2024年3月8日(金)桜染めワークショップ開催報告(岡山)
今年最後、5回目の桜染め体験ワークショップを開催しました。場所は岡山駅からほど近い貸し施設です。
桜の枝を煮出して、ストールやスカーフ、ハンカチ、風呂敷、巾着、木綿糸など様々なものが素敵な色に染まりました。
今回の参加者はリピーター2名、初参加3名。模様を入れたり、ものにより手順を変えたり、少しバタバタもしましたが枝から染める桜染めを楽しんでもらえたかと思います。
※ワークショップ最新情報はこちら→ つぎいろ草木染めワークショップ
目次
桜の枝
桜染めはお花ではなくて、小枝を染料に使います。3月は冷凍した桜の枝を使うことにしたので、生の桜の枝は見本として持参しました。
横に置いた布は、前日のワークショップで染めた後に残った液に浸けたハギレ。乾いてやさしいピンクになりました。木綿より絹のほうが濡れている時と乾いた後の色の雰囲気が変わる感じがします。
使った冷凍枝。剪定枝をもらってすぐにカットして冷凍庫で保存したものです。これを使いました。
ピンクと呼べる色を目指して染めるのですが、桜染めは茶色やベージュにもなりやすいので、時の運というか、ちょっとギャンブルみたいな感じです。染料のよさも重要です。
去年は枝が手に入らなかったのですが、今年は岡山県内の公園の剪定枝をいただくことができました。そのおかげで桜染めをすることができました。もっと太い枝ももらってきたのですが、それはワークショップ以外で自分で桜染めにチャレンジしているところです。
ワークショップの雰囲気
まず何を染めるかを決めてもらって、お会計をして、自己紹介や注意事項など説明もして、作業開始。
今回はステンレス寸胴鍋を3個を使って煮出しました。
染液を煮出している間に布の前処理をします。木綿など植物繊維は染まりにくいので濃染という作業をします。絹には必要ないのですが誤って一緒にしたものもあって、色の染まり方が興味深いと思いました。
※布の下処理はこちら参照→ 草木染めを濃く染める方法
アルミ媒染液を作っているところ。色を定着させるために媒染という作業もします。酢酸アルミを使いました。
スーパーで漬物用に売っている焼きミョウバンでもアルミ媒染できます。詳細はこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方
木綿カセ糸を媒染しているところ。
そうこうしているうちに、枝の煮出し終了。黄色い液がとれました。いい感じです。
作った染液はこんな感じ。鍋によって少しずつ違う感じがしました。いろいろな要因が染まる色に影響していきます。
風呂敷に模様入れをしているところ。洗濯バサミやビー玉、輪ゴムで簡単にかわいい模様を入れることができます。
※模様入れはこちら参照→ 布に絵を描く、模様を入れる
染液ができて、染め始めたところ。
まだ薄めかな?と見ているところ。
木綿糸を染めているところ。
こちらの風呂敷は濃染しなかったもの。媒染の順番を変えて染めていきます。
媒染前の風呂敷。ほんのりピンクになりました。クリアな色。
媒染後に染液に戻して染めているところ。ぐっと色が入っていきます。
一部はちょっと小技もきかせてから、染め上がり。並べて写真撮影をしました。模様もくっきり入って、とても素敵な色に染まりました。
テーブルがキラキラ反射するので作品を敷きつめました。
今回は「自分で染めたらベージュだったので参加したくて」と来てくれた方もいて、ピンクを目指す桜染めを楽しんでもらえてよかったです。
桜染めワークショップを終えて
今年は5回ワークショップをして、基本的には同じ桜染め方法なのですが、染まった作品はひとつひとつ違いました。染める人も、桜の枝も、気温も、火加減も一期一会で、特に人が介在することでバリエーションが広がる感じがしました。
自分だけで染めていると、自分らしいものしか生まれないのかも。
もうすぐお花見シーズン。ぜひ自分で染めた桜染めを身につけてお出かけしてもらえたらうれしいです。
今年の桜染めワークショップは、はじめて先媒染で染めるのを基本にしたのですが、濃染せずに後媒染で染めたコットンもいくつかあってきれいに染まっていたので、今度する時はどうしようか迷います。
桜染めの方法にはいろいろあって、まだまだわからないことがいっぱい。どう染めていけばいいのか、少しずつ探求していきたいです。その話はこちら→ 桜染めの方法について
次回のワークショップ
まだ日程を決めていませんが、次は初心者向けの会、はじめて草木染めをする人向けの会をする予定です。
個別のワークショップ依頼も、「岡山旅行ついでに草木染めしてみたい」などのご要望も、お気軽にご相談ください。
乾燥後の桜染め色あい
参加した方に乾燥後のお写真を送っていただきました。
シルクストールとレーヨン混ストール。
刺繍入り綿麻ストール。
ご協力ありがとうございます。
※ワークショップ全体についてはこちら→ 草木染めワークショップについて
※草木染めについて知りたい人はこちら→ 草木染めの目次
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。