お昼休み用ミニトートバッグの作り方
お昼休み用のミニトートバッグを9号帆布で作って、手作り市で販売しました。その作り方(縫い方)を書きます。
極小サイズです。お昼休みに外にランチに行く時、財布とケータイを入れて、カウンターテーブル上に置ける大きさにしました。長財布の場合は、はみ出しそうです。
縫い方は自己流になります。
※草木染めの方法はこちらを見てください→ さくらんぼの剪定枝で草木染め
目次
お昼休み用ミニトートバッグの特長
9号帆布で作ったミニトートバッグを草木染めしたものです。ビワの葉サイズです。ケータイとお財布、ハンカチだけ入れてランチに行く感じです。お昼休みにひとりランチに行くとカウンター席になりがちで、バッグを椅子に置きにくいので、テーブルの上にも置けるサイズにしました。
アボカド染めのトートバッグに、がまぐち財布とケータイを入れたところです。長財布の人は入りきらないかも。
内側の縫い代は、綿ローンでバイアス処理。濃染処理済のローン生地なので、濃く染まっています。
持ち手にハギレ革を使っています。IDEEのパラフィンバッグをまねて、表が革で、裏が布になっています。革も天然繊維なので、薄い色の革を使えば、草木染めで染まります。例えばザクロで染めた黄色は、持ち手の革までしっかり黄色に染まってます。
左上から、アボカド染め、桜染め、五倍子染め、ビワ染め(鉄媒染)、ザクロ染めです。
手作り市では2500円で販売しましたが、売れませんでした。
※帆布ではありませんが、大きいバッグの作り方はこちら→ 寸胴鍋専用バッグの作り方
トートバッグを作る前の注意点
家庭用のミシン(JUKI HZL-F400JP エクシード ドレスメイク)で縫いました。確認したところ、厚い生地が縫えるのかは、厚みよりも硬さの問題。16号針で普通に刺さる状態なら帆布も縫えるミシンのようです。
縫うとき普段より大きい音がします。厚すぎてミシンが壊れる可能性もある気がしたので、ご注意ください。作る際は自己責任でお願いします。
直線専用板を使っていたら、目詰まりした時に壊れかけたので、通常の針板を使うのがよいと思います。布の硬さに負けて針が折れると、針板に傷が付くことがあり、針板に傷ができるとミシンの糸調子が狂う原因になるのでご注意ください。
小さいほうが縫いにくいので、大きいサイズにアレンジしたほうがいいかもしれません。
お昼休み用ミニトートバッグの材料
- 9号帆布 92cm幅 50cm
- ミシン糸(草木染めする場合は、綿100%カタン糸30番。そうでない場合は、シャッペスパン30番ミシン糸) ※普通地用の60番ではなく、糸が太い30番を使います
- 持ち手用の革ハギレ 2cm×24cm 2本
- バイアステープ用の布(綾テープでもOK) 適量
- レザー専用ミシン針(オルガン針 HA×1LL-MIX レザー専用針。ユザワヤで購入)
- デニム専用ミシン針(オルガン針 HA×1DE #16 デニム/ジーンズ専用。ユザワヤで購入)
- ロールカッター、カッターボード(無いと不便)
お昼休み用ミニトートバッグを作る手順
- 裁断
- 持ち手を作る(布と革をミシンでステッチ止め)
- ハギレからバイアステープを作る
- 口布の縫いしろをバイアス処理をして、筒状にする
- 本体の縫いしろをバイアス処理をして、筒状にする
- 本体に持ち手を仮止め
- 本体と口布を縫い合わせ、表に返してステッチ
- 本体と底を縫い合わせる(大変)
- 底の縫いしろをバイアス処理(大変)
- 草木染めする場合は、染色する
※トートバッグを草木染めした方法はこちら→ さくらんぼの剪定枝で草木染め
トートバッグ作りの写真と説明
バッグの材料にするキャンバス地
お昼休み用ミニトートバッグは小さいので、9号帆布でも自立します。
藍熊染料の9号帆布(晒)1m税別1200円を使いました。染色用生地です。「植物染料染めの場合は70℃~80℃の湯で15分程度煮洗いしてください」という注意書きがあります。
以前、染めない帆布バッグを作った時は、楽天の銀河工房で8号帆布を買いました。100色あって、無料サンプル帳を取り寄せて好きな色を選べます。シャッペスパンのミシン糸も一緒に買いました。ロールに巻かれて届きます。8号帆布は9号帆布より厚くて、大き目のトートバッグを作っても自立します。
Yahoo!ショッピングの「いのや」で「綿 8号帆布 92cm巾 オフホワイト」を買ったこともあります。同じ8号でも銀河工房に比べると少しやわらかかったです。
トートバッグを縫うミシン針
持ち手の革部分を縫う時はレザー専用針16番を使い、他はデニム専用16番を使いました。とがり方が違います。
普通の16番針で帆布を縫おうとしたら、生地から針の抜けが悪く、押さえがパタパタしました。でも、縫えなくはないです。
専用針を使っても、縫い代が重なり、さらにバイアス布が重なった部分は針が入っていかない時がありました。その際は、一度中止して、微妙に縫い位置をずらして縫いました。(これはミシン的によくない気がします)
トートバッグを縫うミシン糸
綿カタン糸。草木染めなので、重ね染めした時に染色されるように、綿100%のミシン糸を使います。厚地なので太さは30番。草木染めでない場合は、よく売っているシャッペスパン30番ミシン糸で大丈夫です。
※写真左側に蝋引きのカタン糸が写っていますが、蝋引き糸は家庭用ミシンに向かないらしいです。糸調子が合いません。(でも、蝋引きでないと持ち手部分の糸が使用に伴い劣化しやすいです。持ち手だけ普通のポリエステル糸がいいかも)
トートバッグのサイズと必要な部品
できあがりのサイズです。
部品は、本体、口布、底布、持ち手。縫い代は1cmで作ります。
トートバッグの底布の型紙
底布は、長方形とフチが丸まった形の2種類を作りました。丸いほうが、やや縫いやすいです。楕円にする場合は、円周を本体の全長と一致させます。
楕円にした場合の型紙は、下図のように作りました。横17cm × 縦7cmの四角を書いて、四つ角を曲線にし、全周が42cmになるように調整しました。縫い代がついてないので、1cmつけます。
形は変わってしまいますが、まんまるの正円の方が縫いやすいかもしれません。
裁断
四角形を切り取るので、配置をよく考えてから、裁断します。底が四角形サイズなので、楕円にする場合はサイズを変えます。
縫い代1cmをつけた部品サイズは下記になります。
- 口布1枚:縦5cm × 横44cm
- 本体1枚:縦17cm × 横44cm
- 底1枚:縦8cm × 横17cm ※楕円の場合は、縦9cm ×横19
- 持ち手2枚:幅3.6cm × 長さ24cm
カッターボードとロールカッターはかなりあったほうがいいです。
カッターボードは、オルファ カッターマットのA1サイズ。A2サイズでも切れますが、A1がおすすめです。
ローリングカッターは、オルファ ロータリーカッターS型を使っています。100円ショップで買ったモノサシをカット専用にして布を切っています。
トートバッグの持ち手を作る
ハギレ革を2cmの太さにカットします。ローリングカッターで切れます。革の幅サイズにあわせて帆布の両端を手で折り、洗濯ばさみで留めます。ミシンで両端をステッチします。(下の写真はトート3個分の分量です)
ステッチ幅4ミリ。針は革用。押さえは普通の押さえ。
私の使っているミシン(エクシード ドレスメイク)の場合、針の位置を縫い目の幅で変えられるので、5.0の位置で縫いました。
バイアステープを作る
綿ローン生地のハギレを斜めにカットして、幅3~4cmでバイアステープを作ります。綾テープでも代用になるかと思います。
- 口布の下部 42cm + 少し 1本
- 本体の両端 17cm + 少し 2本
- 本体と底の接合部 42cm + 少し 1本
バイアステープの詳しい作り方はネット上に情報満載なので、手作りする場合はそれを見てください。
口布と本体をバイアステープ処理
口布の下部分と、本体の両端にバイアステープを縫いつけます。ステッチ幅3mm。針はデニム専用針に変えます。
口布も本体も、それぞれ筒状になるように中表にあわせて両端を縫い合わせます。縫い合わせたら、アイロンで縫い代を割ります。
写真の左側が本体、右側が口布です。
筒状にしたら、口布の縫い代の下部分にミシンをかけます。かけなくても問題はありませんが、収まりがよくなります。
本体に持ち手を仮止め
本体は、側面をつなぎ合わせた部分が中心です。中心から5cmの位置を持ち手にします。
持ち手の端から2cmの部分をはみ出させて、本体に洗濯ばさみ(着物クリップ)で留めます。本体は筒の内側が表地です。本体の表地に持ち手の革部分を向けます。
ミシンで持ち手を本体に仮止めします。持ち手が垂直でなくハの字になりがちですが、そのほうが使いやすいかも。針は革専用針に変えます。
本体と口布を付ける
本体と口布を中表に重ね合わせて、洗濯ばさみで留め、ミシンがけします。あわせる向きを間違えやすいので注意します。
縫ってからひっくり返すと、こんな感じです。
トートバッグの入口部分をステッチがけ
口布側に生地を少しひかえて、アイロンで形を整えます。表側から、4mmでステッチをかけます。
糸の端は、手縫い針で生地の裏側に入れます。外側と中側の糸を裏側へ入れて、2回かた結びしてカットします。
糸が短い場合は、針を刺してから糸通しを使って糸を通します。
持ち手の補強
大きさに応じて、持ち手部分をさらにステッチして補強します。ここまで小さいと不要かもしれません。
A4サイズのトートを作ったときの補強部分。これはミシンの「直線強化」という縫い方にしたものです。
本体と底をつけて、バイアステープ処理
本体と底を中表にあわせて縫います。縫い合わせたら、バイアステープを縫いつけます。バイアス処理前に、カーブ部分の縫い代に切れ目を入れました。
角部分(カーブ部分)がとても縫いにくいです。マチバリで無理やり留めて、ピンセットで押さえながら縫います。
バイアステープ処理の最後部分、
できあがり
楕円の底はこんな感じ。
上から見るとこんな感じ。
草木染めする場合は、染めます。
草木染めの方法はこちらを見てください→ さくらんぼの剪定枝で草木染め
アレンジ
サイズを変える
同じ原理で作ったバッグ3つ。作り方は同じで、縦横比や大きさ、内ポケット、草木染めの色が違います。
※灰紫色を染めた話はこちら→ 藍の種取りの後、残った葉と茎で染める
※ピンク色を染めた話はこちら→ 椿染めハンプトートバッグの染め直し
内ポケットをつける
ミニトートよりも大きめのトートバッグを作る場合は、内ポケットもつけたほうがしっかり自立しやすいです。
ポケットは、口布に縫い付けてあります。
縦長の長方形に布をカット→底辺をポケット口部分にすべく三つ折り→ポケットサイズになる位置で折る→両端をバイアス処理しながら縫う。
ポケットを2つに分けた部分は、補強のステッチも入れました。
バイアス布の端は、袋状の形を作ってからはめ込むようにしました。
裏から手縫いで留めておくと、きれいな袋状になります。
本体に口布を付ける前に、口布にポケットをつけます。全部作り終わってから最後に縫い付けることも可能です。
仮に組み立ててみて、本体の底位置と、ポケットの底位置を同じくらいするとバッグの自立の助けになると思います。
側面にもいっぱい付けたもの。いろいろ入るし、形を保ちやすいです。
※ポケットのサイズは記載していません。自分サイズで作るのがおすすめです。
お昼休み用ミニトートバッグ作りで思ったこと
- トートバッグは小さいものを作るほうが大変
- こんな小さいトートバッグを作って草木染めする人はいないと思うので、世界で1つ
- 底のつなぎ合わせがむずかしいので、もっといいやり方を知りたい
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。