みょうばんアルミ媒染液の作り方
ミョウバンを使ったアルミ媒染液の作り方と、アルミ媒染について書きます。
草木染めでは、色止めと発色のため、みょうばんなどの金属塩(金属が入った化合物)を媒染剤として使います。(藍染など一部特殊な染め方のものには使いません)
アルミ媒染(Al)をすると、媒染しないで染めた色と似た色か、少し明るい色に発色します。
目次
ミョウバン媒染液の作り方
焼みょうばんを溶かすだけです
布の重さの5~6%の焼きミョウバンを、少量の熱湯に溶かします。透明になったら、布がつかるぐらいの量(布の重さの20~50倍。布100gなら2~5リットル)の水で薄めます。
※量の目安は諸説あります。わたしはこの量を目安にしています。
みょうばん液をつくる例
布100g → その5~6% → スーパーで買えるミョウバンなら、5~6g → 大さじ2
みょうばん大さじ2を500mlの熱湯にまぜて溶かします。
少し時間を置くと液が透明になります。透明にならない場合は加熱するか、熱湯を足して溶かします。
バケツに水2.5リットルを入れ、透明になったみょうばん液を入れます。かき混ぜればできあがりです。常温で使います。
アルミ媒染の材料
アルミ媒染剤になるもの
アルミ媒染に使われる材料は、みょうばん以外にもあります。いずれか1種類を使います。
- 焼みょうばん
- 生みょうばん
- フィトカリ(みょうばんの結晶)
- 酢酸アルミ
- アルミ媒染液
- 椿灰(椿の枝を燃やした灰)
※手作りしたことはありませんが、アルミニウムをお酢に溶かして作ることもできます。
焼きみょうばんと生みょうばん
粉っぽくなっているのが焼きミョウバン。シリカゲルみたいに透明っぽく粒々しているのが、生ミョウバン。
どちらも「みょうばん」と呼んでいます。身近で買えるのは、焼きミョウバンのほうだと思います。
スーパーの漬物用の焼みょうばん
スーパーで売っている漬物用のみょうばんは、焼きみょうばんです。1袋30~40gで100円前後。
食品添加物としての表記は「焼アンモニウムミョウバン」ですが、成分は「硫酸アンモニウムアルミニウム」AlNH4(SO4)2です。
真っ白で、つぶが大きめです。粒が大きめなので、大さじ1が3gくらいです。量の目安は、染める布の重さの5~6%です。
焼みょうばん(カリミョウバン)
アンモニウムミョウバン以外に、カリミョウバンもあります。食品添加物です。成分は「硫酸アルミニウムカリウム」AlK(SO4)2です。さらさらした、片栗粉みたいな粉です。
誠和(高田馬場にある染料店)に売っている焼明バン。
生みょうばん
生ミョウバンは、焼きミョウバンに水が含まれているもの。シリカゲルみたいな透明感のあるツブツブです。染料店で買えます。水分を含んだ重さになるので、使う量は焼きミョウバンの倍量です。(量の目安:染める布の重さの10~12%)
田中直染料店の生みょうばん。
フィトカリ(みょうばんの結晶)
フィトカリという、みょうばんの結晶もあります。半透明のカタマリです。焼みょうばんと同じように熱湯で溶かして使います。アナンダで売っています。量の目安は、染める布の重さの5~6%です。
※アナンダでフィトカリを使って植物染め体験した話はこちら→ 吉祥寺アナンダで毛糸を染める体験
酢酸アルミ
成分は「酢酸アルミニウム」です。染料店に売っています。みょうばんよりも生地にやさしいそうです。
染める布の重さの2~10%、水に溶かして使います。お湯は使わずに、常温の水で薄めます。溶かすと少しニオイがします。白濁してしまったら、酢酸を少し入れて溶かします。
酢酸アルミニウムと呼ばれるものには、正塩Al(CH3COO)3と塩基性塩Al(OH)(CH3COO)2があります。媒染剤としてどちらが使われているのかは私にはわかりませんでした。
アルミ媒染液
液体になっている媒染液が染料店に売っています。ボトルに書いてある規定量にしたがって水で薄めて使います。溶かす手間が省けるので便利です。
椿灰
大島の通信販売で購入可能でした。灰に熱湯を注いで、沈殿後にうわずみを使います。私には、量の目安がいまいちわかりません。
椿灰を使えばアルカリ性なので、桜染めや紫根染めがキレイに発色するとか。椿に限らず、アルミニウムを含む植物を燃やして灰にすれば、アルミ媒染に使えるそうです。
いろいろありますが、焼みょうばんが一番身近で使いやすいのかと思います。
※草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
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