藍の栽培地植えに挑戦(生葉染め用)

藍畑6月下旬

2021年のタデ藍の地植え栽培の記録ページです。

2021年に初めて藍の地植え栽培に挑戦。2021年4月に東京から岡山市に移住したので、市民農園の1区画を借りてタデ藍を育てました。

※2022年はベランダで苗を作り、転居に伴い、畑は違う場所を借りて育ててました。その話はこちら→ 藍の栽培地植えに挑戦2022

※2023年はこちらに記録中→ 藍の栽培。地植えに挑戦2023

※初めて藍を育てたのはベランダの植木鉢でした。ベランダ栽培の話はこちら→ 藍の種と栽培(生葉染め染料用)

発芽と苗作り

地植えの場合は、セルトレイに数粒ずつ種まきして苗を作るのが一般的なようです。

発芽

こぼれ種の植木鉢を放置していたら次々発芽してしまい、土は去年のままなのに、密集した状態。(2021年3月30日撮影)

3月末の藍の芽

引っ越す前、まだ東京23区内のマンションのベランダです。この時は、ひょろっと徒長しそうな雰囲気はありますが、葉っぱ自体は元気そうでした。

ポットへ移動

せっかく芽が出て、もったいない精神が発動。

紙を巻いたポットを作り、少しずつ移動して、苗にすることにしました。が、これは失敗でした。種はあったのだから、普通に種まきすればよかったです。

手作り紙ポットに芽を移動

全然育たないまま時間だけが過ぎて、2ヶ月後。全然成長してない状態。下のほうの葉っぱが赤くなり、よくない感じ。こんなに状態の悪い苗、見かけませんよね・・・。

藍の苗

地植えへ植え替え時、紙ポットを外したところ。苗がひ弱な感じ。

紙ポットの植え替え

そして、お金は0円で済んだけれど、紙という資源ごみが燃やすゴミになりました。(移住によって、有料ゴミ袋生活に切り替わったので、ゴミ意識が高まりました)手持ちの紙で作れるポットはサイズが小さい上に、資源の無駄になるのでよくないです。反省。

ビニールポットに移したものと比べても全然違う。大きいポットじゃないと大きくならない?土がよくないのか?(2021年5月2日撮影)

苗作りに失敗した原因を推測してみました。

  • 発芽時期(2月下旬にとてもあたたかい時期があり、3月上旬に発芽。早すぎた)
  • 土の使い回しによる、土の状態の悪さ(液肥を使っていたので肥料過多の可能性大。あと連作障害?)
  • まだ小さい状態で別の土に植え替えた(状態の違う土に変わったストレス)
  • ポットが小さすぎた
  • 水の過不足(ポットが小さすぎて、水分がすぐ乾いてしまう)・・・水持ちの悪さ
  • 追記:私の水やり方法が間違ってて、土に水をあげてて、葉っぱに水をあげてなかったから
  • 追記2022:リン酸の少ない苗は肥料不足になるらしい

「土が悪かった」という気がすごくします。買った新しい培養土を使ったら、もう少し普通に育ったのではないかと思います。

地面に植え替え

引っ越したので市民農園を借りて、地べたに植えました。市民農園の話はこちら→ 岡山市の市民農園

植える位置にポットを並べているところ。だいたい50センチ幅、30センチ間隔。

藍の植え替え位置決め

根本を2回踏んで倒す、と本に書いてあったので踏んでたら、踏みすぎたかも。葉っぱを汚しちゃいけなかったかも。水撒きして終了。

苗が小さすぎて、なんだろう?という感じの畑になりました。

苗植え

移植の2日後、雨がふりました。

3日後。倒れたままの苗もあったので、踏みつけすぎたと思う。

マルチ(黒いビニールシート)はしなかったので、乾燥注意。

定植10日後に追肥しました。苗と苗の間に、発酵油かすを撒いて、土をかぶせました。

油かす

成長と草取り

それから10日後。例年より早く梅雨入り。畑が雑草だらけ。草むしり大変。でもプランターよりは元気に育っています。(2021年5月22日撮影)

雑草だらけの藍畑

できる範囲で1週間置きに草むしりと水まき。岡山は晴れた日が多いです。本当はもっと頻繁に水やりに行くべきなのですが、市民農園は近所ではないのでむずかしい。

植え付けから1ヶ月後。雑草と藍の見分けがつくようになりました。(2021年6月3日撮影)

雨が降らないまま1週間放置したので地割れ乾燥状態ですが枯れませんでした。写真は比較的育ちがよいもの。(たぶんビニールポットで大きめに育った苗)

そこから1週間後。手前が大きかった株2個。奥に見えてるのがひ弱だった株。もともとの苗の大きさで育ちが全然違うけど、あのひ弱株も育っていることに感動。

発酵鶏ふんで追肥と土寄せ。手前の焦げ茶色の土みたいなのが、鶏ふん。追肥しながら土寄せたら、鶏ふんが藍に近すぎる感じになってしまった。多い?枯れませんように。土寄せてから鶏糞を株間におけばいいのか?(2021年6月11日撮影)

土寄せすると、土についた部分からまた茎が出てきて育つらしいです。

鶏フンを使うのが初めてで不安だったので、全滅しないように、場所によって土寄せした後にまいたり、離れた場所にまいたり、やり方を変えました。

水やり後。なんだか藍畑らしくなってきた気がして、嬉しい。

借りた区画が広すぎたようで、草取り&追肥&土寄せの作業は、1回に3分の1しか進まず。あまり作業しすぎると日射病になりそうなので、無理せず進めています。

草取りや追肥をしてない場所のほうが、草と一緒にのびのび育ちがよいような感じもしました。

それから9日後。雨降りの日が何日かあったからか、勢いよく育ってきました。と言っても、岡山は一日中雨が降る日は本当に少ないです。(2021年6月20日撮影)

6月後半の藍畑

収穫

そろそろ染められそうと思ったので、大きめなところを初収穫。

刈り取った藍

それから1週間後。道がなくなってしまい、作業しにくい。なんだか成長が早い。一番刈りしないとまずい気がしてきた。(2021年6月26日撮影)

藍畑6月下旬

一番大きい葉っぱが14cmくらいだった。(2021年6月28日撮影)

14cmの藍の葉

市民農園での体験会開催の朝、花を1つ発見。本当に刈り取らねば、まずい。(2021年7月4日撮影)

その2日後、畑の半分、一番刈りをしました。収穫した葉っぱは本格的に藍染している方に使ってもらうことに。(2021年7月6日撮影)

一番刈り後の藍畑

地面から10センチの場所を、カマでざっくり。

藍の一番刈り

カマの使い方がむずかしくて、根っこがはがれそうな感じがしますが、頑丈に育っているので、それでも大丈夫そう。

自分でちょこちょこ収穫する時は、剪定バサミで脇芽の上をカットしています。

一番刈り10日後。刈り取った後も、すくすく成長。もっと育って2番刈りになります。(2021年7月16日撮影)

刈り取り後の藍

刈り取らずに残った半分は、タイミングをずらしながら収穫する予定。いつでも生葉が手に入る状態にしたいです。

一番刈りの時期を過ぎたので、上の方の葉の色は薄め。育ちすぎて葉っぱが硬めな感じ。でも染まります。

生葉で使わない分は、少しずつ持ち帰って乾燥葉にしつつ、沈殿藍にもチャレンジしています。

6月末に刈り取った部分が育ったので、そこから2番刈り開始。(2021年7月31日撮影)

二番刈り

7月後半から8月上旬まで、20日も雨が降らず。時々水やりはして見た目は元気に見えましたが、その後雨が降った時と比べると、雨が降ったあとの方が断然元気。雨の重要性を感じました。

雨で育ったのか「こないだ刈り取ったはずなのに、もう育っている」という感じ。(2021年8月23日撮影)

8月中は、草むしりもせず、追肥もせず、刈り取りだけ。

7月上旬に一番刈りした部分で8月下旬に二番刈りしてない部分に花発見。(2021年8月28日撮影)

藍の花

9月は、使えるところは使いつつ、あとは放置。(2021年9月5日撮影)

9月中旬、2番刈りをしなかった株から先に、でも全体的にも穂が出てきて、花が咲き始めました。(2021年9月14日撮影)そろそろシーズンが終わります。

藍の花

9月後半。採種用の株を残して、藍を畑から取り除くことにした。取り除くのも結構大変。秋蒔き野菜を作る予定。

10月中旬、早いものは穂が茶色くなってきて、種が取れる状態。ワークショップで参加者におすそ分けしました。(2021年10月16日撮影)

茶色くなった藍の穂

11月上旬。穂が倒れ、茎が真っ赤なものが多くなり、種がたくさんとれました。(2021年11月4日撮影)

11月下旬。少しずつ掘り起こして、残骸を撤去。大変。種取りする株を少し残して、最後の収穫時に撤去すべきでした。放置したのが間違い。(2021年11月24日撮影)

2021年の藍の地植えチャレンジは、これにて終了。

畑の雑草

ベランダの植木鉢と違う点、雑草が勝手に生えてくること。草むしりが大変。

畑の雑草第1位、スギナ。スギナという植物が嫌いになりました。これは藍の中に生えちゃっています。根深くて抜くのが大変です。

藍とスギナ

苗の植え付け前に、なんとなく土の中に根っこがあることには気がついていたのですが、ひ弱な苗をすぐに植えたかったので、そのまま植えちゃったんです。後から思うと、スギナの根っこだったんじゃないかと思います。

株から遠い部分は三角ホーというカマで、こそげるように草取りしたり、掘って根っこごと取ったりしています。が、スギナの場合は根っこ全体は取れなくて、プチッと切れます。

ミント。草取りしていると、ハッカのニオイがしてミントだと気がつきました。抜いたのを持ち帰ってベランダに植えることにしました。虫よけにしたいです。

他にも、いろいろな雑草と、たぶん昔の作物の根っこから発芽したと思われる葉物野菜?が出てきます。私が判別できてないだけで、ミント以外のハーブもあるのかもしれません。

畑の雑草第2位。ツル性の雑草。名前はわからないけど、ヒルガオみたい?藍の茎にからみつくので、収穫のジャマです。

ツル性の雑草
ツル性の雑草

畑の虫

ベランダの植木鉢と違う点、虫がいること。

藍の葉っぱは、ピチピチきれいな状態ではなく、ところどころ虫食い状態。

とりあえず、農薬をまいたりはしてないです。使ったことがないのでよくわからないし、使わなくてもそれなりに育って染まるなら、使わない予定です。

日焼け防止に長袖、長ズボンという普段着で作業しています。とある日、暑かったので半袖で作業したら、かゆかったです。蚊ではないものに食われました。虫除けスプレーせずに作業したのと、半袖が間違いでした。

土の中にミミズがたくさんいます。てんとう虫も葉っぱに時々見かけます。てんとう虫がいるということは、アブラムシもいるのかも。カタツムリも複数匹見ました。カタツムリはよくないかも。小さい芋虫もいて、草むしりしていて気がついたら取ったりしましたが、ていねいには見てないです。チョウチョが飛んでいるから、幼虫がいても全然おかしくないです。

シンクイムシがいると、ヌカみたいなミソみたいなのが茎につくそうです。収穫時に発見。わざわざ探し出せないので、見つけたら駆除したいと思います。

シンクイムシ

8月になって、大きな虫食いが一部に出てきました。下の葉っぱの上に、紺色のフンみたいなもの。染まりそう。虫自体は見つけていません。

虫食い藍の葉

白い斑点も発見。結構広範囲にありました。何もせず放置。

白い斑点のある葉

肥料と追肥のこと

肥料の加減がよくわかりません。本を読みつつ、みようみまね。

油かす

発酵油かす。1回目の追肥に使いました。株と株の間に溝を掘って埋めました。発酵していない有機肥料を埋めてしまうと、発酵時のガスで植物を傷めてしまうらしい。(窒素4%リン酸6%カリ2%)

鶏ふん

発酵鶏ふん。100円しないぐらいの価格でホームセンターに売っていました。もっと高いのもあったけど、値段の違いは何でしょうか?(窒素2.3%リン酸5.4%カリ2.9%)

発酵鶏ふん

本には、化学肥料でしっかり育てるのがおすすめで、チッソを中心に追肥、と書いてありました。よく見ると肥料のラベルに、きちんとチッソ・リン酸・カリの割合が書いてあります。ここから計算して量を決めるべきなんだと思いました。今まで、そんなこと考えたこともなかったです。

鶏ふんは使い続けるとアルカリ性になりやすくて土が固くなるとか、リン酸過多になる?よくわからない。

ずーっと前に買った液肥も持っていますが、どう捨てればいいかよくわからないまま、持っていて、ラベルももう無い状態。この液肥を適当に薄めて使ったから、それが濃すぎて肥料やけを起こしたり、プランターの土の状態を悪くしたのではないか?と推測していて、なので、液肥はまだ使っていません。

でも、追肥した場所もしない場所も育っているので、農園ではじめに入れてもらった元肥の影響が大きい気もします。元肥は牛ふん。肥料というより土壌改良材です。

必要ない感じがしたので、一番刈りが終わる前に追肥はやめました。葉っぱが白っぽくなったり、虫に食われたりしたのは、その後のほうが多くて、単なる時期的なものか、栄養分の偏りが影響しているのか?

藍の地植え栽培で思ったこと

やるべきことは、水やり、草むしり、土寄せと追肥。枯れないか不安でしたが、すくすく成長。

一度にたくさん収穫できても、生では使い切れないことがわかった。せっかく育った藍が無駄にならないよう、自分なりの優先順位をつけて活用したい。

地植えでしっかり育つと、インディゴ量が多くて染まりそうな反面、生葉染めする時のミキサーにかかる負荷も大きい感じ。

育ちすぎて困る。来年は半分か、4分の1でも多いかもしれない。

※不明点がありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、なんなりと聞いてください。お気づきの点があれば、アドバイスもぜひお願いします。

※2022年の記録はこちら→ 藍の栽培地植えに挑戦2022