2020年3月21日(土)椿染めワークショップ開催報告

椿の花と椿染め

椿染めの体験ワークショップを開催しました。民家のお庭にある、ツバキの枝と葉っぱをみんなで採取。ストールや木綿糸などをピンクや黄色に染めました。

定例のワークショップとしては、新高円寺の民家最後の回でした。「枝や葉をとるところから体験できて嬉しい」との感想もいただき、ここだからできること、最終回のテーマをお庭の椿にしてよかったです。

今回は初参加の方4名、リピーター2名でした。初参加の方は、草木染めを調べていて見つけてくださった方やインスタグラムから知った方。みなさん初対面同士だったのですが、染物以外の好みも似ていたからか、打ち解けた会になりました。

※ワークショップ最新情報はこちら→ 草木染め体験ワークショップについて

※追記:2020年はツバキ科の植物にチャドクガが大量発生していて、大変かゆいので要注意。毛虫だけでなく、抜け殻が風で舞ったもの、産み付けられた卵もだめで、冬でも注意。

植物の採取から

ポカポカ暖かく晴れた日で、絶好の染め日和。

中庭にある、大きな椿の木。ちょうどお花は咲き始め。品種は知りませんが、やけに葉っぱが大きくてツヤツヤした椿です。

椿の花

お部屋から見えない上部を中心に、剪定ばさみで枝を採取しました。木の脇に外階段があり、そこから手が届いてちょうどよかったです。

椿の枝の剪定

枝と葉に分けて下処理。これが結構大変で、予想以上に時間がかかりました。

染液抽出前の下準備

酵素を利用した染め方を藍熊染料で習ってきたので、その方法を活用しました。

※習った時の話はこちら→ 椿の枝、椿の葉の草木染めを習う(藍熊染料)

※枝の染め方は、これに近い感じ(厳密には少し違います)→ 椿染めハンプトートバッグの染め直し

椿の染液作り

葉っぱと枝は別々にして、鍋に入れて煮出します。これはアルミ鍋。ステンレス鍋が理想ですが、アルミ鍋でも問題ないと思います。

椿の葉から染液作り

煮あがった葉っぱはこんな感じでした。お茶みたいな匂いがします。

椿の葉から作った染液

椿の枝からとった染液をこしているところ。テトロンメッシュ紗#80でこしてますが、不織布とかお茶パックとかサラシとか、目が細かければなんでも大丈夫です。

染液をこす

枝からとった染液は、空気を含めて赤みを出しました。液の色は、事前のテストとは違う感じ。再現するのはやっぱり難しいです。

椿の枝の染液

生地の下処理

下準備としては、濃染剤で濃染処理をしました。使ったのは、濃染剤カラーアップZBです。

※濃染剤の説明はこちら→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて

事前に色テストした生地。濃染しないと色がつかず、シルクよりも濃染した木綿の方が濃く染まりました。濃染剤との相性がよさそうです。

椿染めテスト色見本

椿で染める作業

染め始めたところ。ちょっと液が薄い感じはしましたが、生地に入った色はきれいなピンクでした。ビワ染めにも似た感じです。

椿染めの作業

ぐっと色を吸って、残った染液が透明になっています。

透明になった染液

葉っぱの染液は黄色。布に入った色は、やけに黄色が鮮やかで驚きました。これが酵素効果なのかな。

椿の葉っぱ染め

アルミ媒染

酢酸アルミで媒染をしました。田中直染料店のものです。水で溶かして薄めます。みょうばんより生地にやさしいです。

酢酸アルミ

お家で手軽に媒染するなら、スーパーで売っている漬物用の焼きみょうばんがおすすめです。

※みょうばん媒染液の作り方はこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方

アルミ媒染しているところ。ピンクは色が弱まる感じ。黄色は濃い色すぎて、発色しているかわからず。

アルミ媒染

再度染液へ戻したところ。やっぱり黄色は濃すぎて変化がよくわからず。

再染液

写真は撮り忘れましたが、枝の方は、2番液の方が赤みが出た感じがしました。

椿と椿染めの写真撮影

椿の木の前で、写真撮影にチャレンジ。

椿の花が高い位置にあるので、顔を写さずに一緒に写真を撮れるか頑張っているところ。

椿の花と椿染め

円陣でも撮影しました。

椿染めのストール、Tシャツ、木綿糸

椿の葉染めのユニクロTシャツ。ユニクロはきれいに染まりやすいです。

椿の葉染めのTシャツ

こちらで用意したコットンシルクストール。かわいいピンクです。

椿の枝染めコットンシルクストール

こちらで用意した横段模様のコットンストール。これは今回で在庫が無くなりました。こちらもかわいいピンクです。

椿の枝染めコットンストール

無印良品のふきんは、タグまで染まってました。濃染剤の効果?

椿の葉染め無印良品ふきん

木綿の晒し。右側は、枝染液(ピンク)→媒染→葉染液(黄色)を試みたもの。薄いピンクベージュ色になりました。

椿染めの晒し

葉の黄色も、枝のピンクも、なかなかいい色に染まりました。濡れた状態なので、乾くと色は薄まります。

参加した方は、乾燥後のお写真をお時間がある時にお送りいただけると助かります。このページに追記します。

和綿の椿染め

この民家は、和綿を紡ぐ活動にも使われていて、めずらしく作業日が重なりました。

染液をおすそわけ。紡ぐ前のワタを染めているところ。

和綿を椿染め

ワタは、なんだかおいしそうに染まっていました。

椿染めの和綿

種から育てたワタなので、そうなってくると濃染剤を使うのはもったいない感じもします。もっと染めてみたいという要望もあったので、次にやる時は、どう下地をするか考えたいです。

ついでに、参加者が綿花から種を取る機械を体験させてもらったりしました。

ワタの種取り

いろいろあって、楽しかったです。

定例のワークショップは最終回としましたが、部屋を使えるしばらくの間は、ワタ染めの会など、臨時の染め会は開催できるかもしれません。

次回のワークショップ

来月4月はコチニールでピンク系を染めます。また違った色あいです。

コチニールは食品添加物としても使われる赤色系の動物染料(カイガラムシ)で、見た目は鉱石みたいです。

コチニールの染料

新しい場所なので、濃く煮出して薄めて使える乾燥染料を選びました。濃染剤は使わずに、ミロバランで下地をします。興味がある方はぜひご参加ください。

※追記:コロナウイルス対策のため、4月のワークショップは中止となりました。

椿染めの乾燥後の色

乾燥後の写真を送ってもらいました。ありがとうございます。

横段模様のコットンストール。

椿染めコットンストール

持込みのハンカチやマスク。こちらで用意しているポケットティッシュケース。

椿染めハンカチなど

こちらで用意したコットンシルクストールと、ポケットティッシュケース。

椿染めストールとポケットティッシュケース

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。