サクランボを食べたら、布を染めてみよう
食べたサクランボの軸(サクランボの茎)を冷凍庫に貯めて、布を染めました。かわいいピンクに染まります。
サクランボの軸は小さいですが、量が少なくても色が出るので、2パック食べれば充分染められると思います。
以前、佐藤錦の枝で染物をした時も、液に赤みが出やすく、染まる色もキレイと感じたのですが、軸も同じでした。
サクランボの軸で染めた方法を書きます。サクランボを食べたら、ぜひ食べ染めしてみてください。
染めた日:2020年8月1日
目次
さくらんぼの軸染めのこと
インスタグラムの染物つながりの方々が、サクランボの軸で染めていたので、私もやってみることにしました。インスタグラムで「さくらんぼ染め」タグを検索すると出てくるかと思います。
きれいでかわいいピンク色に染まっている人が多くて、うまく鉄媒染できたらきれいな紫色もなりそうです。
同じように赤みが出てくる草木染めの場合、水の違いなど条件の差によって、人によっては赤みが出にくいこともあると思います。同じようにやれば同じに染まるわけではない、というところが、もどかしくもあり魅力でもあります。
だから、場合によってはうまく染まらないこともあるかもしれません。でも、さくらんぼを食べたらそこに染料があるわけで、ぜひ一度、自宅で試してみて欲しいと思います。
さくらんぼの軸染めの材料
- さくらんぼの軸 50本(4g)
- みょうばん 小さじ2(2g)
- 木綿のプリペラ生地(キナリ色)36g
- 重曹 ほんの少し(2番液を煮出す際に入れました)
さくらんぼの軸(茎)
さくらんぼの軸、50本分。1~2パック分かと思います。食べた後に冷凍庫に保存していました。銘柄は、近所のスーパーでよく売っている、山形産「小さな恋人」です。
焼きみょうばん
色止め用の媒染には、コープで買った漬物用の焼きみょうばんを使いました。小さじ2。
※みょうばん液の作り方はこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方
木綿のプリペラ生地
今回は、生成色のプリペラ織の生地を染めました。ハンカチより少し大きいサイズ。サクランボ染めの場合は、木綿でも濃染をしなくても染まります。
さくらんぼの軸染めの手順
- 布をお湯(お風呂ぐらいの温度)につけておく
- さくらんぼの軸50個分をステンレス鍋に入れ、水1リットルで沸騰後20分煮る(1番液)
- 軸をこして染液をバケツに移す。空気を含ませると、赤みが増す
- 軸を鍋に戻して、新しい水500mlと、重曹をほんの少し入れて、沸騰後20分煮る(2番液)
- 2番液ができたら、軸をこして染液をバケツに移す。
- 軸を鍋に戻して、新しい水500mlを入れて、沸騰後20分煮る(3番液)
- 10分くらい経ったら1番液がかなり赤くなったので、布を5分つけた
- これ以上色が入らなそうと感じたので、水洗い
- 媒染液を作る。焼ミョウバン2gを500mlの熱湯に溶かし、水を追加して合計1リットルにする
- みょうばん媒染液に布を入れて、20分
- 水洗い
- 再度、染液(1番液)に布を戻しいれて、10分
- 水洗い
- 布の一部だけ、再度みょうばん媒染液につけて、5分
- 水洗い
- 布の一部だけ、1~3番液を合わせた染液(少しあたためてから)につけて、20分
- よく水洗い
- 水けを切ってベランダに干す
※色が薄い場合は、染液→水洗い→みょうばん媒染液→水洗い→染液を繰り返します。
※草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
さくらんぼの軸染めの写真と詳細
湯通し
布は、台所洗剤(中性洗剤)でお湯で洗った後、お湯につけておきます。
染液を煮出す
さくらんぼの軸50個と、水1リットルをステンレス鍋に入れて、蓋をして強火。沸騰後20分、火を弱めてぐつぐつ煮ました。写真は煮終わったところ。
さくらんぼの軸をこし布でこして、液だけにします。
煮あがりは、少し赤みの入った薄い色でした。
空気を含めると、赤みが増します。液をカップで取り、注ぎ戻すという作業を繰り返して空気を含ませます。
10分くらいすると赤みが強くなったので、染め始めることにしました。
さくらんぼの軸を鍋に戻して、水500mlと重曹を入れて強火。より濃い色を抽出できるかと思い、2番液には重曹をほんの少し入れました。小さじ10分の1くらいです。
赤みが出にくいと思ったら、重曹を入れたほうがいいかもしれません。入れすぎると黒茶色になると思います。
2番液は重曹を入れたので、赤みは出たものの黒っぽさもある色でした。写真だと色の差がわからないかもしれません。
さらに3番液は、重曹を入れずに水500mlで煮出しました。空気を含めなくても赤みが出ていて、色は2番液と似ていて黒っぽさがありました。
染める
3番液まで煮出すのに時間がかかるので、1番液に赤みが出た段階で、染め始めました。液の量が少ないので、バケツを斜めにして、布をよく動かしながら染めました。だんだん色が入っていきます。
5分位すると結構色が入ったので、水洗いしました。
みょうばん液に入れて20分、媒染します。みょうばん小さじ2を500ml位の熱湯で溶かして、1リットルに薄めました。液の量が少なかったので、よく動かしながら媒染しました。
水洗いしたら、とりあえず1番液に布を戻して10分染めました。泡立ってきて、色が入る感じ。液が薄くなり、1番液だけでは足りない感じもします。
模様入れ
模様を入れて、布の一部分だけをさらに染めることにしました。布をびょうぶだたみにして、クリップで留めました。染めない部分はビニール袋で保護。輪ゴムで留めました。
再度媒染を5分してから、1~3番液を合わせた液で20分ほど染めました。液が冷めていたので、温め直しました。
色が入ったと思ったので終了。水洗いしてベランダに干しました。
染め終わった後も、液に色が残っていたので、もっと長い時間染めれば、もっと色が入った気もします。
乾燥後のできあがり
1番液で染めた部分はピンクベージュ、さらに染めた部分は黄みのあるピンクに染まりました。春の色。生地の元の色が黄色っぽいので、染まった色にも黄色みがあります。もっと白い生地を染めたら、もっと澄んだピンク色に染まるかと思います。
模様入れは、中途半端な感じになりました。下側の点々部分がクリップで留めた部分です。
追加で鉄媒染を重ねる
乾いてから、さらに鉄媒染で重ね染め。紐で縛った模様も入れました。
古い木酢酸鉄を10滴くらい使用。1番液はさくらんぼの軸125本を水1.5リットルで、2番液は水1リットルで煮る。重曹使用無し。
鉄媒染を重ねた色は、サマーの色に近く、こげ茶に紫を混ぜたような色。いい色だけど地味な色。こういう色のズボンが欲しいです。
※パーソナルカラーについてはこちら→ パーソナルカラーのこと
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