緑肥ヘアリーベッチ大作戦・春まき

ヘアリーベッチの種

藍が終わった後、冬場に畑を放置していました。秋野菜やハーブを育てるつもりがあまり発芽せず、雑草も少なく更地な状態でした。

藍畑の土準備として、3月になったら牛糞を入れて耕す計画だったのですが、予定変更。緑肥にヘアリーベッチ(ナヨクサフジ)をまくことにしました。

藍の苗の植え付けはゴールデンウイーク頃の予定。2ヶ月と短期間なので無理やりな感じもしますが、とりあえずやってみて、発芽しなくてダメだったら4月に牛糞を元肥に入れます。(と思っていたけれど、ヘアリーベッチが育っても育たなくても、牛糞元肥はやめることにしました。よく観察して、足りないと思った時に追肥する形にしようと思います。)

緑肥ヘアリーベッチの種を買う

奇跡のリンゴで有名な木村秋則さんの自然栽培の本を読んでいたら、窒素の供給元となるマメ科の植物として大豆(エダマメ)以外にヘアリーベッチが出てきたので、その名前が頭の片隅に残りました。

その後、春からの家庭菜園に向けてコタン(自然食品のお店)に固定種の種を買いに行ったら、ヘアリーベッチの種も売っていて、つい購入。

ヘアリーベッチはマメ科の植物で、根っこに根粒菌があり、窒素を土に供給してそれが野菜の栄養にもなる、という仕組みです。

雑草の発芽や生育を抑制するアレロパシー効果が強くて、雑草対策としても使われています。

なので注意点もあって、種まきをして育てる野菜には注意が必要。藍は苗にしてから植え付けるので大丈夫と判断しました。

普通は夏野菜が終わった後、9月~10月頃に蒔くものですが、早春に蒔くものもあります。秋まきだと90%以上、春まきだと60%程度の雑草抑制効果。ヘアリーベッチは夏に勝手に枯れます。土にすき込んだり、草マルチにしたりできます。

ヘアリーベッチ春の種まき

思い立ったのが3月に入ってからだったので、3月上旬の種まきになりました。

目的は藍の栄養なので、藍の苗を植え付ける予定位置の株間にヘアリーベッチを種まきしました。横60cm間隔、縦30cm間隔、5列分。嫌光性なので穴を開けて埋めました。種まき後にじょうろで水もあげました。

種まき位置

ばらまきするのが普通ですが、土をかけるのがめんどくさいし、小さい畑なので穴開けて埋めるほうが早いです。

買った種の袋には、種蒔き時期が9月~10月しか書いてなかったので、春でも育つのか。気温低すぎないのか。ちょっと不安です。

ヘアリーベッチ発芽

3月3日に種をまいて、3月22日に発芽に気づきました。位置を決めて点まきしたその位置に、等間隔に芽が出ているので、たぶんあっているはず。

周りの雑草より小さいです。

まだ芽が出てない位置のほうが多いです。

元々畑にあったカラスノエンドウみたいな雑草は3月からぐんぐん育ちはじめたので、ヘアリーベッチを秋蒔きしていたら3月にどんどん育ったのだろうと思います。(カラスノエンドウもマメ科で窒素固定ができるのだから、カラスノエンドウを育てればいいのでは?という気もします。何が違うのだろう?)

ヘアリーベッチの成長具合い

3月29日。徐々に他の場所も発芽して育っていますが、元々畑にある周りの雑草のほうが育ちがいいです。4月末までに、少しでも育ちますように。

3月下旬ヘアリーベッチの芽
ヘアリーベッチと周りの雑草

4月4日。しっかりしてきた気はしますが、まだまだ全然小さいです。

4月中旬、暖かくなってきて、雨の日も何度かあって、周りの雑草はぐんぐん育つ中、ヘアリーベッチはたいして大きくなっていません。かなり負けています。

雑草とヘアリーベッチ

その畑に入った新しい植物・種なので、土地になじんでよく育つまでに時間がかかるのかも?

4月下旬、ヘアリーベッチは多少ですが存在感が出てきました。なのですが、藍の定植に向けた前準備として草刈り開始。ヘアリーベッチも地上部は刈ります。

雑草とヘアリーベッチ

というわけで、春蒔きヘアリーベッチの成長記録はここまでです。徐々にしっかりしてきたので、5月からも引き続き育てたら、もっと育ちそうとは思いました。

ヘアリーベッチと発芽抑制

ヘアリーベッチから20cm位離れた場所に、藍の種をまいたのですが、発芽しました。抑制されていなそう?左側の小さい双葉が藍の芽で、右側がヘアリーベッチです。

藍の発芽とヘアリーベッチ

ヘアリーベッチの移植

3月31日。場所の一部を苗床に使うため、そこに芽生えていたヘアリーベッチを別の場所(サツマイモを育てる予定のウネ)に移動しました。根付くかな?

ヘアリーベッチの植え替え

5月以降のヘアリーベッチ

藍の横

藍の苗床横のヘアリーベッチだけ、観察用にそのまま残しました。

5月中旬。下の濃い緑色がヘアリーベッチです。上は藍の苗床で、移植せずにそのまま育て続けている部分です。

6月下旬。咲いた花は紫ではなくて、白色でした。白くていいのかな?ヘアリーベッチなのか自信がなくなってきました。

6月下旬のヘアリーベッチ

7月下旬。枯れてきています。

7月下旬のヘアリーベッチ

藍もアレロパシーが強い植物らしいので、その影響があるのかも気になります。

サツマイモ横

移植したヘアリーベッチは、そのままにしています。5月下旬、かなり育ってきました。

6月上旬。まだ育っています。右側の白いのはカキ殻です。

6月上旬のヘアリーベッチ

6月中旬。まだ育っています。下はこのウネに定植したサツマイモです。

サツマイモウネのヘアリーベッチ

こっちはヘアリーベッチのはず。花は咲いてません。

ヘアリーベッチの根粒菌

3月31日。種まきして1ヶ月弱。草刈り時に間違えてカットしたヘアリーベッチ。根っこを見たら粒が3個できていました。根粒菌の根粒ですよね。

ヘアリーベッチの根粒菌

5月初旬、引っこ抜いてしまったヘアリーベッチ。10個以上根粒がありました。

ヘアリーベッチの根粒

ヘアリーベッチをまいた理由

なぜいまさらヘアリーベッチ大作戦をしようと思ったのかというと、藍に肥料をどうあげるか悩んでいるからです。

家庭菜園に向けて自然栽培や自然農の本を読むうちに、藍に虫食いが多かったのは肥料が多かったせいでは?という疑惑が生まれてきました。

いまいち、あげる肥料の加減がつかめません。油かす、牛糞、鶏糞などの有機肥料と、米ぬかなどが原料の手作りぼかし肥を使いましたが、適当だから、あげすぎてしまうのかも。

今年は藍の横で家庭菜園をする予定ですが、初めてなので不耕起無肥料にしてみて、どんなものか様子をみようと思っています。

でも、藍はどうするか悩みます。

藍が不作すぎると、夏に藍の生葉染めワークショップができなくなってしまうので、ある程度は育って欲しいです。2022年はすくも作りを習う用の乾燥葉が必要でしたが、今年はそれはないので多少の不作は大丈夫です。

少しでも肥料の代わりになればと思って、ヘアリーベッチを春まきしてみることにしました。

今年の秋は、休耕する場所はきちんと緑肥をまいて、敷き草にしていこうと思います。

ナヨクサフジ染め

ヘアリーベッチの和名はナヨクサフジ。去年、野草染めワークショップに向けて染めテストした時、野草の中にナヨクサフジも少し入ってました。空き地にあったのですが、雑草を抑える緑肥があったこと、今さら納得しました。私にはヘアリーベッチ自体が雑草に見えたのですが、違っていたのかも。

※野草染めテストした時の話はこちら→ カラスノエンドウ染め(雑草で草木染め)

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