草木染めストールの染め直し
エンジュで染めたストールを染め直した時のことを書きます。
まず、黄色から紫にしようとして巨峰の重ね染めに失敗。その後、黒にしようとログウッドで染めたところ、ダークグリーンになりました。いい色ですが、私には似合わなそうなので、失敗といえば失敗です。
掛け合わせて別の色になっていく、というのは草木染の面白い部分だと思います。
染めた日:2019年1月9日、2019年7月31日
目次
草木染めストールの染め直し経緯
当初のストールの色は、明るい黄色でした。えんじゅはアルミ媒染で明るい黄色に染まります。2017年9月、MAITO(蔵前にある草木染め雑貨と洋服のお店)の草木染めワークショップで染めたものです。
染め変える前のストール。首に当たる部分が汗で少し色落ちしています。
※染めた時の話はこちら→ MAITOの草木染めワークショップ体験
1年以上経過後、色を変えようと思い、巨峰の皮(鉄媒染)で染め直しを試みました。しかし、巨峰の染液が薄かったからか、エンジュの鉄媒染になってしまいました。落ち着いた黄土色、よく言えば黄金色になりました。(染め変えた日:2019年1月9日)
使いにくい色だったので、ストールは使わずにしまい込んでいました。
その半年後、ヘマチン(ログウッドのエキス)で染め直すことにしました。黒にするつもりが、ダークグリーン、深緑色になりました。とてもよい色ですが、私には似合わなそうです。(染め変えた日:2019年7月31日)
今後、寒くなる前にやり直して、黒にしたいです。
草木染めストールの染め直し材料
染め直し1回目:巨峰染め
- オーガニックコットンストール 69g
- 巨峰の皮(冷凍)98g
- 木酢酸鉄(誠和で買ったもの)10滴
染め直し2回目:ログウッド染め
- オーガニックコットンストール 69g
- ヘマチン(ロッグウッドのエキス)の残液
※ヘマチン染液の作り方はこちらと同じです→ 服の染め直し(草木染め) - クエン酸 7g
草木染めストールの染め直しの手順
染め直し1回目:巨峰染め
- お湯(40℃くらい)にストールをつけておく
- ステンレス鍋に水1.5リットルと巨峰の皮98gを入れて、強火で煮だす。沸騰後20分煮る。
- 皮をこして、1番液とする。
- 水を変えて、沸騰後20分煮る。皮をこして、2番液にする。
- 1番液と2番液をあわせた染液(69℃)にストールを20分つける。時々動かす。
- 水洗い
- バケツに水5リットル、木酢酸鉄10滴を入れて媒染液にする
- 媒染液に20分つける。時々動かす。(常温)
- 水洗い
- 再度、染液に20分つける(36℃)
- しっかり水洗い
- 脱水して干す
染め直し2回目:ログウッド染め
- バケツに水6リットルを入れて、クエン酸7gを溶かす。
- クエン酸の水溶液にストールを10分つける(染めた黄色を抜きたかった)
- 水洗い
- ヘマチンから作ったログウッド染液に20分つける
- よく水洗い
- 脱水してお風呂場に干して乾燥
※草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
※以前の鉄媒染が効いていると思い、鉄媒染は省略しました。ログウッドは無媒染の場合ベージュに染まります。媒染が効かないと青っぽくならないため、黄色→緑色になったので媒染が効いたと判断しました(正しいかはわかりません)追記:ログウッドは先媒染で染めます
巨峰で染め直し(失敗)の写真と説明
巨峰の皮の染液作り
ステンレス鍋に巨峰の皮(冷凍庫で貯めたもの)98gと水1.5リットルを入れて、強火。フタをして沸騰後20分煮ました。水を変えて再度煮出し。1回目と2回目の分をあわせて染液としました。
染液の色。透明感がありすぎ、薄すぎです。
湯通し
1年以上前にエンジュで染めたストールを湯通しすると、エンジュ染めの黄色がお湯に溶け出てきました。(染色中も、染液に黄色が溶け出てきます)
巨峰の皮で染色
染色1回目。元の黄色の生地に、染液の色が負けている感じです。
20分染色後、水洗い。色がくすんだだけで、染まった感じはありません。
色止めは鉄媒染
バケツに水を5リットル入れて、木酢酸鉄液を10滴たらしました。
いつも鉄用として使っている入れ物に入れて、鉄媒染。色は元のストールの黄色が暗くなっただけです。
染液へ戻す
ストールを水洗いしてから、再度染液へ。20分、浸しました。鉄と反応して暗い色になったものの、巨峰っぽさはゼロです。
水洗いした後。巨峰の重ね染めは大失敗。エンジュを鉄媒染で染めた色になりました。
染め直し失敗
上から重ねるというより、染め変えるつもりで、紫色にしたかったのですが、失敗。元の黄色が鉄媒染になり、色がくすんだだけでした。
敗因は、元のエンジュ染めが濃くしっかり染まっているのに対し、巨峰の染液が薄すぎたこと。染め重ねる時は、現在の色以上の濃い染液が必要と感じました。
ログウッドで染め直し(やや失敗)の写真と説明
クエン酸で色抜き
前回の失敗を踏まえ、できるだけ元の色を脱色すべく、クエン酸の水溶液に漬けてみました。
クエン酸7gを水6リットルに溶かした液に、ストールを漬けてみました。酸性(ペーハー4)でした。
クエン酸の水溶液に残った色は、黄みではなく赤み。巨峰の色が取れたっぽい感じです。
※追記:後から思うと、これは加熱不足で、クエン酸の量も少なかったと思います。色抜きの話はこちら→ 草木染めで染めた色を落とす
ログウッド染め
ヘマチンから作ったログウッド染液。ワインを濃くしたような色です。余った液があったので使いました。
ストールを浸して、20分後。ストールは濃い緑色になりました。染液は、透明っぽくなり、赤みが減っています。
乾燥
よく水洗いしてから、お風呂場で乾燥。深い緑色です。
重ね染め反省点
黒にするつもりが、深緑色で終わった状態です。ログウッドの残液があったことをきっかけに染めることにしたため、情熱が不足していました。
乾かしてから、時間を置いて何度か鉄媒染で染めを繰り返せば、黒になるんじゃないかと考えていて、そのうちに続きをやろうと思います。追記:ログウッドは先媒染で染めます
草木染めストール染め直しで思ったこと
- 「気分や季節で染め変えて使い、最終手段は藍染」にしたい
- そう考えると、はじめは重ねやすい薄い色で染めて、あとから濃くするのがよさそう
- 黒染めは難しい
- このコットンストールの肌触りが入っているので、くたびれるまで使い倒したい
※草木染めでの染め直しのポイントはこちら→ 服の染め直し(草木染め)
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。