草木染めにはステンレス鍋を使う
草木染めの鍋はステンレス鍋を使います。染める時だけでなく、使うお湯を沸かすだけの時も同様です。
目次
ステンレス鍋を使う理由
アルミ鍋や鉄鍋、銅鍋を使う場合、アルミや鉄、銅の金属が液に混じってしまい、媒染に影響します。
それで媒染できるなら、逆によい気もしますが、きちんと媒染の役割を果たすほどは混じらない気がします。
ホウロウ鍋は新しいものは使っても大丈夫ですが、傷、錆びがある古いものは金属が混じるため、媒染に影響します。どの程度影響があるのかは、試したことが無いのでわかりません。
ステンレスにもランクがあり、記入された数字が大きいものが推奨されています。18-8がよく、15で始まる番号はよくないそうです。数字はクロムとニッケルの含有率で、18-8の場合はクロムが18%でニッケルが8%。クロムやニッケルを多く含んでいるものが錆びにくいです。
誠和(高田馬場にある染料屋さん)のオンラインショップで販売されている鍋もステンレス(18-8)です。
アルミ鍋は使っていいのか
アルミ鍋は大きい鍋でも軽いし、安いです。ステンレス鍋は、大きい器になると重いし、かなり高価です。
私の家のキッチンはIHなので、アルミ鍋が使えません。でも、ワークショップ場所ではカセットコンロで大きいアルミ鍋を使うことも結構あります。
ステンレス鍋があればそっちを使うとして、ないなら、アルミ鍋でもいいかと思います。アルミ鍋だから染まらないということはなかったです。
自宅のステンレス鍋
自宅ではキッチンにあるステンレス鍋が1.5Lの片手鍋と2.5Lの圧力鍋だったので、この2つを使っています。
1.5Lの片手鍋でお湯を沸かしているところ。片手鍋は数字不明ですが、今のところ支障はなさそうです。
2.5Lの圧力鍋でルイボスティから染液をとっているところ。圧力鍋(メーカーはパール金属)は説明書を見ると18-8でした。
トングと軽量カップは100円ショップで買った安物なので、規格外、軽いのでアルミである可能性もありますが、気にせず使っています。
どれも料理にも頻繁に使っているので、草木染めには自分が気持ち悪くない範囲で使っています。落ち葉や枝、花びらから染液を抽出するぐらいは使用後によく洗えば気になりません。でも、媒染液やディスポンなどの薬品は鍋に入れたりはしません。
工房のステンレス鍋
染色教室では、大小サイズ違いでステンレス鍋がそろっていました。コチニール染液を抽出しているところです。
MAITOさんの草木染め工房でも専用のステンレス鍋が使われていました。えんじゅ染液を抽出しているところです。
鍋について思ったこと
- 染め専用のステンレス鍋は高いので、とりあえずは家にある鍋を使う
- 昔、ホウロウのスパゲティ用の寸胴鍋を持っていて、使わないので捨ててしまったのですが、あれば今あれば活躍しそう
- 専用の鍋を買うとしたら、大きいサイズのものがほしいので、置き場所を考える必要がある
その後、18-8ステンレスの寸胴鍋を2つ買いました
人と一緒に染めるワークショップをするため、大きめの寸胴鍋を2つ購入しました。家庭用としては大きく、作業はしにくいです。赤川器物製作所の「AGクラッド目盛付寸胴鍋」という製品で、27cm(15L)と30cm(21L)です。
重視した点は以下の7つです。
- 18-8ステンレス(SUS304)か、その代替品21-0ステンレス
- 家のキッチンがIHクッキングヒーターなので、IH対応
- 水を入れるときの目安になるメモリ付き
- 自転車で2つを運べる重さ
- 2つの鍋が重ねられる
- あわせて20リットル以上
- フタ付き
30cmは大きすぎるので、同じシリーズのメモリ無しの半寸胴鍋でもよかったかもしれません。
写真の鍋の左手にある布は、寸胴鍋専用ずた袋(桜染め・コットン)です。運搬するために作りました。
水マス(計量カップ)の活用
3リットルと5リットルの水マス(計量カップ)を鍋代わりにしています。「AG 赤川器物製作所 18-8 水マス(口付)」という商品です。18-8(SUS304)です。2000~3000円くらいしました。
IH用ではないので正しい使い方ではなさそうですが、IHで使えています。
3リットルサイズは、手軽な大きさ。2リットル程度で染液をとったり、みょうばんを溶かすのに使っています。
5リットルサイズは、思ったより縦長です。3リットルくらいの染液を作るのに使っています。縦長なので、少し作業がしにくく、火の通りが効率的ではない感じはします。
布を入れて染めるのに使うには、鍋の内側に布が当たりやすいのでよくない気がします。
もう少し横に広いタイプの5リットル水マスにすればよかった、と後から思いました。それだったら3リットルと重ねて収納もできると思います。