綿シャツ用の生地をブルーベリー染め
ブルーベリーの落ち葉からとった染液は、3回使用したもの。それでも液に色が残っていたので、最後にシャツ縫製用にカットしたオックスフォード生地を染めました。
薄いピンク色になりました。パーソナルカラーでいうとスプリングの色。ベビーピンク、薄いサーモンピンクという感じです。市販の服にはない、いい色です。
ボタンダウンシャツに縫って、夫の普段着にしています。染色するうちに裁断部分がほつれてしまい、カットして縫ったため、小さいサイズになっています。
薄い色ですが、色落ちしない度は優秀です。春~夏~秋と3シーズン、普通に洗濯機で洗濯物と一緒に洗ってアイロンがけを何度も繰り返していますが、多少の色あせはあるものの色落ちはしていません。逆に、洗濯後のほうが染色直後より色が濃くなりました。
染めた日:2017年12月24日
目次
ブルーベリーの服シャツ染めの材料
- 綿シャツ用オックスフォード生地 257g ※裁断済
- ブルーベリー紅葉ミトン染めで残った染液(お弁当ナプキン染め、コースター染めのさらに残り)
- 銅媒染液 ブルーベリーお弁当ナプキン染めで残った媒染液
- ディスポン(木綿・麻を濃く染める濃染剤。成分:特殊カチオン性高分子)35mL
ブルーベリーの服シャツ染めの手順
- 生地を湯洗い
- ディスポン処理:熱湯で20分 ※綿・麻はカチオン化が必要
- しっかり水洗い
- 銅媒染 常温で媒染20分
- 水洗い
- 染液に漬ける(49℃、25分)
- 水洗い
- 夜ベランダに干して乾燥
ブルーベリーの服シャツ染めの説明
裁断したシャツ生地
メンズシャツを作るのに必要な生地の長さは2.2メートルくらいです。2メートル以上の生地をそのまま染めるのは自宅では大きすぎて、無理があります。
そこで、裁断してから染めてみようと思い、パーツをすべて裁断してみました。
素材はコットンのオックスフォード生地、全部で重さは157gです。
オックスフォード生地は、日暮里の岩瀬商店で買ったもの。この染物の後、別の染料でもこの生地を使って染めたのですが、この生地だと美しく染まる気がします。
染色用の精錬済の生地ではなく、市販の服地なので、洗濯してから使うべきでしたが、このときはそのまま使いました。
ディスポン処理
まず、染めるのが綿生地なので、ディスポンで濃染処理をします。9.5Lのお湯にディスポン35mL入れました。
水量がひたひたぐらいで少なすぎたかと思います。もっと生地が泳ぐくらい水量があったほうがいいです。
お湯をステンレス鍋で沸かして沸騰させ、ポリプロピレン容器(衣装ケース・容量43L)に移します。
時々さいばしで布を動かしながら、20分漬けます。
ディスポン処理のあとは、ディスポンが布に残らないように、よく水洗いします。
銅媒染液で先媒染
1週間前に作成した銅媒染液を使い回ししました。
ナプキンを染めて使い、コースターを染めて使ったので、使いまわし3回目です。
使い回しの媒染液なので、なにか沈殿しています。同じ染料・媒染での染物なので、よしとしました。
この液に、7.5Lの水(常温)を追加して使いました。
今まで染めたものは小物だったのですが、今回は生地の量が多いため、水位が低すぎて綿生地が漬からないと判断したためです。
生地がひたる程度の水だけ追加し、かきまぜて、生地を入れて20分。ゴム手袋をして、うごかしながら浸します。
媒染剤は追加しませんでした。もともと、SEIWAの銅媒染液が20cc(小さじ4杯)入っていて、ちょと多いのではないかと思ったためです。
通常、染液→媒染→染液の順番で染めていますが、今回は、染液より先に媒染液につける、先媒染にしました。
特別な考えがあったわけではなく、媒染液につけると緑っぽくなり、染液の色が媒染→染液のほうが簡単だと思ったためです。媒染を先にすると生地がいたみやすいと聞いたことがあります。素材が綿だからか、特に傷みは見られませんでした。
染液の色は4回目でピンク
染液は4回目の再利用です。赤い色だったものがピンク色になってます。これを使うか使わないかは、目的次第な気がします。男性用シャツなので、薄いピンクがよいと思って、使うことにしました。
染液はステンレス鍋であたためなおして、ポリプロピレン容器(衣装ケース・容量43L)に入れます。そこに、沸かしたお湯10Lを追加したところ、温度は49℃になりました。
洗って絞った生地を入れて、たぐるように泳がせながら25分染めました。
染液の色がうすすぎる、と思いました。
水洗い。薄い薄いピンク色
台所のシンクに水をためて、生地をしっかり水洗いします。
色がついていないんじゃないか、という薄い薄いピンク色です。
よく水洗いしてしぼった後、夜のベランダに干しました。干す際は、ハンガーなど、金属がつかないように注意して日陰干しします。
ベビーピンクに染まりました
薄いピンク色の生地になりました。画面で見ると白じゃないかというぐらい薄い色です。
下の写真は、元の生地と色を比べたものです。真ん中に置いたハギレが、もともとの生地の白色です。
裁断して染めるのはよくない
今回、生地をシャツの型紙にあわせて裁断してから染めました。
この方法ですが、おすすめできません。
なぜなら、染色の各段階で生地の端がほつれて糸状になり、からまるので作業しにくいです。作業中にハサミでほつれを切ったりしました。
特に今回の生地は、やわらかいオックスフォード生地だったので、ほつれやすかったです。
斜め(バイアス)にカットした部分がほつれます。
服の型紙で特にバイアスなのは、袖の肩側の箇所(肩山)です。ここがほつれたため、縫製前にカットしました。そのため、通常より袖の短いシャツになっています。
また、綿は水に通すと縮むので、染色作業をすると全体的に布地が縮みます。
布が縮んだので型紙よりサイズが小さくなり、さらに袖のほつれをカットしたので、袖が短いシャツになりました。
ベビーピンクのボタンダウンシャツ
その後、ミシンで縫って、ボタンダウンシャツにしました。
ミシン糸は白い綿カタン糸を使いました。ポリエステル糸にしてしまうと、いつか染め直しをする際に糸が染まらないため、綿の糸を使います。
下の写真は、2~3回着用して、普通に洗濯機で洗濯、アイロンがけ後のシャツです。(撮影日:2018年4月15日)
染色時より、洗った後のほうが、色が濃くなりました。サーモンピンクのような色です。
ブルーベリーシャツ染めで思ったこと
- 裁断してから染める、というのはよくない
- 媒染→染色を1回しただけなのに、色落ちしない
- 洗濯後に色が濃くなったのが不思議
- このブルーベリーの落ち葉染め、次の年もやりたい
※追記:使用したオックスフォード生地自体が、とてもキレイな色に染まる生地のようです。別の木綿生地を同じようにブルーベリーの落ち葉で染めても、同じ色にはならないかもしれません。
※追記:紅葉した葉っぱの色素はアントシアニンといわれて、退色しやすい色素です。でも、このシャツは時間とともに色が濃くなったので、その色素は別物なのか?など疑問がいっぱいです。
※アントシアニンの染め方をまとめたページはこちら→ アントシアニン色素で染めたい