2025年6月15日(日)葉っぱで緑染めワークショップ開催報告(岡山)

緑染め体験作品

要望があったので、葉っぱで緑染め2回目を増設して開催しました。場所は、岡山駅からほど近い貸し施設です。

今回の参加者は、リピーター2名、初参加4名。インスタグラムを見た方、手芸好きな方が多かったです。

今回はクズ(葛)とセンダン(栴檀)の葉を使ったのですが、クズは緑にならず緑染めとしては失敗。センダンは前回に増してきれいな緑色が取れました。染料採取(私の事前作業)がキモだと感じました。

できるだけ緑色に、とがんばってかなりバタバタしましたが、それも含め楽しく染められたかと思います。

※ワークショップ最新情報はこちら→ つぎいろ草木染め体験ワークショップ

染料のクズとセンダン

今回の緑染めの染料はクズとセンダンを選びました。前々日に枝やツルごと採取して、前日に葉っぱを取りました。

クズはこれ。近場の壁をはっていたものをツルごと採取しました。

葛

クズは、ドライブ中に道脇でよく見かけます。うねうねツルが他の木に巻き付いていたりします。

以前のワークショップで緑がきれいに出た時と採取した葉の違いを考えると、以前は道端の地面で採取したので、手前の取りやすい部分を取って、黄緑色の若い葉が多かったこと。今回はツルを丸ごと取ったので、根元に近い緑色のしっかりした葉も多くなりました。

※以前の様子はこちら→ 2023年5月27日(土)葉っぱで緑染めワークショップ開催報告(岡山)

センダンはこれ。古家にあるジャマな大木。冬に高枝切りバサミで枝をすべて伐採したのですが、初夏に幹から新しい葉っぱが出てきました。

栴檀の木

採取後。

栴檀の木採取後

※センダンについてはこちら参照→ 緑染め(緑葉染め)センダン染め

ワークショップの雰囲気

葉っぱから煮出して染液を作るので、葉っぱの取り方を説明しました。

栴檀の葉と葛の葉

ステンレス鍋3個を使って煮出しました。どう煮出すかによっても色の出方が変わります。

センダンの葉を煮出しているところ。

センダン煮出し

クズの葉を煮出しているところ。葉っぱの見た目はクズのほうが緑色でした。

クズ煮出し

煮出している間に、布の前準備をしました。今回はすべて持ち込みの布や糸です。

手まり用の綿糸の濃染処理をしているところ。

綿糸の下準備

こちらはチャルカで紡いだ糸。よく染まりそうな感じがします。

紡いだ糸下準備

ダブルガーゼ。これもよく染まりやすそうな感じがしました。

ダブルガーゼ下準備

この靴下は化繊も多少入っているもの。どう染まるかな?

下準備

お家で豆乳下地してきた糸や布もありました。

豆乳下地した糸や布の前処理

センダンの葉から、緑色の染液が取れました。

センダン染液の色

上から見ても緑っぽいです。染液を調整して染めます。

栴檀染液

クズの染液は黄土色でした。こちらも調整しました。

葛染液

とりあえず、各自担当した鍋の液を使って染めてもらうことにしました。

センダン染液での染め始め。淡い緑でした。前回よりもいい液が取れた気がします。

栴檀染め作業

クズ染液での染め始め、ベージュでした。

葛染め作業

なぜかゴム手袋はクズの染液で緑っぽく染まりました。不思議。

染まった手袋

媒染。緑染めには色を固定するのに銅媒染をします。媒染には発色の効果もあります。

銅媒染

白いのは豆乳下地をした糸で、染めずに先媒染しているところ。

銅媒染

センダン染液に戻すと、竹繊維ストールは緑色に。豆乳下地?

緑染め作業

シルクの靴下も緑色に。

緑染め作業

今回は1回だけ煮出す予定だったのですが、急きょ2番液も煮出して、重ねて染めました。緑色が重なりました。

緑染め作業

残液も使って、緑色を目指しました。

緑染め作業

板締め模様を入れているコットンガーゼ。

板締め絞り

化繊も入った靴下は明るい緑色に。履き口の部分が濃く染まっています。前も同じことがあって、何なのか解明したいです。

緑染め靴下

履きやすい色にしたいということで、残り時間を使って色変もさせました。

靴下色変化

染め上がり。濡れた状態なので乾くともう少し薄い色になります。豆乳下地の糸が淡色。ガーゼ布の板締め模様もきれいに入りました。

緑染め体験作品

竹ストールの模様。

緑染めストール

冷房も付けたのですが窓を開けてしっかり換気をしたので、少し暑かったかも。

今回はキャンセル待ちが出て、参加できなかった希望者もいました。また季節が巡ってきた時に、緑染めワークショップをできればと思います。

次回のワークショップ

6月は下地染め(五倍子下地)のワークショップを6/29(日)にします。

参加者募集中です→ 2025年6月特別企画「下地染め」ワークショップ参加者募集(岡山)

木綿をそのまま草木染めすると染まる色が薄いことが多く、下地染めすると濃く染まります。普段は濃染剤を使っていますが、タンニンを含む植物染料である五倍子を使うことでも下地染めができます。下地染めした布は、お家で草木染めしたり、今後のワークショップに持ち込んで染めてもらえたらと思います。

7月はいつも藍の生葉染めをしていますが、藍の育ちがゆっくりなのでやらないかも。別の染物を検討中です。

乾燥後の色あい

乾燥後のお写真を送っていただきました。

シルク靴下。とてもきれいとのことです。

センダン染めシルク靴下

竹ストール。お家で豆乳下地してきたもの。涼しげなグリーンとのことです。

センダン染め竹ストール

手紡ぎの木綿糸。抹茶ソフトクリームのようとのことです。

緑染め綿糸

手まり用の綿糸。左1個が濃染剤、他は豆乳下地。

緑染め綿糸

お家でセンダン染めした綿糸。左から銅媒染、ミョウバン媒染、鉄媒染、マテ茶染め(薄黄色)の染め直しなど。また違った色とのことです。

センダン染め綿糸

また別の方が、お家でセンダン染めした綿糸。左側が2番液、右側が1番液。全く違う色になったとのことです。

センダン染め綿糸

こうやって並べてみると、少しずつ違う色に染まっていて、自然の色なのだと感じますね。

ガーゼハンカチと化繊も多少入った靴下。

センダン染めハンカチ
センダン染めハンカチ
センダン染め靴下

ご協力ありがとうございます。

※ワークショップ全体についてはこちら→ 草木染めワークショップについて

※草木染めについて知りたい人はこちら→ 草木染めの目次

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