紅茶染め自由研究

紅茶染め茶色とピンクベージュ

台所にあるもので草木染めができたらいいと思っていて、紅茶染めを自由研究中です。

テストした結果と、紅茶の色素や紅茶染めで染まる色について書きます。

紅茶の色素はテアフラビン類、テアルビジン類。タンニンの仲間です。紅茶はお茶の葉を発酵して作られていて、そこで赤みができるという仕組みが興味深いです。

紅茶染めで染まる色

紅茶で木綿を染めた色は、ピンクみはあるけれど薄い色でした。そして、濃く染めようとすると茶色くなりました。

すべて同じ茶葉(アッサムブレンド)を使っています。

染まった色

シルク(左)はキャメルっぽい茶色。濃染していない木綿サラシ(右)は淡いピンクベージュ。紅茶5g(大さじ1)/熱湯500ml

紅茶染めシルクと木綿

木綿をパーソナルカラーの色見本と比べると、春の色に近い。でも、かなり色が薄い。

紅茶染めサラシの色

※パーソナルカラーについてはこちら→ パーソナルカラーのこと

染液の作り方での違い

熱湯抽出3分×3回(左)と煮出し9分(右)での色の差。熱湯3回のほうが微妙にクリアな色。(かなり微妙な差)濃さの差という可能性もある。

熱湯抽出と煮出しの紅茶染めサラシ

最後の処理での違い

左から、そのまま、最後に酢水、重曹水、石灰水につけたもの。上段がシルク、下段が木綿。酢水では変わらず。重曹水や石灰水では、シルクはこげ茶色っぽくなり、木綿はくすむ。

最終処理での色の違い

濃いめ放置の場合

濃いめ(紅茶大さじ2/水500mlを20分煮出し)の染液を5日放置して、温め直して染めた場合。シルク(左)も木綿(右)も茶色。ピンクではない。

クリームダウン後の紅茶染め

ピンクだけを増やすにはどうしたらよいか、要検討。重ね染めしたらどうなるか、今後やってみたいです。

紅茶染めテストの材料

  • 紅茶の茶葉(「日東紅茶こく味のある紅茶」アッサム70%以上)大さじ1~2杯/水500ml
  • 焼きみょうばん 少し
  • 場合により、お酢、重曹、石灰(海苔の乾燥剤)

紅茶染めテストの手順

  1. 紅茶を煮出す/熱湯を茶葉に注いで染液を作る
  2. 生地をお湯つけておく
  3. 染液に生地をつける 20分
  4. 水洗い
  5. みょうばん媒染液に生地をつける 20分
  6. 水洗い
  7. 染液を温めて生地をつける 20分
  8. 水洗い
  9. 酢水/重曹水/石灰水に各5分つける
  10. 水洗い
  11. 自然乾燥

※いつもの染め方と同じです→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹

紅茶染めテストの写真と詳細

使った紅茶

家にあった紅茶はアッサム系。渋い系の濃い味です。「ミルクティーに合う」と書いてあるような、濃いめの紅茶が好きです。

茶葉の発酵度合いで紅茶ポリフェノールの含有量が変わるので、紅茶の種類によって違う色に染まるかと思います。アッサムはテアルビジンの含有量が多いらしいです。ダージリンは発酵が弱めなので、また違う色になりそうな予感。

染料は紅茶の葉

染液作り

染液は、2種類のやり方を比べました。

1つは、普通に紅茶を飲むときみたいに、器に茶葉大さじ1を入れて、熱湯を注ぎました。3分を3回。お湯が合計500ml。

写真は、1煎目、2煎目、3煎目で取れた液。3煎目がやや薄いかな?そんなに変わりません。3つを混ぜて使用。飲んだら、いつもの紅茶の味でした。

もう1つは、鍋に熱湯を沸かして、沸騰してから茶葉を入れて、フタをして9分煮出しました。煮出した液は、渋かったです。

テアフラビンにも種類があって、シンプルなテアフラビンは、鮮やかなオレンジ色で、渋くないらしい。没食子酸の部分が沢山ついている方が渋みが強いらしい。アッサムは渋く、沢山付いてるものが多い。(よくみるタンニン酸の図には、没食子酸がたくさん付いているから、付いてたほうが、よく染まりそうな感じがする)

染液の色

紅茶の色って、水位があると赤く見えるけれど、よく見ると黄色っぽいです。

紅茶染液の色

左が飲むときみたいに入れたもの。右が煮出したもの。

出し方での液色の違い

お湯で濡らしておいたハギレ(シルクと木綿)を入れて20分。

紅茶染め1回目

水洗いした後。上が木綿、下がシルク。ベージュっぽい色です。

紅茶染液1回目の色

みょうばん媒染

みょうばん媒染液に入れると、木綿はベージュっぽさが抜けて、ピンクっぽい雰囲気になりました。

みょうばん媒染

※みょうばん液の作り方はこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方

みょうばん液は酸性です。先日「チコちゃんに叱られる!」というテレビ番組で、レモンティーの色が薄いのは、テアフラビンが酸性で無色になる(トロポロン部分の O-がOHになると無色になる)と言ってました。それと関係はあるのか。

媒染前と比べると、木綿はピンクみがあります。

みょうばん後の紅茶染め布の色

再度、染液

染液が冷えたので、電子レンジで温めました。水洗いしてから布を入れます。20分放置。水洗いした後の布の色は、シルクはキャラメルみたいな茶色、木綿はピンクベージュでした。

4等分に布を切って、酢水、重曹水、石灰水につけてみました。アルカリにすると暗い色になりました。

濃い液で時間を置いた場合

濃い紅茶液が冷えると、コーヒー牛乳みたいな雰囲気に白濁します。これはクリームダウンという現象で、タンニンの多い紅茶の場合、冷えるとカフェインとタンニンが結合して起きます。

紅茶大さじ2を水500mlで20分煮出した液を、5日放置。冷えるとクリームダウンします。

温め直すと、白濁した感じは減って、暗い色の液でした。この液で染まった色は茶色でした。

濃い紅茶染めた色

紅茶染めで思ったこと

紅茶染めが気になる点

紅茶染めはベージュ系という印象だったので、今まで興味がありませんでした。

でも、紅茶はタンニンを含み、下地をしなくても木綿が染まります。薄い色に染めれば、他の染物の下地染めに使えるのでは?と、興味が出てきました。

また、紅茶のオレンジ~赤褐色は、テアフラビン、テアルビジンなどの紅茶ポリフェノールの色。お茶の葉を発酵して紅茶を作る時、酵素の酸化で赤い色素が作られます。また、紅茶ポリフェノールがさらにプロアントシアニジンへと変化もするらしい。発酵染めやアボカド染めピンクにも、どこかつながる感じがして、気になります。

紅茶染めの疑問

紅茶染めを調べると、絶対出てくる塩媒染という存在。なぜ紅茶染めには塩なのか、元ネタと理由が知りたいです。

紅茶は白髪染めにも使える、という話も気になります。

紅茶染めでやってみたいこと

以下が紅茶染めの自由研究テーマです。(できないかもしれないけど)気長にやってみようと思います。

  • 他の植物で染める時に、タンニン下地代わりにしたい
  • めざせピンク。黄み茶みを押さえた赤みのある色に染めてみたい
  • 酵素や発酵が関わるので、他の赤みが出る草木染め(桜染め、アボカド染め、そら豆染めなど)や発酵染めのヒントにしたい

補足:お茶ではないハーブティー

きれいな色に染まるハーブティーは、紅茶ではありませんが、やってみたい染物の1つです。

  • バタフライピーはマメ科の花。紫や青色に染まるらしい。
  • マロウブルーティーはアオイ科の花。紫や青色に染まるらしい。
  • ハイビスカスティーは、ハイビスカスではなく、アオイ科のローゼルという花のつぼみ。ピンク紫に染まるらしい。
  • ローズヒップティ-は、バラ科の実。ピンク系に染まるらしい。

お花や実で染まる色はアントシアニン色素で、きれいな色ですが退色しやすいです。アントシアニンについてはこちら→ アントシアニン色素で染めたい

なお、ルイボスティーで染めたことはあります。お茶ではなくマメ科の木の葉っぱで、ベージュ茶色系に染まります→ 紅茶染めならぬルイボスティー染め

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