手作り市で草木染め雑貨を販売しました
2019年4月28日(日)、千駄木の手創り市アンドシーンに出店しました。
少しだけですが、自分で作った小物、自分で草木染めした雑貨を買ってくれたお客さんがいて、不思議な気持ちです。ありがとうございます。
雑司が谷の手づくり市を見て「出展してみたい」と思ってから1年半。開催場所は違うけれど、やっと実現しました。
隣のブースに、その1年半前に話したことがあったガラス工芸作家さんが出店していて、その人と同じ側に立ててることをうれしく思いました。(レベルはぜんぜん違うけれど)
はじめてハンドメイドマーケットに出店した感想を書きます。
出店日:2019年4月28日
※追記:千駄木の手創り市アンドシーンは2019年いっぱいで終了しています。
目次
準備が終わってほっとする
当日。一番に思ったのは「もう準備しなくていいんだ」というほっとした気持ち。開催日までの一週間くらい、「間に合わないかも」という気持ちで追い詰められながら準備していました。
理想のイメージと、自分の1日に作業できる量や腕前とのギャップが大きくて、できるかぎり時間を作って準備に費やしました。ブログの更新もせず、月2回通っている洋裁教室もお休みしました。
だんだん、なんのためにやっているんだっけ?という気持ちになり、これはもう、自己満足の世界でした。
特に牛乳パックを紙すきしたカード類については、「まあ、売れないだろう」と思いつつも、自分だけの作品としてディスプレイしたい、という思いがあって、思いに従いました。
ハンドメイド品を売るのもはじめての経験です。トートバッグやポーチのミシンがけにしても、自分用だと「ま、いっか」と妥協できる部分を、きちんと縫製したので、時間がかかりました。売り物を作るというのは、想像以上に結構大変でした。
※準備中の話はこちら→手づくり市への出展準備中
草木染めのディスプレイ
ディスプレイとして準備したかったものは3つ。ぱっと見て、草木染めということを伝えるディスプレイにしたかったんです。
型染めで作った看板。五倍子染めです。
どれがどれかな?という植物名と色の一覧表。ピンクが多かったので、どれが何で染めた色か当ててもらうのが狙いだったのですが、「アボカド」ではなくて、「アボカド染め」って書いたほうがわかりやすかったかもしれません。
染料となる植物のディスプレイ。何から染まるのか、実物を置きました。
型染めショップカードを配る
ショップカードも牛乳パックで紙すきして型染めしました。少しだけ配りました。もっと型染めの腕を上げて、きれいなものを作って、たくさん配りたいです。下の写真は、糊を置いた段階のものです。
このショップカードを渡して、5月12日と26日のさくらんぼ染めワークショップについて、もっと宣伝するつもりだったのですが、一部の方にしか伝えられませんでした。
サクランボ染めでピンク色を目指して染めるワークショップです。
アボカド染めはピンクの説明をする
説明ボードのおかげで、「アボカドはピンクなんですね」という言葉をたくさんいただきました。「今回のアボカド染めは、葉っぱで染めたものですが、種でも皮でもピンクに染まるんですよ」という説明をすることができました。
あと、五倍子がヌルデという木の虫こぶで、ムシが寄生すると膨らんで、そこが染料になって紫色が染められる、という説明もたくさんしました。
ちなみにザクロは黄色です。トートの持ち手はもともと白っぽい革なのですが、革までしっかり黄色に染まってます。
草木染めの堅牢度のこと
自分のものではなく売るもの、となったときに問題になるのが、堅牢度(色変わり、色落ちしないか)です。
草木染めの堅牢度(色落ちや色変わり)やお手入れ方法についても、説明できる何か準備できたらよかったなと思いました。
ほとんどの草木染めは日光に弱いので、日差しを浴びると退色・変色します。
私は重ね染めをして堅牢度を高めて濃い色にした製品よりも、淡い色でも、その旬なその時々の色を楽しむ製品にしたいです。色落ちや色変わりがしやすくても、いいなと思える色にしたいです。販売時の色を長く使ってもらうということよりも、変化したその時々の色を楽しんでもらうものがいいです。
そこをうまく伝える言葉が、まだ見つかっていません。
薄い色にしたい場合でも、何度も何度も薄い染液で染めれば堅牢度は高まると本で読んだことはあるけれど、その分労力がかかり、その作業分が価格に反映されます。
iichiやミンネなどのハンドメイドの販売サイトで通販する場合、お客さんに会わずにそれを伝えなくてはならなくて、それはむずかしいかと思っています。
手作り市で販売した布小物と販売実績
4人(グループ)の方に、7点売れました。売れたものから原価を引いて、出展料3000円を引いたらトントンぐらいですが、売れ残りを0円換算したら赤字です。
草木染めのティッシュケース
はじめて売れたのは、サクランボ染めのティッシュケース(800円)でした。麻製。ティッシュケースの形にしてから、さくらんぼの小枝で染めたものです。ありがとうございます。(写真は違う色です)
ティッシュケースは、洋裁教室の先生や他の生徒の方からヒントをもらって作ることにしたものです。手軽に買える商品として用意しました。作るのは簡単なので、後日作り方を書きたいと思います。
草木染めのシルクストール
桜染めなどのシルクストール(3500円)は7つ染めて、5つ売れました。
まず、台湾から観光で来た3人グループの方が4枚まとめて買ってくれました。アボカド染めのピンク、五倍子染めの紫色、ザクロ染めの黄色、ヨモギ染めの黄緑色です。
東京ビックサイトのホビーショーを見るために、わざわざ日本に来たのだとか。記念に、一緒に写真を撮ったりしました。台湾のハンドメイド熱、すごいかもしれません。手創り市も秋には台湾で開催するそうです。
あと1枚、さし色になるサクランボ染めのストールは、日本の方が買ってくれました。
季節的に、涼しげ感のある格子柄のストールは売れやすかったのかもしれません。シルクにしては価格もお手頃でした。色を出すのにそれなりに苦労して草木染めしたものですが、ストール自体は染料屋さんで買ったもの。ワークショップで用意したストールと同じものです。
※シルクストールの染め方はこちら→ よもぎ染めでシルクストールを染める方法
さくらんぼ染めのミニポーチ
ポーチは、表はコットン、裏がシルクでできています。同じ染液で染めて、素材で染まる色が違うのが特徴です。縫製してから染めたので、しわしわ感がありますが、糸まで同じ色に染まっています。持ち手につけた紐も同じ染料で染めたものです。
7色作ったうち、1色が売れました。さくらんぼ染めのミニポーチ(1500円)をドバイから観光に来た女性が買ってくれました。ナチュラルダイで、私自身がミシンで作った手芸ポーチだということも伝わって、それで買ってくれたので、うれしかったです。
売れなかったもの
売れたものは以上で、あとは売れませんでした。
牛乳パックで紙すきしたカード類(メッセージカード500円、ミニカード3枚300円)。メインにディスプレイしましたが、1つも売れず。これは想定内。
お昼休み用ミニトートバック(2500円)。6色作って、1つも売れず。来てくれた友達に「長財布が入らないよ」と指摘されて、確かに、長い財布がはみ出るほど小さいです。小さすぎました。2500円は高かったかも。「ネットで見てかわいいと思って」と見に来てくださった方がいました。ありがとうございます。
左上から、アボカド染め、桜染め、五倍子染め、ビワ染め(鉄媒染)、ザクロ染めです。
でも、トートバックもポーチも、小さいサイズのほうが大きいものを作るよりミシンで縫いにくくて大変なんです。複数作って縫製の腕を上げたので、次に作るときは、もう少し大きいサイズのトートバッグやポーチをキレイに作ろうと思います。
さくらんぼ染めのトートバックを紛失してしまいました。万引きしてまで欲しいものじゃない気がするので、風で飛んだり、わたしがどこかで落としたのかも。6色全部を一度にテーブルに置ききれず、出し入れしていたので、いつなくしたのかがわからず。
イチオシのサクランボ染めのコットンストールは売れませんでした。価格を2500円に設定したと思うのですが、高すぎたかも。
お弁当風呂敷(800円)、風呂敷(大1500円、小1000円)、シルクシュシュ(300円)、エコバック(1000円)も売れませんでした。これらはディスプレイ不足が原因かもしれません。
いくつか収入源を作って、ハンドメイド品の販売もその1つにしたいと思っていましたが、仕事にするのは(労力を含めて利益を出すのは)大変かもしれません。
ディスプレイ用のテーブル作り
販売するハンドメイド雑貨以外に最低限必要なものは、販売する物を置くテーブルです。
天板を変えれば横幅をサイズ変更できるテーブルにしたくて、DIYすることにしました。
サイズを変動できれば、ブースサイズが違うハンドメイドマルシェ出店にも使えると思ったんです。
テーブルまで作ることはなかった、とだんだん後悔しながら、ホームセンターや100円ショップのダイソーと家を往復しました。部品が足りなかったり、部品のサイズが違うことに気がついてプランを変更したり。
持ち運びできるテーブルを作るのは結構大変でした。
当初、出店している作家さんに質問して、アマゾンでアルミ脚の軽量アウトドアテーブルを買うといいよと教えてもらいました。そのアドバイス通りにすればよかったと後悔しました。
ブースの横幅は180cm。60cmとか90cmのテーブルじゃ小さい感じになってしまうかも、と思い込んでいて、120cmにしました。でも実際は、横幅が小さめのテーブルの人も多かったです。力の入れどころを間違えました。
テーブル作りの詳細は、また後日書きたいと思います。
※追記:テーブル作りの話はこちら→ ハンドメイド出店用のディスプレイ台を作った話
隣ブースの方にいろいろ教わる
両隣の作家さんが、手作り市の出店についてもろもろのことを教えてくれました。静岡の手創り市は熱気のレベルが半端ないそうです。出展者同士としてお話できて、楽しかったです。
右隣は、クルテ絵ガラス商店さんでした。他にはないもの感がファンを魅了してやまない感じがうらやましかったです。
左隣は、活版印刷の多色刷りの乙女印刷さん。ポップな色がきれいで、製作のこだわりも感じられて、素敵でした。
個人的には、カラフルじゃないけど猫のぽち袋が好きでした。
手作り市でものを買う人は、他にはない個性的なクラフトやアクセサリーを求めてやってきている気がします。作家さんのテイストと、買う人のテイストが一致して、ファンになる感じ。素敵です。
染物では、以前にも見たことがあった、注染手拭いnayokoさんが出店していました。かわうそが布を水洗いしているイラストが素敵でした。
千駄木の&SCENE 手創り市の雰囲気
ゴールデンウイークの日曜日ながら、のんびりした感じで、お客さんは少なめでした。近所の人と、出店者の知り合いと、手創り市や作家さんのファンの人が来ていると感じました。外国の観光客もちらほら。
根津のツツジ祭りから流れてきた人は見かけたけれど、歩くには少し遠くて、道がわかりにくいと思います。会場の養源寺は、谷根千の観光エリアからはやや離れたところにあります。
樹木が多くて、きもちがよい境内です。
お客さんとしてみるには、のんびりしていい雰囲気なのですが、出店する側に立つと、もう少し人出がほしいところです。
でも、ハンドメイドイベントはいろいろあると思いますが、私は千駄木や雑司が谷(鬼子母神)の手創り市の雰囲気が好きです。
鬼子母神は毎月、千駄木は隔月募集しているので、やってみたいと思っている方は、ぜひ出店応募してみてください。フリーマーケットよりはハードルが高いですが、わたしでもできたので、(稼げるかはわかりませんが)出店自体はやればできると思います。
※以前、千駄木の手作り市を見物したときの感想はこちら→ 千駄木の手作り市andsceneを見物
手作り市に出店して思ったこと
フリマで不用品を売って、そこに手作りした雑貨が入っていたことはあるけれど、「手作りを売る」のは初めての経験です。
準備期間も含めて、とても勉強になりました。ものを作って売るのは大変なことだと実感しました。
わたしの場合、「手創り市に出てみたい」という思いだけが先行して、「これが私の作るもの」という作品が準備不足だと感じました。
それができてから、再出店に挑戦しようと思います。DIYしたテーブルや売れなかった在庫をムダにしないためにも、もう少し準備して再び出店したいです。今回売れなかったバッグやポーチは、冬眠させます。
商品を買ってくださった方、わざわざ見にきてくださった方、立ち寄ってお話をしてくださった方、ありがとうございます。何かありましたらお問い合わせフォームもしくはインスタグラムからご連絡ください。