さくら染めテストを続けています

ソメイヨシノ染めのコットン

桜の小枝を使った草木染めのテストを続けています。3月下旬のワークショップ(知り合いに来てもらって草木染めをする会)に向けての研究です。まだテスト中ですが、現時点でどんな色が出ているかを書きます。

コットン(濃染処理をしていない白いシーチング)を染めています。みょうばん媒染です。

前のテスト(桜染めテスト。古い枝と新しい枝)をした後、人からオススメの方法をきいたので、その方法を試しています。

※人から聞いた方法を試しているため、やり方の詳細は書いていません

ソメイヨシノでコットンを染めた色

現時点で、ソメイヨシノでコットンを染めた色です。左側が黄色が入った温かみのあるピンク、右側が黄色が少ないピンクです。

ソメイヨシノ染めのコットン

色が薄いので、写真をとると色が飛んでしまいます。近くで撮影して画像の色を強調すると、こんな感じです。古い枝と新しい枝を比べた時の濃染したブロード生地を右側に並べてみました。

コットンの染色度合いの違い

1番液と2番液を使って染めました。薄いけれど、ワークショップ当日に染液を抽出する場合は、これが材料の量と時間の関係で、限界かもしれません。

濃染処理をしたコットンやシルクを染める場合は、また違う色になると思います。濃染処理(ディスポン)をしたコットンも今後テストする予定です。

※色比較のため、パーソナルカラーの色見本を後ろに置いています。パーソナルカラーについてはこちら→パーソナルカラーのこと

1番液を使うのか

「空気を含ませると赤味が増す」というのは知っていたものの、今まできちんとやっていませんでした。やってみたら、黄色い染液の赤味が増しました。

1番液に空気を含ませたところ、染液に赤色が出ました。1番液は捨てるものと思っていたけれど、方法によっては使えそうです。使うことにしました。

ソメイヨシノ1番液の染液

2番液に空気を含ませた染液です。1番液より濃い赤色になりました。

ソメイヨシノ2番液の染液

染めた後の液色です。左が1番液、右が2番液です。染めた後は染液が透明になりました。

染めた後の染液の色

もし、1番液より3番液の方が色が出るとしたら、事前に下ゆでして、2番と3番を使うという手もあるかもしれません。それはテストしていないので、今後やってみます。

重曹を入れた場合

同じ分量の枝で、1番液の抽出時に重曹を入れてみました。染液の色は茶褐色、にごった色になりました。重曹を入れない場合よりも、かなり黒っぽい、濃い色になります。

ソメイヨシノ重曹入りの一番液

2番液でも同じように重曹を入れたところ、1番液よりはキレイなものの、やはりにごりのある液になりました。ボルドーみたいな色です。

ソメイヨシノ重曹入りの二番液

どちらもペーハーは10ぐらい。アルカリ性です。染液に生地を入れると色がつくものの、みょうばん媒染に入れると色が消え、上手く色が入りませんでした。

桜染めテスト。古い枝と新しい枝では1番液は捨てて、2番液と3番液は重曹で抽出しました。その時は濃染処理をした生地は染まりました。やり方も変えているので比較しにくいのですが、濃染処理をしないコットンには色が入らないのかもしれません。

重曹を入れることで、確かに液の赤色は濃くなります。でも、染まりにくい感じです。

中和すればよいかというと、そういうものではなく、八重桜の枝から重曹を入れて抽出後、クエン酸で中和して染めたら、明るい黄色に染まりました。

※八重桜テストの話はこちら→ 八重桜の草木染めストール

重曹の研究は時間がかかりそうなので、今季は保留にしようと思います。

材料の量の問題

桜の小枝の場合、材料の入手が難しいのが最大の難点です。量に限りがあるので、濃い色を染めるのがむずかしいと感じています。

剪定した枝をわけてもらえないか区役所にきいてみましたが、断られました。残念です。ちょこちょこ落ちている小枝を拾い集めて、冷凍庫に貯蔵しています。

桜の染液を抽出する方法として、「冷やして煮出してを繰り返す」という方法がとられる理由は、たぶん少ない量で濃く染めるためですよね。納得しました。

古くなりかけた桜の枝

先日、古い枝と新しい枝の色の違いをテストして、古い枝では赤い色素が出なかったので、新しい枝で染めることに決めました。

枝の中身が黄緑色で折れにくい枝を「新しい枝」、ポキンと気持ちよい音で折れる枝を「古い枝」と判別していますが、その中間、「古くなりかけた枝」が存在します。枝の中身が黄緑から白になったもの、白から茶色になろうとしているものです。

そこで、「古くなりかけた枝」を煮出してみたところ、結構色がでて、色合いは新しい枝と同じ感じになりました。

シーチングを一晩漬けて取り出したところです。

古くなりかけた枝の染まり具合

下の写真の上段が、新しい枝で染めた布、下が古くなりかけた枝で染めた布です。やや薄い感じもありますが、色の感じは似た感じです。量を増やしたり重ね染めたりすれば使えそうです。

古くなりかけた枝で染めた綿シーチング

ソメイヨシノと八重桜では違う

桜で染めた色について、「なんだか茶色っぽい感じのピンクに染まる」と思っていました。赤茶色にならない場合も、黄色が入ったピンクになりがちでした。

昨年は八重桜を数日かけて煮出した液でブラウスを染めようとしたものの、色が気に入らず断念しました。これは色の好みの問題ですが、桜色とは違うピンクでした。

※八重桜の小枝から染液を煮出した話はこちら→桜染め。桜の枝から染め液作り
※八重桜の色テストの話はこちら→桜染めの色テスト

人からきいた方法をソメイヨシノで試したところ、少し黄色が減ったと思います。でも、同じように八重桜をテストしたら、薄すぎてうまくいきませんでした。八重桜も並行してテスト中です。それについては改めて書きたいと思います。

今後のさくら染めテスト

下記をやってみたいと思っています。時間が足りないかもしれません。

  • 大島から取り寄せた椿灰で媒染液を作成中なので、椿灰媒染テスト
  • 濃染処理(ディスポン)をしたコットンのテスト
  • 1番液と3番液の比較
  • 八重桜でのテスト
  • ソメイヨシノで見本用にストールを染めてみる

さくら染めテストで思ったこと

桜色らしいピンク色を目指して実験をしているところです。書いたこと以外にも、いろいろ実験しています。

実験しすぎて、「ピンクがいいならコチニールで染めればいい」という気分になってきました。簡単だし、そのほうが色落ちもしにくいはずです。

でも、やっぱり桜で染めてみたいです。

※追記:桜染めで木綿をピンクに染める方法はこちら(サクランボの枝を使っていますが、やり方は桜と同じです)→ さくらんぼの剪定枝で草木染め

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。