椿の花染めでハンプトートバッグを染める
椿の花びらでハンプの布を染めて、トートバッグを手作りした時の染め方を書きます。
「真っ白」だった布が「ほんのり色がついた状態」に染まり、時間が経つと、ピンクというよりはキナリ色になりました。その状態で1年以上使っています。
花びら染めは退色が早いためオススメではありませんが、小学生の色水作りみたいで楽しいです。
染めた日:2018年3月25日~2018年4月8日
※追記:2020年はツバキ科の植物にチャドクガが大量発生していて、大変かゆいので要注意。毛虫だけでなく、抜け殻が風で舞ったもの、産み付けられた卵もだめで、冬でも注意。
目次
椿の花びら染めの流れ
- 花びらから色素を抽出
- 布を濃染
- 水洗い
- アルミ媒染
- 水洗い
- 染色
- 水洗い
椿の花びらから色水の抽出
椿はお花ごとボトンと下に落ちるので、採取しやすいお花です。きれいなうちに拾います。
できるだけ濃い色の花びらを使って、できるだけ濃く色素を取るのがオススメです。ピンクでは失敗しました。
また、生地の量(450g)に比べて花びらは350g程度だったので、少なすぎました。
※目安の量はこちら→ 草木染めの材料となる植物や染料の量
ピンクの椿で1回目は失敗
3月下旬、大輪のピンク色の椿の花がたくさん落ちていたので、拾いました。黄色いオシベや黒っぽく変色した部分は取り除き、ピンク色の花びらの部分(花弁)だけを使いました。
椿の花びら部分は350g。900mlのガラスビン2本に詰め込みました。入る量の水と、1本当たりクエン酸小さじ1を入れて、ふたをして2週間くらい、戸棚の中で放置しました。
詰め込んだところの写真。
2週間後、水がピンク色になったので、これを使いましたが薄すぎました。
乾いた後の帆布の色。白い壁と比較すると、ほんのり色が付いていますが、ほぼ白でした。
下記を反省点として、改善することにしました。
- ピンクではなく、赤い花びらを使う
- できるだけ色素を抽出するため、ミキサーを使う
- できるだけ色素を抽出するため、残った花びらで2番液以降もとる
- できるだけ薄めず、濃い染液にする
赤の椿。ミキサー使用
赤い椿の花びらでやり直すことにしました。少しずつ道端で拾い、花びら部分だけを冷凍庫に貯めていました。
椿の花びら部分は337gでした。生地の量を考えると、不足しています。クエン酸小さじ1を水500mlに溶かしました。花びらとクエン酸を溶かした水を入れて、小分けにしながらミキサーにかけました。
ミキサー後のドロドロの液をガラスビンに溜めているところ。
花びらを不織布でこしました。粉々になった花びらもまだ色がありました。
残っている色もとるため、ガラスビンに残った花びらと、クエン酸を溶かした水を入れ、フタをして振り、5分時間を置いてからこす、という作業を5回繰り返しました。5回で薄い色になったので終わりにしました。
抽出された染液は混ぜて使いました。
ピンクの花びらの余りも同じようにミキサーにかけて、あわせて使いました。
椿染めの濃染、媒染、染色作業
染めた布
染めた布は精練済の8号帆布。92cm巾1m分、約450g。Yahooショッピング「いのや」で購入しました。バッグの型紙と、染めに使う容器の大きさを考慮して、カットしました。
濃染
帆布は木綿なので、濃染が必要かと思ってディスポンで濃染処理をしました。
※濃染剤の詳細はこちら→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて
衣装ケースを容器にして、濃染剤(カチオン化剤)の処理をしました。お湯12リットル(80℃)にディスポン50cc。びょうぶだたみに布を静かに沈めて、ときどき容器ごとゆすりながら20分つけました。
その後、アントシアニン色素での染物で、濃染剤を使うと上手く染まらないこともあったので、このディスポンでの濃染処理がよかったのかはわかりません。
水洗い
終わったら、しっかり水洗い。大きい布なので、シンクに水をためて洗うと洗いやすいです。
アルミ媒染
使ったミョウバンは、誠和(高田馬場にある染料店)で購入したカリミョウバンです。
※みょうばん媒染の詳細はこちら→みょうばんアルミ媒染液の作り方
焼みょうばん小さじ5杯(25gくらい?)を、熱湯で溶かしました。白濁しています。お湯が少なく溶けなかったので、上澄みを移してから再度熱湯を足して溶かしました。
溶けたら、衣装ケースに水20リットルに薄めました。お風呂場の床で作業しました。
温度は30℃でした。お風呂場で、生地をたぐりながら、ゆすりながら、20分。帆布は厚手なので、折れないように気をつけました。水20リットルでも、水量が少なく作業しにくかったです。ペーハーは4ぐらい、酸性でした。
染液につける
布をシンクで水洗いした後、水分を切ってから染液に入れました。洗濯物カゴを使って、花びらから抽出した液を、最低限の水量で薄めました。なぜか染液が泡立っていました。酵素か何かの影響?ペーハー3、酸性でした。
20分後、さらに泡だらけでした。
ピンク色に染まっているので、水洗いして終了することにしました。濃い色のピンクに染まっているように見えました。
乾燥
お風呂場に干しました。縫製前なので、縫い代になる部分を洗濯ばさみで留めました。
乾燥後は薄いピンク色
乾いたら、薄い色、くすんだベビーピンクでした。
できあがり
大き目のトートバッグに縫製しました。真っ白ではない、キナリっぽい雰囲気のバッグになっています。
バッグの内側。残った染液で薄い木綿布も染めて、縫い代の処理に使いました。それは茶色がかっていました。
椿の花びら染めで思ったこと
- 花びらで染めるのは、むずかしい。ぬれている状態で色がついても、乾くと色が消える
- 真っ白な生地を、ほんのり色がついた状態にする程度の染まり具合
- 同じように朝顔の花や、バラの花などでも染色してみたい。が、花の量が必要になるのでむずかしい。
※花びら染めはアントシアニン色素の染色になります。アントシアニン色素についてはこちら→ アントシアニン色素で染めたい
※ハンプのトートバッグを他の染料で染めた色はこちら→ お昼休み用ミニトートバッグの作り方
※不明点がありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから教えてください。