ヨウシュヤマゴボウ染めテスト(失敗)
ヨウシュヤマゴボウには毒がある、と聞いて今まで避けていました。
でも、「別名インクベリーと言い、シミが落ちない」というウワサと、ベタレイン色素である点が気になり、今年は試しに染めてみることにしました。紫に染まって落ちにくいものは、ぜひ染めてみたいです。
でも、毒が怖いなという思いから途中で嫌になってしまい、失敗しました。普通に染めている人も多いので、たぶん大丈夫なのだと思うのですが、自分には向いてないと思いました。
目次
ヨウシュヤマゴボウの実
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)は、秋頃になると道端で見かける、ブドウのような形状の黒紫色の実です。こんな感じに実がなっているのを見かけると思います。
2020年10月24日に採取。実は終わりかけでした。使い捨てのビニール手袋をして取りました。
黒紫に色づいた房を3~4個取りました。計80g程度でした。
ヨウシュヤマゴボウの染液作り
450mlのガラス瓶に房を枝ごと入れました。
ビンの8分目まで水を入れて、木の棒にビニール袋を巻き付け、実を押して潰しました。実が外れた枝は取り除きました。
潰してみたものの、台所で加熱するのが怖くなり、一旦停止。
有毒成分は煮沸により分解されるらしく、逆に生のまま扱う方が怖い気もします。でも、煮出すのも怖い。だんだん嫌になってきました。ビンにフタをして、液はそのまま常温放置。
お弁当ナプキンを染める
放置すること3週間。ビンに放置していたヨウシュヤマゴボウの染液。発酵したのかわかりませんが、独特の変なニオイがしました。体に悪いものかは不明。吸い込まないようにしました。
木綿のお弁当ナプキンを、24時間常温の液につけてみることにしました。別の染料で、何度か染めては色が抜けている生地です。
24時間後。一見、よく染まっているように見えます。
水洗い後。だいぶ色が抜けましたが、紫っぽさはある、くすんだ色(汚い感じ)に染まっています。
乾燥後。紫っぽさは多少あるものの、なんだか汚い色です。失敗でした。
ハギレの染色テスト
その残液に、ハギレを24時間常温で浸しました。
あまり上手くいかなかったので、その残液にクエン酸小さじ1を追加。ハギレと毛糸を24時間常温で浸しました。
上段が1回目の残液。下段が2回目の残液(クエン酸入り)です。左からシルク、五倍子下地の木綿サラシ、下地無しの木綿サラシです。ウールとシルクは染まります。1回目も2回目も乾かしている間に、シルクに斑点の色抜けが出ました。どれも色むらが汚いです。
※濃染剤についてはこちら参照→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて
※五倍子下地についてはこちら参照→ タンニン下地(五倍子使用)
毛糸はとても濃い紫色に染まりました。
下の写真は、2回目(クエン酸入り)に入れた布、全部。左から2番目の小豆色2枚が、濃染剤下地とヤシャブシ下地です。赤みが少し入りましたが、やっぱり色むらがあって汚いです。
たぶん普通に加熱して染めたらもっとうまくいくような気がします。でも、どうしてもやる気にならないので、ここで終了。
残った液は吸い取って密封してゴミとして廃棄することにします。
ヨウシュヤマゴボウ染めで思ったこと
- 「服につくと落ちない」はウソだと思った。落ちやすいと思う。外国のinkberryとは違う植物に見える。
- ベタレイン色素は、ビーツ、サボテン、ドラゴンフルーツ、ケイトウなどにも入っているので、そういうもので染めてみたい。
- 木綿に付かない感じが、アントシアニンと似ている。
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