2020年7月特別企画「藍の生葉染め」ワークショップ開催報告
スペシャル企画、藍の生葉染めのワークショップを開催しました。
何がスペシャルなのかというと、原料の入手。乾燥葉は売ってますが、生葉は自分で育てて手に入れるもの。東京ではなかなか手に入りません。わたしもベランダで育ててますが、定員6人分を育てるのは土地でも借りないと無理。
今回は、インスタグラムに枯れかけたベランダの藍を載せた際、「たくさん育てているから送りましょうか?」と言ってくださった草木染作家の草曜舎さんのお言葉に甘えて、ワークショップの分までゆずっていただきました。
インドのシルクや羽二重、やけに細い絹糸など、いろいろなタイプのシルクが持ち込まれて、それぞれに違った水色に染まりました。無事に開催できてよかったです。
目次
藍の生葉の保管
都合により、藍の収穫は開催日の4日前となりました。宅配便で翌日到着した藍。
バケツで水に挿して保管。到着日と翌日は気温が高く、ぐったりぎみ。全部枯れたらどうしようと不安になったので、半分を野菜庫へ移動しました。
でも3日目には、バケツの藍がシャキッとしてきました。
収穫4日目。ワークショップ当日。バケツ保管の藍は、茎にわさわさ根っこが生えてました。到着時よりも生き生きしていました。
2本だけ、一番大きかった茎が枯れました。大きすぎるとよくないのかな?我が家の枯れた乾燥葉と合わせて後日使います。
野菜庫に入れた藍。別に悪い状態ではなく、どちらも無事に保管ができてひと安心でした。
草曜舎さんがバイオダイナミック農法で育てた藍です。
草曜舎さんは、雑司が谷の手創り市でお会いした作家さんで、当時は手紡ぎの草木染め毛糸を販売されてました。その話はこちら→ 雑司が谷の手創り市でみた草木染め
生葉染めの作業
生葉染めは、生葉の青汁液に布を浸して空気にさらせば染まる、というシンプルなものです。煮出しも媒染も必要ありません。
短時間でできるし、手早くやることが重要なので、事前の説明と段取り確認に時間をかけて開始しました。
茎を入れた状態で全部で1400gくらい。人数分に藍を小分けしました。後で実験もしようと思っていたのに、その分をよけておくのをうっかり忘れて、実験はできず。すみません。
作業は1人分ずつ。葉っぱをとって、ミキサーをかけて、青汁を絞る作業は、1人分ずつやりました。布はあらかじめお湯につけています。
段取りを考えて、青汁作成。ミキサーの使い方に戸惑いつつ、手早く作業。家で1人でやるよりは、スピードアップできたかと思います。
不織布で受けて、緑色の青汁が溜まります。1枚だと弱いということで、後から2重にして使うことに切り替えました。ストッキングタイプもオススメだとか。(ついつい使い回しを考えて、耐熱温度が高い不織布を選んじゃいました)
ギュッと絞りだし。
液ができたら、すぐに染め始めます。開始直後の液色は、明るい緑色。
だんだん青色が入って、液色も青っぽくなっていきます。
今回は、空中に出し入れして染める方法にしました。浸したままにして、最後に干すという方法だと、また違う色あいに染まるのかもしれません。
糸をさばいて空気を入れようしたところ。でも、絹糸は細すぎてなかなか広がらず。
インドのシルクの手紡ぎの糸。シルク以外も混じっている豪快な雰囲気で、緑色が強い感じ。
最後はオキシドールを薄めた水に浸しました。
これは羽二重のシルク。オキシドールで青が冴えたかな?
バスタオルに包んで洗濯機で脱水。外に干す場所がないので、室内に干しました。(藍は天日干しがよいと言われてます)
藍の生葉で染まった色
濡れた状態と、半分くらい乾いた状態のものがあるかと思います。完全に乾くともっと薄くなるかと思います。
メイン1個を先に染め、残液で予備のものを染めたので、濃さの違いはタイミングの差もあります。
シルクのすごく細い糸と、インドシルクシャンタンの布。
豆乳下地した木綿糸と、インドシルクストール(こちらで準備しているストール)です。
羽二重と、太目のシルク糸と、豆乳下地をした木綿糸。シルク糸はもともと結構黄色い糸でした。
シルクのシャツ。ツヤツヤした生地でした。
板締め絞りをしたシルクチーフ。お家でアイロンで畳んだので、なかなか均等に模様が入りました。
いろいろなものが編みこまれていそうな、ざっくりしたインドのシルク糸。織物の横糸にするのかな?
絹ってきれいですね。私としてはゴージャスで近寄りがたいイメージでしたが、アジアっぽくなると身近になる気がします。
改めて写真で見ると緑っぽさは少なく、水色になった気がします。オキシドール効果なのかな?
藍の宅配対応
今回は特別。急きょ来られなくなった方に、藍の宅配もしました。
茎付きの藍の葉と、ワークショップで配っている手順の説明と、不織布2枚。箱詰めをして代引きで発送しました。お家で生葉染めを楽しんでもらえたでしょうか。
このご時世、家で楽しんでもらうサービスも提供できたらいいですよね。代引き初体験で、勉強になりました。
その後、お家で染物を楽しんだとお知らせいただき、写真も送ってもらいました。無事に水色も出てますね。
今後のワークショップ
8月は開催しません。東京のコロナ感染者数の増加傾向をふまえ、しばらく様子を見ようと思います。
乾燥後の生葉染めの色
乾燥後の写真をお送りいただきました。最初に染めたものと、後から入れたもので濃さが違うのかなと思います。
豆乳下地した木綿糸。左1つがワークショップで染めたもの。右2つが残液+生葉で染めたもの。
シルクのすごく細い糸と、インドシルクシャンタンの布。
ざっくりしたインドのシルク糸。左2つはワークショップで染めたもの。乾いて当日より薄い印象とのことです。右が残液でミョウバン媒染したもので、草色。
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。
※つぎいろワークショップ全体についてはこちら→ 草木染めワークショップについて
※草木染めについて知りたい人はこちら→ 草木染めの目次