着物リメイクに。裏地を梅染め
着物をほどいた裏地ハギレ(絹の古布)を、草木染めでかわいいピンクに染めました。
和服をバッグやお洋服にリメイクするのが流行っていますが、シルクは簡単に染まるので、裏地が絹の白地だったら草木染めしてから使うのもオススメです。
染料は、花瓶に飾っていた、花が終わった梅の枝です。茶色い枝からピンクが染まります。
染めた日:2020年3月3日~2020年3月4日
目次
着物リメイク用の裏地染めの注意点
草木染めでは天然繊維(木綿、絹、麻、レーヨン)が染まります。化学繊維は染まりません。
絹やレーヨンの裏地は草木染めで染まりますが、ポリエステルの裏地は染まりません。
レーヨンなど植物繊維の場合は、染料によっては染まる色が薄く、濃染処理が必要かもしれません。濃染処理の詳細はこちら→ 草木染めを濃く染める方法
茶色く変色したシミは隠れません。
着物リメイク用の裏地染めの材料
- 着物の裏地シルク端切れ 49g 145cm×25cm位
- 梅の枝(花瓶に飾ってあったもの3本位)53g
- みょうばん(スーパーで購入した食品用)大さじ1強(4g程度)
着物リメイク用の裏地染めの手順
- 事前の準備:布を中性洗剤(台所洗剤)で洗ってから、お湯(お風呂ぐらいの温度)につけておく
- 梅の枝を剪定バサミで細かく切る
- ステンレス鍋に梅の枝53gと水2リットルを入れて、強火。沸騰後20分、中火~強火で煮る。
- 枝をこして染液をバケツに移す。空気を含ませると液の赤みが増す。
- 赤みが出た染液に布をつける。布を時々動かしながら20分。
- (染めている間に)枝を鍋に戻して、新しい水1リットルで沸騰後20分煮る(2番液になる)
- 水洗い
- みょうばん媒染液を作る。焼ミョウバン4gを少量の熱湯に溶かして、水を加えて2リットルにする
- みょうばん媒染液に布を入れる。常温。時々動かしながら20分
- 水洗い
- 2番液が煮終わったら、枝をこして染液をバケツに移す。空気を含ませると液の赤みが増す。
- 1番液と2番液をあわせる。
- 染液バケツに布をつける。布を動かしながら、色が入ったら終了。
- しっかり水洗い
- タオルドライしてから、ベランダに干す
- 翌日、3番液、4番液をそれぞれ水1リットルで煮出して、同じ手順で重ね染め
※草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
※空気の含ませ方はこちら参照→ 簡単アボカド食べ染めレシピ
裏地染めの材料詳細
染めた古布ハギレ
染めたのは、着物の裏地のハギレ。白地でお花の模様の入っています。たぶん正絹だと思います。
端切れですが、布の状態はキレイで、まだまだ使えそうです。
少し茶色く変色した部分があるハギレももらったのですが、それは濃色を草木染めをする時に使いたいと思います。
染料の梅の枝
今回は梅の枝を使いました。花瓶に挿してお花を楽しみ終わったもの。2~3本分です。
小枝ごとに切ったら、このぐらいの量です。
小さめにカットして使います。
切りたての枝の断面は白っぽい感じ。長らく水につけていた部分は赤茶色でした。
桜の枝や柿の枝、ビワの葉、アボカドの皮や種などでも、同じ感じの赤みが出る系に染まります。
※染料についてはこちら→ 草木染めの材料となる植物や染料の量
焼みょうばん
媒染は、漬物用の焼きみょうばんを使って、アルミ媒染をしました。焼きみょうばん大さじ1強(4g程度)を少量の熱湯に溶かしてから、水2リットルになるように溶かしました。
草木染めでは、アルミや鉄などの金属イオンが色止めになります。明礬にはアルミニウムが含まれています。
※媒染液の作り方はこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方
梅の枝から染液作り
ステンレス鍋を使って、水2リットルに梅の枝53gを入れて、フタをして強火で煮ます。
沸騰したところ。沸騰したら、火を少し弱めて、強めの中火にして、沸騰後20分煮ました。
20分後。鍋で見ると、赤みのある感じに見えます。
ザルにこし布をひいて、枝をこします。液はバケツで受けます。残った枝の断面は少し赤い感じです。
ガラスの器に入れてみるとこんな色です。
空気を含めると赤みが強まります。時間を少し置いたら、さらに赤みが増しました。
※空気の含ませ方はこちら参照→ 簡単アボカド食べ染めレシピ
1回目の煮出し(1番液)が終わったら、新しい水1リットルを追加して、2回目も同じように煮出しました。(2番液)
赤みが出ない時は放置して時間を置きます。
梅染めの作業
生地をお湯につけておく
生地は、中性洗剤で洗っておきます。
染める前に、お湯(お風呂ぐらいの40℃くらい)につけておいて、完全に濡れた状態にしておきます。乾いていると色むらの原因になります。
梅の染液に生地をつける
バケツに入れた染液(1番液)に赤みが出てから、温かいうちに生地を入れます。冷めてしまったら少し温めたほうがいいです。
水量が少なめだったので、よく動かしながら染めます。染液が付く部分と付かない部分があると、ムラになります。20分ぐらい。
アルミ媒染
生地を水洗いしてから、焼き明礬から作った媒染液につけます。生地の赤い色は薄まる感じがします。無着色の紅ショウガみたいな色になりました。
時々動かしながら20分媒染しました。
媒染後に水洗いしている時。薄いピンクです。
再度染液につける
染めたり媒染している間に、2番液もできました。同じような色でした。
1番液と2番液をあわせたバケツに布を入れます。動かしながら染めていきます。キレイなピンク色が染まる時は泡立つ気がします。不思議です。
水洗いして干す
よく水洗いしてからベランダに干しました。自然光で見た濡れた絹生地の色は、やけにピンクでした。
乾いた後、室内の蛍光灯で見た色はこんな感じ。実際はもう少しピンクでした。
重ね染め
今回はしっかり染めたかったので、重ね染めもしました。次の日、一度乾いてから、3,4番液もそれぞれ水1リットルで煮出して、同じように染めました。
でも、媒染する時、せっかく染めた色が消えたようになり、染めた色が少しくすんだ気もします。
下の写真は、翌日の重ね染めで媒染しているところです。布のピンク色が薄まり、媒染液が黄色っぽくなりました。
もう少し日数を置いてから重ね染めすれば、また違うかもしれません。
梅の枝の染液の色
左が、使用済の1~2番液翌日の染液。真ん中が使用済の3番液。右が使用前の4番液。
使用済の液も、黄色っぽさはありますが、綺麗な色でした。茶色くなったりはしませんでした。
今回は4番液まで取りましたが、まだ煮出せば色が出そうな感じがしました。
アイロンがけ
シワシワしていたので、アイロンをかけました。裏面から、中温でかけました。
アイロン前の色の方が、アイロン後よりも鮮やかな色だった感じがしました。
できあがりの梅染めの色
かわいいピンク色に染まりました。シルクなのでつやつや光沢があって、きれいです。
着物リメイク用の裏地染めで思ったこと
- 新品よりも、タンスの奥に眠っていて使われていない生地を染めてみたい
- 花瓶に生けていたお花を最後まで使う、という感じも好き
- 今回は状態の良い生地を染めたので、次は、茶色くなった生地をどう染めるかやってみたい
- 梅染めピンクは茶色になりにくい感じがした
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。