山桜の落ち葉染め・お弁当ふろしきと綿コースター

山桜染めのコースターとお弁当風呂敷

長野の松本の日帰り旅行で、紅葉した山桜の落ち葉を拾ってきたので、草木染めをすることにしました。古くなったお弁当風呂敷(ナプキン)と、 家にあった淡いピンク色の綿ガーゼのハギレでコースターを作って染めました。

当初、みょうばんでアルミ媒染の予定でしたが、赤茶色っぽくなりそうだったので鉄媒染に変更。桜染めとは思えない、鉄媒染らしい渋い地味な色に染まりました。鉄を入れすぎたかもしれませんが、赤系の茶色よりはカーキっぽい感じが好きです。

染めた日:2017年11月05日-2017年11月18日

山桜の落ち葉染めの材料

  • 山桜の落ち葉 34g
  • 古くなった綿のお弁当ふろしき1枚 18g
  • ハギレで作った綿4重ガーゼコースター3枚 30g
  • 木酢酸鉄液(SEIWAで購入したもの)2.5mL(小さじ半分)布重量比5%(多かったかも)
  • ディスポン 6mL(木綿・麻を濃く染める濃染剤。成分:特殊カチオン性高分子)

山桜の落ち葉染めの手順

  1. 事前の準備:ビンに落ち葉と水を入れて5日間抽出→1番液
  2. 事前の準備:ビンの水を入れ替えて8日間抽出→2番液
  3. ディスポン処理:水500mL位、ディスポン6mL、温度は熱湯 ※綿・麻はカチオン化が必要
  4. しっかり水洗い
  5. 染液(1番液+2番液。葉をこす)で20分煮た後、30分放置
  6. 水洗い(水で洗わない予定だったが、洗ってしまった)
  7. 後媒染:木酢酸鉄で媒染(水500mL位、木酢酸液2.5mL、布重量比5%、常温、10分)
  8. 水洗い
  9. 染液を入れたバケツにつける(40℃、10分)
  10. 水洗い
  11. 脱水して乾燥

山桜の落ち葉染めの写真と説明

松本へ日帰り旅行。山桜が真っ赤に紅葉していて、地面の落ち葉がいっぱいでした。種類はよくわかりませんが、桜といってもソメイヨシノではないことは確か。里桜?

山桜の紅葉

真っ赤な葉っぱで、雨にも濡れてなくてきれいだったので、ひろい集めて、ビニール袋に入れて持ち帰りました。

山桜の落ち葉

落ち葉は34gでした。葉が原料の場合は、同じ重さ分の布が染められるので、34g程度の布が染められます。
草木染めの材料となる植物や染料の量

900mLのビンに詰めて水を入れて、暗い所に放置5日間しました。(11月5日~11月10日)

落ち葉をビン詰め

5日後にビンのふたを開けると泡立っていました。発酵でしょうか?COBO酵母を作ったことがあるビンを使いまわしていますが、きちんと洗っているので影響はないはずです。

5日後泡立っている

水を替えて、再度8日間放置しました。1番液(写真の左)に比べて2番液(写真の右)は色が薄いですが系統は同じ色あいです。両方まとめて使用します。

抽出した1番液と2番液

染める素材は、白地にグリーンのフチどりがある、お弁当を包む時に使うナプキン。だいぶ古くなって黄ばんだシミがついてしまったので、染めたかったのです。重さは30g。

お弁当風呂敷きのシミ

もう1つは自作のコースター。他に染めるものがなかったので、家にあったうすピンク色のハギレで作りました。ガーゼ生地で作ったので、3枚で18gと軽いです。

コースター元の色

木綿・麻を濃く染める濃染剤、ディスポン処理をします。台所のシンクに洗面器を置き、ステンレス鍋で沸かした熱湯を入れて、ディスポン6mL位いれてかき混ぜてから布を投入しました。

山桜染めのディスポン処理

ときどきかき混ぜて、20分。ディスポンが残らないようにしっかり水洗いします。

1番液と2番液をあわせてステンレス鍋で温めます。→草木染めにはステンレス鍋を使う

鍋で染液をあたためる

鍋に生地を投入して、20分間、煮染めします。

山桜の落ち葉液で煮染め

参考にしていた本の通り染液を洗わずに次の媒染をする予定が、いつものクセで水洗いしてしまいました。

媒染剤は、当初はアルミ媒染を考えていましたが、思ったよりも赤っぽい茶色になりそうだったので、媒染は鉄にすることにしました。SEIWAの木酢酸鉄液の使用量の目安は、濃色4% 中色2% 淡色0.5%です。

SEIWAの木酢酸鉄液

赤茶っぽさが残らないように濃い色にしたいと思ったので、布に対しての4%。

4%といったら、布48gに対して約2gですが、精度の高いはかりを持っていないので2gは量れません。だいたい2mL弱かな、ということで、小さじ半分の量にしました。

洗面器に水500mLを入れて、小さじ半分の木酢酸鉄液をたらしてかき混ぜます。布を投入すると、真っ黒くなりました。媒染剤の量が多かったかもしれません。

山桜落ち葉染めの鉄媒染

10分後、水洗いします。下の写真が水洗い後の生地です。カーキっぽい渋い色になりました。

山桜染めで媒染後の布

次に、再度染液につけます。

ステンレス鍋の染液を40℃に加熱してからバケツに移し、生地を投入。10分つけました。ステンレス鍋は料理と兼用しているので、媒染した後は使いたくなかったので、バケツにしました。

再び染液につけたところ

この、再び染液につける作業は、鉄媒染した鉄を染液で洗い流すイメージです。

染料と金属が結合することで色止めになるという原理なので、表面に残った金属が染液に入れることで染料と結合されます。

よく水洗いして、日陰干し。

渋い色になりました。コースターはガーゼ生地なのでふんわりしわしわ。お弁当ナプキンのシミはわからなくなりました。

山桜染めのコースターとお弁当風呂敷

お弁当ナプキンの縫い目は白のままですが、違和感はありません。既製品の縫い糸はポリエステル糸なので染まりません。端っこのキミドリ色だった部分も、ほぼ全体と同じような色に染まっています。

お弁当ナプキンの端っこ

コースターは木綿カタン糸で縫ったので縫い目も同じ色です。

その後、コースターもお弁当風呂敷も、よく使っています。普通に他の洗濯物と一緒に全自動洗濯機で洗って乾燥までさせていますが、何も問題はありません。

山桜の落ち葉染めで思ったこと

  • 落ち葉でも布が簡単に染まる
  • カーキは女性らしい色ではないけれど、男性用のカバンに合いそうなアースカラー
  • 落ち着いた色で普段使いしやすいし、洗濯しても色が変わらなくていい
  • 鉄媒染は入れすぎたのか??適量がよくわからない
  • 松本旅行でひろった落ち葉を使ったので、お弁当風呂敷を使うと松本を思い出していい感じ
  • 桜染めとは思えない色。紅葉の色とも違う。植物のイメージと染物の色がリンクしなくて不思議