椿染めハンプトートバッグの染め直し
椿の枝で、帆布のトートバッグを染め直ししました。
2年前、椿の花びらでハンプ生地を染めて手作りしたバッグ。花染めは退色が早く、キナリ色になっていました。それはそれで使いやすい色だったのですが、椿の枝が手に入ったので染めてみたくなりました。
つい、濃いピンクに染めすぎました。アイロンをかけてないので少しシワシワしています。自分の好みとしては、ほんのり色がついた程度の、前の色の方が好みでした。
染めた日:2020年2月5日
※追記:2020年はツバキ科の植物にチャドクガが大量発生していて、大変かゆいので要注意。毛虫だけでなく、抜け殻が風で舞ったもの、産み付けられた卵もだめで、冬でも注意。
目次
染める前と後のトートバッグ
花びらで染めた頃の色
前回花びらで染めた、当初の雰囲気。真っ白ではない、キナリっぽい雰囲気のバッグ。ピンクらしさの入ったオフホワイトみたいな感じ。
※当初染めた時の話はこちら→ 椿の花染めでハンプトートバッグを染める
2年使用後
2年使って、下のほうに黒いこすれ汚れができてきました。色はもともと薄かったので、さほど変わらず。黄色っぽさが多少強まった感じはありますが、写真では色が飛ぶ程の淡色です。
椿の枝で染め直した色
少しくすみのある、濃いめのピンクになりました。写真でも色が飛びません。以前だったら「何色?」って聞かれたら「キナリ」と答えただろう色が、「ピンク」になった感じです。黒いすり汚れは目立たなくなりました。
アイロンをかけてないのでシワシワしています。私は気にせず使える程度のシワです。
底板は外してから染めたので、染まっていません。沢山ある内ポケットもきちんと染まりました。
※トートバッグの作り方はこちら(ポケット無し、超ミニサイズの作り方です。大きいサイズの作り方はまだ書いてなくて、今後書きたいです)→ お昼休み用ミニトートバッグの作り方
椿染めトートバッグ染め直しの材料
- ハンプのトートバッグ 約400g
- 椿の細い枝 62g
- 椿の太い枝 119g
- みょうばん(スーパーで買った漬物用) 20g
※椿の葉は、使おうとして失敗しました。
椿染めトートバッグ染め直しの手順
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- 底板は外しておく
- トートバッグの汚れを石鹸で洗う
- 枝をピーラーする、太い枝は折る
- 鍋に水と枝を入れて煮出す
- こし布で染液をこす
- 染液に空気を含ませて赤くする
- 染液にバッグをつける
- 水量が足りなかったのでお湯を追加、ムラにならないように動かし続ける 20分
- 水洗い
- みょうばん媒染 20分
- 水洗い
- 再度染液にバッグをつける 5分
- しっかり水洗い
- 洗濯機で脱水してベランダに干す
※草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
染め直し前にトートを洗う
キャンバス地のトートバッグなので、2年間洗っていませんでした。
黒いすり汚れを落とすべく、固形石鹸を泡立ててこすり洗いしました。持ち手に革を使っているので、煮洗いは向いていません。
底などにところどころ黒い汚れがありました。これは石鹸では落ちませんでした。
よく使うバッグで結局汚れるので、目立たなくなれば完全に汚れが落ちなくてもいいと思いました。洗ったらしっかり水洗いします。
椿の枝から染液をとる
枝と葉っぱの両方を使おうと思ったのですが、葉っぱの液は黄色っぽさが残ってしまったため、枝だけを使いました。
枝をピーラーで細かくします。元々が細い枝だったので、適当です。
ステンレスの寸胴鍋に、枝62gを水6リットル入れて煮ました。沸騰後20分、結構強火で加熱しました。2番液も水を半分3リットルにしてとりました。
液が足りないことに気が付いたので、使ってなかった太い枝も使ってさらに染液をとることにしました。
2回煮出して残った枝に、新しい太い枝119gを追加。水8リットルで煮ました。太い枝はピーラーしにくいのでできる範囲でして、手で折れるものはボキッと手で折りました。
椿の染色液の色
煮終わった液は、うすくてこんな色です。
空気を含ませて少し時間を置くと、赤みのある液になります。真っ赤ではなくて、少し黄色が入った透明感のあるピンク色。でも黄色すぎない色です。写真ではその差が表現しきれないのですが、微妙な液の色の差で染まる色が違う気がします。
二番液。こっちのほうが赤みがうまく出た気がします。
椿の葉を煮出してとった液。黄色が強すぎて、黄色に染まりそうだったので、今回は使わないことにしました。
衣装ケースで染める
四角いものは、筒形の寸胴鍋よりも、四角い衣装ケースのほうが染めやすいです。
持ち手部分に本革を使っているので、煮染めすると革が縮みます。水温は60℃くらいまでにしておいたほうがよさそう。
6リットル弱の染液(一番液)を入れたところ。かなり水量が足りない状態です。持ち手の左側は、内ポケット部分です。外側に引き出すことができる作りになっています。
ムラになりそうだったので、お湯を3リットル追加して、ある程度バッグが浸るようにしました。途中で2番液ができたので、それも追加しました。
水洗い。大きいものを染める時は台所のシンクに水をためて行っています。
アルミ媒染
染液をバケツに移動して、同じ衣装ケースを使って媒染をすることにしました。
焼きみょうばん20gを500mlくらいの熱湯で溶かして、10リットルの常温の水に薄めます。トートバッグを入れます。
終わったら同様に水洗いします。
※媒染液の作り方はこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方
再度染液で染める
ミョウバン液は捨てて、追加で作っていた染液もあわせて、染液を衣装ケースに戻し、再びトートバッグを染液にひたします。
染め始めて5分ぐらいでもういい色かなと思ったので、終了。
このやり方の場合、液の色は変わりやすく、色素が吸われてしまえば液は黄色っぽい色になるし、時間をかけすぎれば茶色に染まったりしそうなので、特に時間は決めずに、液の色や染まった布の色を見ながら終わりにしています。
しっかり水洗いして、タオルに包んで洗濯機で脱水した後、ベランダに干しました。
椿染めトートバッグ染め直しで思ったこと
- 椿の枝で染めるのは、結構いいと思う
- もっと薄くてクリアなピンク色を染めたい
- 草木染めの宣伝としては「椿で染めた」と人に言いやすいピンク色になった
- ピンクを染める草木染をもう少し追求したい。重曹を使って上手く染めてみたい
絹の椿染め(枝・葉)
その後、着物の裏地をほどいたハギレ(絹)も、椿の枝と葉っぱ(別の木)で染めました。ピンクが枝で、黄色が葉です。
どちらも淡いかわいい色に染まりました。
長崎・五島列島のツバキのキャンペーンをしている吉永小百合さんのお着物も、椿染め。たぶん枝や樹皮で染めたものかと思うのですが、淡くて素敵な色。透明感があって、派手じゃない感じが好きです。
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