2023年2月10日(金)びわ染めワークショップ開催報告(岡山)
びわ染めワークショップ3回目、最後の回を開催しました。場所は岡山駅東口からほど近い貸し施設です。
今回は、全然色が違う、鮮やかなレモンイエローに染まった布がありました。同じ木の葉っぱからほぼ同じ手順で染めていたので、おどろきの結果でした。なんでだろう?と笑いつつ、意図せず草木染めのおもしろさが存分に伝わったかと思います。
今回の参加者は初参加4名とリピーター1名。「関東から中四国方面へ来るので、ついでに参加したい」とのご要望にあわせて設定した会でした。雨でしたが雪でなくて本当によかったです。
次回は2月26日ザクロ染め。初心者さん向けの草木染めの基本的な説明に重点を置きますので、ぜひご参加ください。
※ワークショップ最新情報はこちら→ つぎいろ草木染め体験ワークショップ
目次
びわの葉
今回使ったびわの葉は、岡山県備前市の和菓子KOUさんのお店の庭にある枇杷の木を伐採したもの。冬場に伐採すると聞いたので、切った枝葉を1月初旬にゆずってもらいました。
伐採から1ヶ月。バケツの水に枝ごと挿して保管しましたが、だいぶ植物の状態が違うので、染め方も変えることにしました。事前テストでは素敵な色が出せて、これでレシピ決定。この色になるのかな?と思ったのですが。
ワークショップの雰囲気
岡山にはめずらしい、結構雨が降った日でした。でも雪でなくて本当によかったです。冬用タイヤではないので、雪が降ったら中止します。
染めるものを決めて、お会計や簡単な説明と自己紹介をしたら、今回は布の前処理を先にしました。木綿はよく染まるように濃染剤を使いました。シルクはお湯へつけておきます。
※濃染剤の話はこちら参照→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて
※草木染めの材料を買う場所はこちら参照→ 草木染めに使う材料を買う場所(東京)
葉っぱの準備。よさそうな葉っぱを選んで、煮出します。枝は使いませんでした。使わず残った葉っぱや枝は自宅用に持ち帰ってもらいました。
煮出す写真を取り忘れました。今回は5人だったので、3つの鍋に分けて煮出し。ステンレス鍋2個はIHコンロで、アルミ鍋1個はガスコンロで。
「あ、今回はちょっと色が薄いかも・・・失敗?」と思った瞬間。色が出てないですね。
そして、「あれ、これはちょっと違うかも?」と思った鍋の染液はこちら。緑っぽさがありました。
1個目のほうは、少し色が出てきたので、染め始めることにしました。これはシルクの胴裏。
そして2個目は、そのまま黄色方向で染めることに決定。木綿の布です。
染めている途中。結構ピンクが出てきたところと、ますます黄色なところ。同じはずだったのに?と思いながら染めています。
アルミ媒染をしました。今回も酢酸アルミを使っています。アルミ媒染はこちら参照→ みょうばんアルミ媒染液の作り方
染め終わり、最後のほう。ちょっと緑っぽさも感じるようなレモンイエロー系になっていました。
いろいろバタバタしつつ、ピンク系は裏技も駆使して、一部予備で持参した液も使い、できあがり。
いくつか板締め絞りもしましたが、絞った部分を取り外すときが楽しいです。
半襟と胴裏。半襟には梅模様を入れました。どちらもシルクですが違う色。お着物は絹が多いので染まりやすく、草木染めでリメイクが楽しいです。
M文字をいれたトートバッグ(こちらで準備したもの)。
硬めの生地のトートバッグは、洗濯バサミで留めたワンポイント模様。お花のような、肉球のような。
割り箸で入れた板締め絞り模様。持ち込みの枕カバーです。
板締め絞りの希望が多いとは思わなくて、もっと棒をたくさん持ってくればよかった、と反省しました。
※模様入れの話はこちら参照→ 布に絵を描く、模様を入れる
※ヒモの縛り方はこちら参照→ 紐をきつく縛る「巻き結び」のやり方
最後は記念撮影。赤みが出たものも、生地や液で一つ一つ色が違うのですが、黄色がかなり目立っていました。
コロナ禍で家の中でできるものとして草木染めに出会ってこのブログに辿り着いてくれた方や、手芸が好きな方が多い会でした。初心者が多い中、わいわい言いながらバタバタ3時間、なんとか染めました。
一期一会の楽しい会になったかと思います。
あと、藍の種の、穂のまま無料配布箱も持参しました。
※藍のベランダ栽培の日記はこちら。ご参考まで→ 藍の種と栽培(生葉染め染料用)
これからのワークショップ
次回は2月26日ザクロ染め。初心者さん向けの草木染めの基本的な説明に重点を置きますので、ぜひご参加ください。詳細・お申込みはこちら→ 2023年2月草木染め体験ワークショップ参加者募集(岡山)
3月は未定です。できたら桜染めをしたいと思って剪定枝を探していますが見つかってないので、別の染料にするかもしれません。岡山近郊で桜を剪定予定の方は、ぜひお声かけてください。取りに行きます。
コロナ禍前のお茶会のような雰囲気にそろそろ戻したいのですが、なかなかできてないです。ランチをはさんで丸一日、みたいな会もしたいなあ。
びわ染め乾燥後の色あい
乾燥後のお写真を送ってもらいました。
生成の木綿トートバッグ(こちらで用意したもの)。まろやかなよい色、とのことです。
シルクの胴裏と半襟。きれいなオレンジ、かわいい色、とのことです。
硬め生地のトートバッグ。
ご協力ありがとうございます。
追記:再現テスト
後日、レモンイエローになるか再現テストをしました。かなり薄くなりましたが、色の方向性は再現できた気がします。
上段がレモンイエロー、下段がよくある薄い色。小さい布が目指してた色。左からシルク、濃染した木綿、濃染していない木綿です。
上段と下段は1点だけ条件を変えました。
少し時間が経った染液の色。上段が左(レモンイエロー)で、下段が右(よくある薄い色)です。
ワークショップではレモンイエローがもっと濃い色だったので、完全には再現できてません。さまざまな条件が重なって出た、一期一会の色だと思いました。
葉っぱが無くなったのでテスト終了。また次回、枇杷の剪定枝に出会った時に試したいと思います。
※ワークショップ全体についてはこちら→ 草木染めワークショップについて
※草木染めについて知りたい人はこちら→ 草木染めの目次
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。