としました。

写真左が1番液、右が2番液です。液の色は、どちらも茶色がかった赤色で、ほとんど変わりませんでした。

アカネの1番液と2番液

とりあえず、原理としては黄色みが減っているはずの2番液をステンシルに使うことにしました。

今回使った霧吹き

家にあるアイロン用の霧吹きに染液を入れました。下記の写真は玉ねぎの液をいれたところです。

スプレーに染液を入れる

霧吹きは、ダイヤスプレースウィング300mLです。口部分を回すことで、霧吹きの細かさが調整できます。

100円ショップで買うスプレーよりは細かい霧が出て、ある程度は安定していますが、専用の道具ではないため、完璧ではありません。

細かい霧が出るようにしていても、スプレーする手加減によって大きい水滴が出てしまうこともあります。

その点は、スプレーする位置で調整することにしました。

染液を吹きつける

マスキングする箇所をトレーシングペーパーをあてて決めて、ロゴ文字をハガキに配置します。

切り抜いた文字のレイアウトを決める

床にビニールを置いたり、ダンボールで壁を作ってスプレーが届きそうな場所が汚れないようにします。

ハガキを中心に置いて、他の部分はすべて画用紙でカバーしました。マスキングすることで色が付かないようにします。

ハガキと床をマスキングする

何度かテストして、スプレーの位置と標的とする目標地点を決めて、それぞれ目印を付けました。

スプレーの位置

スプレーの高さは、スプレーの底が床から17cmになる位にして、目標地点は床0cmとしました。

左右ともに紙から5cm離すことで、液だれした大きい水滴が飛ばないようにしました。

位置が遠すぎると霧は細かくなりますが、薄くなります。

位置が近すぎたり、スプレーを強く押しすぎると、水滴が大きくなり、紙につく雰囲気が美しくありません。

少し液が多く飛ぶと、下の写真のようにシミっぽくなります。

染液が多い場合の文字

乾けば目立ちませんでしたが、大きい水滴にならないことが肝心です。

スプレーした直後はこんな感じです。色がつかないように気をつけながら、ピンセットで文字をとります。

染液をスプレーした直後

ロゴ文字の紙の上に染料がたまってくるので、時々ティッシュで取り除きます。

文字についた色をティッシュオフ

できあがり

できあがりは、こんな感じです。ちょっと色が淡いものの、文字が識別できるので完成としました。

草木染めのステンシル文字

スプレー直後は黄色っぽい色ですが、乾くピンク色になります。

写真の上が時間が経ったハガキ、下が染色直後のハガキです。

アカネの紙染め色の変化

後から思うと、もっと煮詰めて濃度を上げれば、もっと濃い色になったかと思います。


このページは、手作りで草木染め年賀状2019を作る計画の第3段階です。

第1段階はこちら→ 紙すき年賀状用の色紙作り(草木染め)
第2段階はこちら→ 牛乳パックで紙すきハガキを作る方法
紙漉き年賀状全体の説明はこちら→ 草木染めでオリジナル年賀状