経験則、不確かなもの。

藍の葉

草木染めをしていると、なぜそうするのか理由がよくわからないことがあって、モヤモヤする。

理論、原理を知りたいと思う。

でも、それよりも経験則が重要だと思っている。その背景に科学的な根拠があったとしても、現代の科学も万能ではないから、まだ答えが出てない、今後も自分が生きている間に答えが出ない現象もあるはず。自分が知らないだけのこともたくさんありそう。

だから慣習をマネする。モヤモヤする気持ちは置いておく。

気持ち

「発酵において気持ちが重要」という迷信みたいな、眉唾な情報があったとして、それは科学的か。

どうして重要なのか。精神論が実際の行動に影響して、それが発酵に作用するのか。料理は愛情、みたいなものか。

でも、人間にはフェロモンがあって、気の持ちようで何かしらの物質を体から発していたら、それが他の生き物に影響するとしたら、発酵=微生物、とても小さい生物の活動に影響したっていい気がする。

ギスギスした気持ちで料理するとギスギスした味になる、みたいな。

実際に見えていること=経験則が、「気持ちで発酵の結果が変わる」というものなら、理論がどうこう考えるより先に、すべきことは気持ちを整えること。

だから、大安にするというのなら、そこに何かしらの意味があると思うことにした。

大安や仏滅などは「六曜」という占い。それを信じているかというと、信じてない。占いも信じないし、厄払いもしたこともないし、サービスで仏滅が安いものがあるなら仏滅を選ぶ派だと思う。

でも、すくも作りの開始日は、大安にしようと思った。そういうものらしいから。壁掛けカレンダーに載っている、大安とか仏滅とかの文字が、自分の役に立つ日が来るなんて思いもよらなかった。

整う感じがした。マニュアル人間だからマニュアル通りだと気持ちが楽なのかも。

大谷翔平選手のマンダラチャートを思い出した。ゴミ拾いや挨拶をするのは、人のためではなくて、すべては自分が目標を達成するための手段。一見つながってないようでも、つながっている。実際にはつながりがない事だったとしても、やっておけ、ということなのだと思う。

なんとなく、行為1つ1つは、気持ちのほうを整えるための儀式なだけで、すっごく感じ悪い極悪人でも、徳を積むような行為をしてない人でも、気持ちが乱れず、すっとしていたら、ウジウジしている優しい人よりも、発酵がうまく行きそうな気がする。

勝手にそう思うだけだけれど。

あーでもロト7は信じているから、六曜には懐疑的だけれど、確率論や期待値以上のものを信じる派ではある。モーガン・フリーマンの「時空を超えて」という教育テレビ番組も好きだった。世の中には見えないものがたくさんある。

条件が多すぎる

月の満ち欠けや、潮の満ち引きにあわせて何かするのは、もっと単純に科学的な感じがする。

月の引力の変化が、潮を満ち引きさせるぐらい大きな力があるなら、体内に水分がある人間に、植物に、発酵液の中にいる微生物に、影響を与えていいと思う。

引力と言えば、染色自体も色素と繊維が引き合ってくっつくのだから、ミクロな世界に影響があっていいと思う。そうなると、比較実験する時に条件の1つとして月齢を揃えないと条件がブレるのか。

プラスとマイナスで引き合う力も結構重要だから、そうなってくると、電磁波の影響があってもいいと思う。IHコンロはよく使うし、電子レンジで少量を温めることもたまにある。プロパンガス代が高いので、台所のガスコンロの代わりにIH卓上コンロで植物を煮出すことが多い。薪やガスで染める時と何か変わるのか。変わらないと思っていたけれど、何か違ってもいい。

植物の育ち具合、季節、温度、タイミング、なんだかいろいろありすぎて、どう染まるかをコントロールできる気がしない。

条件が多すぎるから、経験者をできるだけマネをすることが一番簡単。でも条件がありすぎて、すべては自分の環境に合わせることはできないから、あとは自分の直感を信じて調整するしかないのかもしれない。

センシティブ

草木染めは、たまに、センシティブなことがある。

ネットで見かけたやり方を同じようにやっても、うまくいかないことがある。

水は水、蛇口から出る水道水はみんな同じと思っていたけれど、地域でかなり違う。これは結構わかりやすい。

「水」と書かれたものは「水」なのだけど、その内容は1人1人変わってくる。季節で違うこともある。使う植物も、一つの葉っぱごとに違うといえば違う。

「木綿の布」「シルクの布」と書かれていても、その布がどのような状態なのかも、人によって違うかもしれない。

同じと思っている「同じように」は、完全に同じにはならない。

それがおもしろくもあり、やっかいでもあって、悩みでもある。

こうやって書くと、なんだかきちんと染め物をしている人みたいな感じがするけれど、そうではなくて、考え過ぎなのだと思う。

とりあえずやってみる、というのが好きです。とりあえずやってみて、気がついたことや思ったことをブログに書いています。後から違ってた、ということも時々あります。

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。