手作り服について思うこと

手作り服作成中

ここ数年、洋服を買わずに、手作りの服を作って着ることにチャレンジしています。

服の買い物が本当に苦手で嫌い。自分向けのお店を探すのも(そんなものないし)、試着も、店員さんと話すのも、通販で届いた服にがっかりするのも、返品の手間も嫌い。だから、作る。というわけのわからないことを始めてから、6~7年ほど経ちました。

数を作っているかというとそうでもなく、最近さぼりがちで古い服を着ることも多いですが、このチャレンジは続けたいです。

目標は、手作りバレしない、市販品のような普通の服。手作り服について、思っていることを書きます。

手作りに見えない服

手作りに見えてしまって恥ずかしい。大人服を手作りする場合、気になる点だと思います。この問題は完全には乗り越えてないけれど、作り続けるうちに、気がついたポイントがいくつかあります。

ニットソーイング

ロックミシンが必要というハードルが高いけれど、ニットソーイングだと、着やすいし、手作りに見えにくいと思います。ニットという素材が、たとえ普通のミシンで直線縫いで縫っても、手作りに見えにくいです。

市販の服はけっこう、ニット(編んである生地)でできていると思います。伸びる生地です。着やすいです。

洋裁初心者は普通、ニットではなく普通の生地(織ってある生地)で洋服を作りはじめるので、着にくい服になりやすいかと思います。

※カーディガンを作った話はこちら→ ニットで紺色カーディガンを作る

パターン

手作りに見えない服を作る時に重要だと思うこと。やっぱり一番は、型紙(パターン)だと思います。

どこでパターンを入手するか、という問題が大きいです。

私は立体裁断で作ろうと試みてますが、見本にしているのは、いいなと思った市販の服です。シロウトなので、自作パターンにはダメな部分もたくさんあると思います。洋裁教室に通っていた時は、先生が補正してくれたのでよかったのですが、今は自力でなんとかしなくてはなりません。

パターン作りはむずかしいので、プロの方が作ったパターン(それなりの価格で販売されている型紙)を使って作ったほうが、手作りバレはしないかもしれない、とよく思います。

ゆとりと補正

手作りっぽいなと思いながら、自分で作ったブラウスを着ては直し、着ては直し、という生活を一時期していました。

本に付いていた型紙を使ってブラウスを縫ったら、ダボッとした印象になりました。基本のシャツ型だから、縫いやすいけれど、やぼったい雰囲気。これは汎用性の高い、書籍の型紙でありがちかと思います。

その反動で、自分で型紙を独学で作ったら、妙にキツキツの服になりました。襟元が開くからとそのまま単に詰めたら、ますます開きやすくなったり。今思えば、ある程度のゆとりは必要なんですよね。

手作りバレしていたかは定かではないですが、変な服を着ている人だとは思われていたと思います。

生地の質感と厚み

縫いやすい生地は、服にあわないのだと思います。かわいいと思う生地は、たいがい、縫いにくいです。ガーゼも縫いにくいし、織模様が入っている生地も縫いにくいし、ニットも縫いにくい。ざっくり織られた生地が好きですが、端がほつれます。質感がよい生地は扱いにくいのだと思います。

思うに、手芸店に売っている綿生地は、手芸用の生地であって、服地ではないのかもしれない。縫いやすいけど、手作り感が出やすいです。服地なのかと思うコーナーには、年代高めの生地とコスプレ用の化学繊維で占められている気がします。

また、安い生地を買って、薄すぎて1枚で着れないブラウスを作ってしまったり、コートの厚みが足りずに手作り感が出てしまったり。生地の厚みも重要だと思います。生地をどこで買うのか、何を選ぶのかも結構むずかしい。

本を見て作るとして、指定の生地そのものを買おうと思うと、なんだか高くついたりします。いや、服用の生地は、私が考えている生地の価格よりも、高価なのが普通なのかも。ケチった分、ケチった雰囲気の服になっているのかもしれません。

あと、綿生地は元々シワになりやすいですが、安い生地で、すごいシワになりやすい生地があります。あれは服には向かないです。何が違うのかは不明。同じ木綿でできているのに不思議です。

特にこだわりがないならば、綿100%よりは綿ポリを買ったほうがシワになりにくいと思います。

接着芯

ハリがあるべき場所がテロテロしていると、たちまち手作り感が出ます。パジャマみたいな感じ。

だから、目的に合ったタイプの接着芯を、正しい位置に貼るべきです。でも自分ができているかというと、微妙。

接着芯を貼った部分の表布にシワが寄ってしまうこともあります。伸び止めテープを袖ぐりに貼ったら、やけに主張が激しくて後から剥がしたこともあります。裏側の素材が表に影響することが多いです。

ポーチやバッグなどの小物でも、ハリがなくぺちゃんこだと、シロウトっぽい雰囲気になりやすいです。小物の場合は手作りっぽくてかわいい場合もありますが、洋服だと微妙です。

見返しとステッチ

丸首とかVネックの襟なしのブラウスだったら、襟元にステッチは入れないほうが、シロウトっぽさは出ない気がします。

見返し布を付けています。

また、三つ折りで端を処理すると、曲線がある場合は引きつりやすく、それが手作り感につながることがあります。シャツのスソならたいして目に止まらないと思いますが、首元だと目立つはず。引きつらずに縫えればいいのですが、むずかしいです。

ノースリーブ

丸首とかVネックの襟なしのブラウスの場合、腕の動きによって、襟ぐりが開きやすいです。私の場合は、腕を上に上げると、首の後ろがぱかっと開きやすいです。自分で作った服だけでなく、市販の服でも起きる現象です。

袖のないノースリーブにすれば、腕の動きによって見頃が動くこともなく、手作りのアラが出にくいです。

衿付きブラウス

衿がある服の方が襟ぐりが開かないし、上記のような問題も起こりにくいです。あと、私の場合は、ヨーク(背中上部の切り替えのところ)があったほうが、着やすいブラウスになります。

縫製

縫い目が多少おかしくても、それで手作りに見えることはないと思います。ステッチとか、そんなに細かいところまで他人は見ていないと思うし、縫い目が汚い市販服も結構ある気がします。

でも、裏地付きのコートで、生地が引きつってしまったことがあって、そういうのは手作りバレすると思います。

例えば「裏に少し控えましょう」と書いてるけれど、その控えた何ミリかは、どこかで帳尻をあわせなくてはいけないはずですが、そこまで細かく書いてない本もあります。

夏服生地の薄さ

夏服の場合、薄手の生地のブラウスをそのまま着たいのに、透けることがあります。この、「透ける」というのがネックです。下にキャミソールは着るけれど、透けないで欲しい。

生地が薄くて涼しく、淡い色で、コットンや麻やシルクなどの天然繊維で、それでも透けない生地があればいいのに。なかなか無いです。

途中まで縫ってみて、ボディに着せてみたところ。

透けているブラウス

この横ストライプの生地自体は木綿100%で、しなやかで肌触りがいい感じ。なのに、1枚では透けます。

結局着なくなってしまうので、薄い生地を2枚重ねにしました。

ブラウスの裏側

服が後ろに引っ張られる補正

衿のないトップスの苦手な点は、後ろに抜けること。着ているうちになぜだか服が後ろに行ってしまい、後ろ側の襟ぐりが開く、ということがよくあります。

その問題について、以下の補正方法を教えてもらいました。まだ実践していないので、今度やってみようと思います。

  • 反り身補正をすると良くなる場合があります。後ろ見頃のアームホール中央辺りをバストラインと並行に1センチ畳みます。アームホールが短くなった分、前後の脇でアームホールを5ミリづつ下げます。つまり後ろ見頃がバストラインより上で1センチ短くなったわけです。(かこみ製図も同じ要領で製図します。市販の型紙も同じです)

※たぶんこの話を読んで、アドバイスしてくださったのだと思います。ありがとうございます。→ 独学での服作りと立体裁断のこと

ズボンの場合

自分の好きなズボンの形はもう決まっています。ジーパンみたいな感じが好きです。股上が浅くて、座ってもきつくない感じが好き。前ポケットのシルエットが太ももで押されて見えちゃうのが嫌だから、ごく浅いポケットにしたい。後ろにポケットがないとお尻が目立つから絶対つけたい。テロっとした薄い生地は嫌だし、裏地があるのも嫌い。化学繊維は好きじゃないから綿95%くらいにしたい。できればストレッチが効いてて、色は紺など暗い色。

要は、自分が気に入っていた市販品のズボンと、同じ形のズボンを作れればいいんです。別にファッショナブルな素敵なズボンがほしいわけでは全然ない。でもこだわりはあります。着やすさも重要。

ズボンは、「試上・パターン塾 パンツ編」という文化学園の本を参考にしています。ジーンズの型紙も載っていて、簡単な補正方法も書いてあります。その型紙を元にして、好きだった市販のズボンの形に近づけて、あとは実際に履いてみて調整しています。

生地をどうやって手に入れるか?が課題です。紺色の生地自体はたくさん売っているけれど、綿生地は薄いものが多いです。

あと、綿生地は縮むので、洗濯をするうちに丈が短くなりました。裾に余った生地を付け足して丈を伸ばしたこともあります。はじめは少し長めの丈で作ったほうがいいのかもしれません。

暗い色のズボンは目立たないからか、安い生地で作っても、手作りバレはしてない気がします。

金属部品とスナッププライヤー

ズボンのボタンは、「タックボタン」というジーンズ用のボタンを使います。普通のボタンよりも頑丈。弾け飛んだりしない、安心感があるところが好きです。

タックボタン

※ちなみにこのタックボタンは、清原の「ジーンズタックボタンSUN15-26」という6個入り製品。普通の手芸店で買ったものです。

タックボタンに限らず、金属を使うと、手作り感、素人臭さが減って、市販品みたいに見えやすいです。色はアンティークゴールドを選ぶと、違和感がないというか、布となじみます。

裏起毛の生地でパーカーを作った時、型紙は書籍の付録で、体型にサイズは合ってない、生地は安物、その頃はロックミシンも持ってなくて普通のミシン縫いで縫製はかなり雑でしたが、手作り感はあまりなく、「手作りなの?」と驚かれました。「パーカーは手作りしない」という先入観に加えて、スナップボタンやハトメが金属でアンティークゴールドだったのがよかったんじゃないかと思います。

バッグやポーチなど、小さいものを作る時も、金属部品を使うと、なぜか手作り感が減ります。革を一部使うのも手です。

そういった金属部品の説明書きには「ハンマーで打ち付ける」と書いてあるのですが、その打ち付ける作業、とても苦手です。曲がって部品をだめにしたり、指を怪我しそうになります。叩く音も振動も、集合住宅向きではありません。

叩いて付けるタイプの金属部品(タックボタン、スナップボタン、カシメ、ハトメなど)を付ける時は、スナッププライヤーを使っています。ペンチみたいな形で、挟むだけで金具が止まります。音もしません。挟む部分の部品を替えれば何にでも流用できて便利です。

タックボタンを付けているところ(このタックボタンの場合は、部品無しでそのまま挟んで大丈夫でした)

スナッププライヤー

万力(クランプ)を使っても留めやすい、という話もききました。

セーター

セーターは作れないから、古いセーターを着ています。

いつか新調したくなった時、どうするか。細いゲージのセーターを手で編めるのか。安い編み機で編めるのか。

毛糸を草木染めをしたら、いろんな自然な色のセーターを作れる気がしてきました。そんな妄想が広がりますが、できるのかどうか。


改めて洋裁について書いていたら、またパターンに取り組もうという気持ちになってきました。補正方法もやってみようと思っていたのに、全然進んでいません。時間が経つのが早すぎます。

ポロシャツの襟が売ってないのでポロシャツが作れないのですが、あの生地はどこに売っているのでしょうか。

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。