牛乳パックから紙すき用のパルプを作る

牛乳パックを煮る

手作り紙すき年賀状はがきの前準備として、牛乳パックから紙すき用のパルプ(紙の原料)を作りました。

紙漉きに使った牛乳パックのうち、半分は「2~3日水に漬けておく」方法、半分は「台所洗剤で煮る」
方法から紙の原料を作りました。

台所洗剤で煮る作り方のほうが簡単で、うまくできたので、洗剤で煮るやり方を紹介します。

パルプを作った日:2018年12月18日~2018年12月22日

紙漉きパルプ作りの材料と道具

  • 牛乳パック 4本
  • 台所の中性洗剤 大さじ1
  • 道具:鍋、洗濯ネット、ミキサー、ザル、ハサミ

※ハガキ10枚作るには牛乳パック4本必要です。(写真は2本分です)

紙漉きパルプ作りの手順

  1. 牛乳パックを切る
  2. 中性洗剤を入れた水で30分煮る
  3. 牛乳パックをひっくり返して、さらに20分煮る
  4. 外側と内側の薄い膜(フィルム)をはがす
  5. 洗濯ネットに入れて洗剤を洗う
  6. 手で細かくちぎって、洗う
  7. ミキサーにかける
  8. できたパルプを洗う

紙漉きパルプ作りの写真と説明

牛乳パックを切って、煮る

牛乳パックをリサイクルする時と同じようにハサミで切ります。

底面は使いません。側面のうち、2枚が重なって厚みがある部分も使わずに捨てました。

鍋に入る大きさにカットします。うちの鍋は小さかったので、縦も半分にカットしました。

鍋に水1リットルと、台所洗剤大さじ1を入れて、牛乳パックを煮ます。

牛乳パックを煮る

火力は弱火(IHのレベルで4)にしました。底がこげないように注意します。

上に落しブタをするとよいのですが、なかったので陶器の小皿で代用しました。

落しぶた

30分煮たら、牛乳パックをひっくりかえして、さらに20分煮ます。

ラベルをはがす

牛乳パック表面の印字部分、ラベルをはがします。(熱いのでやけどに注意)

表の印字面をはがす

水に3日間漬けておいただけの時は、はがすのに苦労しました。接着の落ちが甘く、紙がついた状態ではがれてしまいました。その時ははじめてだったので、それが正しいのかが判断できませんでした。

フィルムは薄く、ぺろっとしています。ざらっとはがれたら、紙ごとはがれてしまった状態です。ビンのラベルをはがす時に失敗すると、ざらっとシールがビンに残りますが、そんな感じにざらっとしたら失敗です。

内側の面にもフィルム膜があるので、それもはがします。

内側のフィルムをはがす

洗剤を洗う、細かくする

牛乳パックを洗濯ネットに入れて、それごと水でゆすいで、洗剤を洗い流します。

洗濯ネットに入れて洗う

なんどか水をかえて、ゆすいだら、手で細かくちぎります。大きいとミキサーの負担が大きいので、写真よりも少し細かめにしてください。

牛乳パックをちぎる

細かくした後も、再度、洗濯ネットに入れて、洗剤をすすぎます。

細かい紙を洗濯ネットで洗う

作業は台所のシンクで行いました。シンクの排水溝にはネット(ミカンが入っているアミ)を置いて、万が一紙が流れて詰まらないように気をつけました。

洗濯ネットがない場合は、そのまま洗えばよいと思いますが、排水溝に流れないように注意です。

ミキサーにかける

ちぎった牛乳パックをミキサーに1分かけます。

牛乳パックをミキサーにかける

自宅のミキサーは小さめなので、5等分に小分けにして、1回200mlの水とミキサーにかけました。小分けにした1回につき、「10秒ミキサーして5秒休憩」を6回繰り返しました。携帯電話のストップウォッチを見ながら行いました。

ミキサーに負荷をかけすぎて、安全装置が働くと止まってしまうためです。(安全装置が止まったら、しばらくした後に、底面のリセットボタンを押して復活させます)

野菜などをミキサーする時より負荷がかかるので、ミキサーの負担が大きくならないように気をつけました。

さらに洗ってできあがり

ザルに入れて、パルプを洗います。もう洗剤のあわ立ちはありませんでした。

パルプをザルで洗う

下の写真は、ビニール袋に入れたところです。パルプができあがりました。

ビニール袋に入れたパルプ

これを水にとかして紙すきに使います。

牛乳パックのパルプ作りの説明書

紙の博物館(東京・王子)でのワークショップ体験の際に「紙すきくん」という紙すきセットを購入しました。それにパルプ作り方について詳しい説明が入っていました。

その説明書を参考にして、今回、パルプ(紙の原料)を作りました。紙の博物館の紙すきワークショップの部屋にも、同じ説明が書いてあるポスターがあります。

この紙すき体験が、今回の自宅での紙すきにとても役立ちました。博物館では、牛乳パックが良質な原料になることや、和紙とはちがう洋紙であることなども学べます。

※紙すきワークショップについてはこちら→ 紙すき体験。牛乳パックではがきを作る
※紙すきくんの詳細はこちら→ 牛乳パックで紙すきハガキを作る方法

紙漉き紙からのパルプ作り

このパルプから紙漉きした紙は、再びパルプに戻ります。使うパルプが足りない時に、書き損じの紙を再びパルプにしました。

手でちぎって少し煮てからミキサーにかけます。洗剤を入れなくても、牛乳パックを煮るよりも簡単に柔らかくなります。

紙漉きした紙を煮る

10分くらい煮てから、30分くらい鍋に放置したところ。溶けてやわらかくなっています。

煮たパルプ

作成時と同様、ミキサーにかけるとパルプになります。思ったよりも書いた色が残らず白いパルプになりました。

書き損じ紙から作ったパルプ

紙漉きパルプ作りで思ったこと

  • 2~3日水に漬けておくより、台所洗剤で煮る方法がよい
  • ラベルがきれいにはがれると気持ちよい(カサブタをはがすみたいな感覚)
  • 牛乳パック欲しさに普段飲まない牛乳を買ったので、ココアにするなど消費が大変だった

牛乳パックを煮る方法、意外に簡単なのでおすすめです。夏休みの工作、自由研究など子供さんとする場合は、火やヤケドに注意してください。

※次の段階、作ったパルプの紙すき方法はこちら→ 牛乳パックで紙すきハガキを作る方法